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アメリカの経済

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アメリカで今年何がすごかったか?ときかれたら、筆者が一番に答えるのは You Tubeの普及だ。
You Yube に代表される個人による投稿ビデオを介したソーシャルネットワーキングの普及と影響力の拡大は、すさまじかったの一言につきる。
You Tube をはじめとするウェッブのビデオ共有サービスでは、個人が携帯やビデオカメラで撮影した映像が投稿された瞬間に世界中に公開される。
個人の情報発信力が、既存のメディアを超える時代がやってきたことを、あらためて印象付けたのが今年一年だった。

以前紹介したマークハルペリン氏の本の中でも、インターネットはもはや政治への影響力においてテレビや新聞を凌駕するとあった。
今年の中間選挙では、You Tube がまさにそれを裏付けたかたちだ。
たとえば、候補者の選挙演説はかつては会場参加者だけが共有する情報だった(テレビカメラが入っていれば別だったが)。
しかし今はビデオ共有サービスによってまさにタイムリーに、その映像と音声が全米に流れるのだ。

中間選挙では様々な候補者の演説での失言が、かつてないスピードで全米に伝わり、実際何人かの候補者は対応が後手後手に回って自滅し、選挙戦の大きな流れまで変えていくことになった。
また、既存のメディアもこうした状況の後追いが精一杯といった状況だった。
選挙は現場とウェッブで起きていたのだ。

今年、You Tube のあまりに速い普及は、様々な波紋を呼んだ。
既存のテレビメディアは、映像の著作権をたてに、その動きを止めに入った。
さらに10月にはGoogleが YouTubeを16億5000万ドルで買収すると発表した。
どちらの動きも、急成長するオンラインビデオ市場をいち早く取り込もうとする戦略だ。

アメリカ・タイム誌の「2006年の顔」は「You〜あなた」だった。
この投げやりとも思える命名が既存メディアの敗北宣言に聞こえたのは、筆者だけだったのだろうか?

松坂大輔投手の大リーグ入りは交渉期限ぎりぎりまでもつれ、あわや交渉決裂かという場面もあったが、
何とか決着した。
それを伝える日本メディアのフィーバーぶりは、ご存知の通りだ。

もちろんアメリカの巨大産業である野球ビジネスにおいては、このような交渉風景は当たり前だろう。
が、この騒動の中で、日米の企業観の違いがあらためて浮き彫りになったのは面白かった。

松坂投手の交渉代理人、ボラス氏。
超やり手とも金の亡者とも言われる彼が、交渉過程の中で繰り返し批判したのは、
交渉相手レッドソックスではなく、ポスティング制度そのものだった。
彼いわく、「ポスティング制度によって、松坂投手は正当な報酬をもらえていない」。
つまりレッドソックスが松坂投手を獲得するために支払った額の半分近くが西武球団の懐に入ることで、
松坂投手が得るべき正当な報酬を得ていないということだ。

ボラス氏にしてみれば、松坂投手の報酬が減れば代理人としての手数料も減ってしまうわけだから、
これは痛いし怒る気持ちもわかる。
ただ、アメリカのビジネスマンである彼にとって、そもそもポスティング制度なる極めて日本的な制度の存在自体が理解に苦しむという面もあったのではないか?

近年壊れてきたとはいえ、依然日本企業は年功序列・終身雇用が基本だ。
高校や大学を卒業し入社するとまずは研修を受け、次に現場(支店で営業とか工場とか…)で苦労を数年、やがて本社に上がって管理業務につくというのが、一般的な日本企業のジョブローテーションだ。
その中で、先輩や上司に教えられ、企業文化になじみ忠誠心を養われ、「一人前」に育っていく。
寮や社宅があって、隣近所は同じ会社の人たちで、休みの日の会社の行事も多い。
いわば、企業が擬似家族のような役割を果たしている。

松坂投手に限らず野球選手にとっても、球団は学校卒業以来「育ててもらいお世話になった」
いわば家族のようなものに違いない。
球団にとっても選手は「子ども」のようなもの、育てて一人前にしたのだから、
独立しても「孝行」だけは忘れるなという意識だ。

ポスティング制度は、球団が見返りを得られずに選手を失うことを防ぐために、日米の球団間で導入されたものだ。
しかしそもそもこの制度の導入の背景には、こうした日本企業の精神構造が色濃く反映しているし、
アメリカ人にとってはその存在自体が理解に苦しむものに違いない。
実際ボラス氏に限らず、アメリカメディアも『ポスティング制度』なるものを、
好奇の目で追った論調が少なからずあった。

さて、何はともあれ三方一両得?となったのだから、あとは松坂投手の活躍を期待するだけだ。
このシーズンオフは、アメリカ国内で大きく騒がれたトレード劇が多くなかっただけに、
いい意味でも悪い意味でも松坂投手の大リーグ入りは(少なくともNYとボストンでは)
大々的に取り上げられ、アメリカ野球ファンの松坂投手の認知度は高まった。
結果を出さなければ、激しいブーイングが自軍のファンからも起こるのは間違いないだろう。
高い報酬を得るものには、ファンは結果を厳しく求めるのだ。
ガンバレ!

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