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江戸川区立清新第一小学校にて 平成16年6月
みなさんこんにちは!
今日私はお台場のフジテレビからやってきました。鈴木まことといいます。普段フジテレビでは報道番組のディレクターをやっています。担当している番組は日曜朝7時30分から放送している「報道2001」という番組です。
今日は皆さんにテレビについてお話したいと思います。特に私は報道番組、ニュース番組を作っているので、ニュース番組についてお話します。
ではお話しに入る前に、まずはいくつか質問を皆さんにしたいと思います。
皆さんはだいたい毎日テレビを見ていますか?
皆さんの好きな番組って何かな?
では、皆はだいたい一日何時間くらいテレビを見ていますか?
(3時間くらいが一番多いみたいですね)
NHKの調査によると日本人は一日に平均三時間テレビを見ているそうです。ちなみにこれは一日のうち8分の1.ということは、日本人の平均寿命は80年くらいですから、一生のうちだいたい10年間、テレビを見ているという計算になるんですね。
このようにテレビというのは、皆が知らないうちに、家族や友達の誰よりも接している時間が長い相手となっています。
では、そんなに長くこれからも付き合わなくてはいけないテレビについて知っておくほうが何かと便利ではないかと思いませんか?
今日は皆とテレビとどう付き合ったらいいのか一緒に考えたいと思います。
まずはテレビにおいてニュース番組がどうやって作られていくのかお話をしたいと思います。
皆は普段ニュースを見ますか?
今どんなニュースに興味がありますか?
テレビのニュースの場合、ある事件が起こるとまずその現場に記者とカメラマンが向かいます。そこで記者はさまざまな取材、たとえば現場の警察官や目撃者、その関係者という人たちにどのような人物がどのようになぜ事件、事故を起こしたのかといった情報を集めます。
一方でカメラマンは現場の映像をカメラにおさめます。
そしてその情報と映像は本社に送られます。前は電話であったり、ファックスであったりしましたが、今ではだいたい携帯の端末パソコンからメールで送られます。
本社に持ち込まれると情報は、皆さんが作文を先生に添削されるように、デスクといわれる人によって文章化されて原稿となります。
ではここで質問です。ニュース番組のニュースってどのくらいの長さだかわかりますか?
ニュースはだいたい1分くらいなんです。ですから、原稿も映像も1分にしなくてはなりません。
この1分というのがポイントなんです。なぜなら現場に行ったカメラマンは事故なら2から30分くらいそこでいろいろな映像をとります。しかしテレビで流すニュースは1分。ということは30分のものを1分にカットしなければいけません。
つまり、テレビを見ている皆は僕らが作った30分の1の映像しか見ないということなんですね。
ではこれから二つの映像を見てもらいたいと思います。この二つは去年の4月に中東で起こったイラクとアメリカの戦争が、ほぼ終わりとなった日のイラクの首都バグダッドの映像です。
長い間繰り返し繰り返しテレビで流れていたので、覚えている人も多いと思います。
ではバグダッド陥落した4月9日の映像を見てください。
VTR バグダッド陥落
これを見てどう思いましたか?率直な感想を?
皆楽しそうですよね。
この映像を見ていると、イラク国民全体が喜んでいるような気になりますね。
では同じシーンを別の映像で見てみましょう。
VTR バグダッド陥落 ワイドサイズ
どうですか?印象が違いませんか?
答えはこうです。
先ほど僕はイラク国民全体が喜んでいるといいました。
しかし、実際この公園でこの銅像を倒した群衆は何人くらいいるでしょう?
実際この広場に集まったイラク人はたった100人ぐらいだったといわれています。
そして後でみた映像を見ると、広場の周りは閑散としていてほとんど人がいないんですよね。
つまりこういうことなんです。
皆がニュースを見ているとき、それは当然どこかで起こったものだと思いますよね。それはまちがいありません。だってもし事実出ないものをテレビがニュースで流したら、大変なことになりますから。
でもさっき見た映像二つを思い出してください。
あれは二つとも同じものをとった映像ですけれど、カメラの撮り方や編集の仕方で皆の印象がまったく変わりませんか?
でもテレビを見ている皆は、実際にイラクに行ってその現場を見てくれば本当はどうなっているのかわかるかもしれませんが、実際に見に行ける人はいませんよね。
そこで、最初に言った今日のテーマ覚えていますか?
僕は「テレビとどうお付き合いしたらいいのか?」と言いました。
その答えは、「テレビがすべてだと信じるな」ということです。つまりテレビが「これは本当にあったんだよ」といって流しているニュースは、うそではないんですけど、全部を伝えているわけではないんです。だから映像の編集の仕方しだいで、印象が変わったりするんです。
本当は「とても冷静な現場だった」のが「皆大喜びだった」という印象になったり。
ただうそではなくて、事実を伝えているということは間違いないというのがややこしいんですけど。
だから皆さんはこれからテレビを見るとき、これから中学生、高校生になるとニュース番組を見る機会も増えていくと思います。
そのときに思い出してほしいのは、「テレビは事実を伝えているんだけど、それは事実の一部」だということ。
テレビだけを見るのではなく、新聞やインターネットやいろいろなメディアを見て(でも時間がないので、少なくとも興味のあるニュースについては)自分で調べてみるということです。
これは忘れてはいけません。
「父兄へ」
今海外では「メディアリテラシー」という聞きなれない教育が行なわれています。ここでは、「テレビとどのように距離を置いて付き合うべきか」という教育がなされています。
僕は、日本人はテレビに対してとても純粋だと思っています。それが僕らのやりがいにもなるわけなんですが、一方で恣意的に事実を紹介するようなテレビマンがいるかもしれない。
ぜひこれは忘れないでほしいと思います
テレビとはうまく付き合っていきましょう。
では質問コーナーです。
・小学生からの質問は・・・
Q イラクでは報道の人は危なくないんですか?
Q トリビアに選ばれるのは時間はどのくらいかかりますか?
Q フジテレビのフジってどういう意味ですか?
Q フジテレビはいつできたんですか?
Q 瞬間視聴率ってどういう意味ですか?
Q フジテレビのマークはどういう意味があるんですか?
Q ニュースが一番早いのはどの放送局ですか?
などなど
学校・父兄からは
Q 「ノンフィクション」はどうやって取材先を見つけるんですか?
Q ゴールデンタイムでくだらない番組や行き過ぎた番組が多いのは困る
Q テレビ局に就職して何が楽しくて何が大変ですか?
Q 視聴率はどうやって誰が調べているんですか?
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