労働者とともに歩むブログ

労働者に関する法律と労働相談の勉強をしています。

配転・出向・転籍

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全1ページ

[1]

今日は、配転について、最後です。


3、十分説明のなされない特異な配転命令

会社の関西技術部所属の電気技術者として勤務していた労働者に対し、

会社は販売体制を強化すること等を理由に、未だ開設されていない札幌、仙台、高松などの出張所へのセールスエンジニアとして配転命令を発したが、

労働者がこの命令に従わなかったため懲戒解雇した事案

です。
裁判所は、

 「本件配転命令は、これまでの配転例からみても極めて特異な内容を含むものである」

から、

 「その発令の前後に、十分慎重な手続きがとられて然るべきである。」

然るに、

 「会社は事前に赴任の可否について本人の意向打診をすることもなく、」

 「当初から3日間あるいは5日間という極めて短い赴任期間を設定し、」

 「いったん電撃的に発令するや本件配転命令の特異性について労働者が抱いた数々の疑問について
  十分説明を加えることもせず、」

 「本件配転命令に応じなければ業務命令違反による解雇もやむを得ないなどと一方的に会社の
  強硬方針を宣言するに終始し、」

 「赴任機関の満了を待って即座に労働者を懲戒解雇にしたものであり、」

 「長期継続的労働契約を規律する信義則に鑑み看過することができない」

として、配転命令を人事権の濫用として無効としました。(日本精密計測事件・大阪地裁)

(「Q&A労働法実務シリーズ配転・出向・転籍」中央経済社 より )


裁判所において配転命令権の行使が

 信義則違反として無効

とされた事案は、上記のとおり、

 使用者の配転命令の手続がいずれも使用者と労働者との信頼関係を破壊するようなもの

ということができます。
したがって、法律的には、

・業務上の必要があり、
・労働者の被る不利益の程度もそれほど大したことがない

場合でも、手続き的にみて労使間の信頼関係を破壊するような場合には、

 配転命令を信義則違反として無効

とすることができます。
配転命令が出されたときには、以上のことを考慮に入れ、会社と話し合いましょう。

では。

今日は、配転について、つづきです。


2、労働者の簡単な事情聴取のみで再考要請を拒絶した配転命令

会社入社後一貫して造船所の設計業務に従事していた労働者が

造船不況対策の一環としてなされた設計部閉鎖に伴い福岡営業所への配転を命じられたのに対し、

家庭の事情、職種転換などを理由に会社に対し何回も再考依頼をした事案

です。
裁判所は、

 「従業員の配置、異動といったことについては、一般的には使用者にこれを決定する裁量権があり、
  労働者はこれを使用者に委ねたものと言い得よう」

が、

 「労働契約関係という継続的法律関係においては、当然その基盤となる信頼関係の存在が使用者、
  従業員のいずれにおいても必要」

であり、

 「双方においてこの信頼関係を破壊するような行為は仮に権利行使の形をとっていても権利の濫用
  として許されないものであり、」

 「かかる行為は法律的に無効なものといわなければならない」


 「会社と労働組合との間の労働協約の、会社は本人の意向を徴するものとし、との規定の趣旨は、
  配転等を命ずる使用者側の業務の都合と配転等を命ぜられる従業員側の個人的事情、その不利益
  等とを照らし合わせて、」

 「使用者側においてその配転命令を命ずるに際し、両者の利害の調整を判断する機会と材料を与える
  ところに、意向聴取の意義あるものと考えられる。」

と述べた上で、

 「会社側は本件配転命令を内示するまでには、一回だけ簡単なしかもいわば福岡への異動を予想した
  とも受け取れるような形での意向聴取をしたのみであったこと、」

 「本件配転命令を内示した日以降は、労働者からの再考の依頼に対してはこれを拒絶する一方」

で、

 「労働者の持つ個人的事情の存在にも拘らず福岡営業所にてぜひとも勤務しなければならない会社側の
  事情が具体的に明らかにされていない」

ので、

 「本件配転命令は人事権の濫用として無効といわざるを得ない」

と判示しました。(三井造船藤永田工場事件)

(「Q&A労働法実務シリーズ配転・出向・転籍」中央経済社 より )


長くなりました。
次回は、裁判例の続き(最後)、を見ていきます。

では。

今日は、配転について、です。

配転命令が無効とならないためには、労使間の信義則に従って行動することが要求されるといわれます。
どのような場合に信義則に反することになるのでしょうか?
以下、見ていきます。


○配転命令の行使と信義則

一定の範囲で使用者に配転命令の行使をゆだねる旨の合意がある場合でも、

 「その権能の行使は使用者に無制限に許されるものではなく、労使間の信義則に照らし、合理的な
  制限に服さなければならない」

と解するべきであって、

 「その制限は具体的事案において当該転勤の業務上の必要性の程度と当該転勤によって労働者が被る
  不利益の程度とを比較衡量して判断されなければならない」

とされています。
労使間の信義則とは、労働契約の当事者である使用者と労働者との間において、

 「権利の行使及び義務の履行は信義に従い誠実に為すことを要す」

のであって、配転命令が有効とされるための重要な要素の一つとされています。


○使用者の態度が信義則に反するとされた裁判例

1、考慮期間を与えない転勤命令

東京の工場から広島の工場への転勤を命じられた労働者が大学進学に強い希望を持っていたため考慮期間を与えてくれるよう要望したのに対して、

会社は発令日の翌日に命令に応じなければ解雇する旨労働者に通知し、

労働者がこれを拒否すると即日解雇した事案

です。
裁判所は、

 「業務上必要な転勤命令を出すことは使用者の権能に属しており労働者はそれに服する義務がある。」

しかし、

 「労働者の立場からすれば、転勤に伴う職場および住所の変更等が労働者に与える影響は大きい」

から、

 「使用者としても転勤を命ずる際にはできる限り労働者の同意を得るようにし、」

 「同意を得られない場合でもなるべくその希望にそうように努力した上で転勤を実施するのが労使
  関係における信義則に合致している」

ものといわねばならず、

 「その要請に著しく反する使用者の一方的転勤命令は権利の濫用であり、その命令は無効なもの」

と判断せざるを得ない、と判示しました。(三豊製作所事件・横浜地裁)

(「Q&A労働法実務シリーズ配転・出向・転籍」中央経済社 より )


長くなりました。
次回は、裁判例の続き、を見ていきます。

では。

全1ページ

[1]


.
mak**o_sa*ta
mak**o_sa*ta
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

標準グループ

登録されていません

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
ふるさと納税サイト『さとふる』
お米、お肉などの好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事