国際政治の視点

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7月24日号

イランが7月11日までに外相会議までにウラン濃縮活動の凍結を求める包括案に対する回答を行わなかったことから、P5+1(英米仏露仏プラス独)の外相会議は7月12日、イランの核開発問題を国連安保理での審理(5月3日にウラン濃縮凍結の包括的見返り案を協議するために中断されていた)を再開し、イランのウラン濃縮活動の凍結を義務付ける決議を採択することで一致しました。その後、米英仏により決議案が示されましたが、7月21日の段階では、案文をめぐってロシアが反対、ロシアは法的拘束力のない決議を要求しており、同時にイランを「国際的平和と安全に対する脅威」と決め付けることに反対しているとのことです。ただ、後者の違いについてはほぼ解決される見通しにあるようです(The State.comにおけるAP通信記事)。

ロシアは7月12日の外相会議で、ウラン濃縮活動凍結を義務付ける決議案の作成に同意していましたが、ここに来ての「変心」の理由は、「ロシアはイランがウラン濃縮の権利を放棄することはありえないと確信しており、これを義務付ける決議とそれを破った場合の制裁措置はロシアが反対している軍事行動につながるものに発展するとおそれたからではないか」と、ある外交官がAPに語ったとのことです。

なお、イランは包括的見返り案に対する回答を8月22日以降に行うという立場を崩しておりませんが、今回の国連安保理の決議において設定されるウラン濃縮停止を行うべき期限は8月31日までとなる模様です。この期限までにウラン濃縮関連活動の凍結が行われなかった場合、制裁決議を改めて行うということになるものと思われます。

一方で、イランの核交渉の最高責任者であるラリジャ二最高国家安全保障委員会事務局長は21日、AP通信に対して、「ウラン濃縮はイラン国民の決して奪われることのない権利である」と延べ、不当な要求があるなら、「イランの核政策を再考する」と述べ、核不拡散条約(NPT)体制からの脱退のおそれをも示唆しているとのことです。

イランが既に示唆しているように、8月22日過ぎに包括的見返り案に具体的な回答がイラン側から出され、ウラン濃縮の凍結が行われれば、外交的な解決に向けた新たな進展が見られることとなります。しかし、イラン側はウラン濃縮凍結を交渉の前提とすることを一貫して拒否していることから、まだどのような展開となるかは予断を許しません。また、イスラエルによるレバノン侵攻問題はアメリカ・イスラエル連合とイラン・シリア連合による代理戦争との見方もある中、イランの核開発問題の解決に複雑な影響を与えるものと思われます。
(イスラエルのレバノン侵攻問題については別に論じます。)


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