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年末手当たり次第に本を読んでいるが、これは!という本に出会った。
「ヤンキース流広報術」。
この本はニューヨーク・ヤンキース広報に所属し、松井秀樹選手の広報も担当している広岡勲氏が書いたものだ。
広岡氏には常日頃取材でお世話になっているが、その人柄と卓見にはずっと敬意をもっていた。
広岡氏は就任当時に、まず広報の仕事を「信頼関係」と位置づけた。
そして、「四つの対象」つまり日本メディア、アメリカメディア、ヤンキース球団、そして松井選手本人を公平に大切に扱うところから出発した。
スポーツ記者として球団取材の経験があったからこその、着眼点である。
広岡氏のとった様々な広報戦略やそれにまつわるエピソードは、ぜひ本を読んで欲しい。
筆者はこの本を読み終わったとき、日ごろからあった「なぜ松井選手は日本人にもアメリカ人にも、球団からも愛されているのか」という問いの答えが判ったような気がした。
そして広岡氏のような人材がそばにいる松井選手は、とても恵まれていると感じた。
もちろん松井選手本人の人格の素晴らしさは、おいておいてもだ。
多くの大リーグにやってくる日本人選手が、球団やメディア、そしてファンとの軋轢に苦しみ、その実力を発揮できずに去っていく。
広岡氏が示しているのは、「選手たちの戦場は決して球場だけではない」ということだ。
メディアとその先にいるファン、球団との絆をどう守るのかが、選手にとって大切なのだ。
さて、07年のシーズンには松坂投手が大リーグにやってくる。
先日の入団会見では、通訳の拙さや会見の仕切りの悪さが何かと話題になっていた。
たぶんキャンプには100人以上の日本メディアが殺到するであろう。
果たしてレッドソックスと松坂投手の周りに広岡氏のような人材が見つかるかどうかが、今後のポイントとなりそうだ。
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