読書の感想

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… 本日は、甥っ子のところに来てまして、しばらくはPC使い放題なので、
またまた読書の感想を続けます。 


『 待ってよ 』   蜂須賀 敬明  (文藝春秋)

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 どっぷ〜りと異次元の小説世界に浸りきり 
 ました。 まさに、至福。
 時間がさかしまに流れる街、人は老人と
 して墓より生まれ、だんだんと若返り
 子供、幼児になり、やがて胎児となって
 母胎へとかえってゆく。
 荒唐無稽な世界を、みっちりと緻密に
 濃密に愛をもって描ききっている。
 ものすごい新人作家が現れましたよっ、

素晴らしいです。 天才マジシャンが迷い込んだ不思議の国の物語。
まるで近未来の洋画を鑑賞しているようなんだけど、実は現代日本のお話。
松本清張賞受賞作だし、表紙絵からして、ミステリアスなホラーなのかなっと
思ってたら、まぎれもないラブファンタジーでした。
どんどん物語りに絡めとられて、読後は余韻に浸ってしばし戻って来れなかった。
しっとりと切ないのです。


『 浮遊 』   高嶋 哲夫   (河出書房新社)

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 ゆ〜らゆら浮遊しているのは、脳。
 交通事故死するも、脳は無償のため、
 自らが研究していた脳科学の同僚たちの
 手によって、極秘に生かされ続けてしまう
 のだ。 脳が主人公の小説というのに、
 興味津々で読み始めた。
 想像を絶する常軌を逸するであろうほど
 の、孤独と苦悩の叫び叫び叫び
 しかし、思考し続ける… いやぁ恐ろしい。

『ジョニーは戦場へ行った』は、映画も小説も、どちらも悲哀に満ちてずどんっと
衝撃的だったなぁ。 もう少し、ドラマチックな展開がほしかったけれど、
脳だけなので、どうにもころがしようがなかったか…。
でも、読んでる間は、ぐるぐるこちらも思考しまくりで疲れました。


『 反社会品 』  久坂部 洋   (角川書店)

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 期待を裏切らないグロテスクさだ。
 久坂部さんの小説は、気持ち悪いだろう
 なぁと思いつつも… 抗いがたい魅力が
 あって新作が出ると飛びついてしまう。
 現役医師(…今もたぶん)なのに、
 思いっきりブラックで皮肉たっぷり。
 医療、福祉の現代社会問題に鋭く切り込
 んでく… うげげげっとなりつつも痛快。
 好きなんだな、これが。



『 院内カフェ 』   中島 たい子   (朝日新聞出版)

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 どぎつい小説のあとはお口直しに、
 ほんわ〜かしたくって。
 総合病院に併設された全国チェーンの
 カフェ。 イマドキ、増えてますもんね。
 メニューは全国共通なのだけれど、
 病によってそれぞれの苦悩を抱えた人々
 がくつろく場所。 だからこそ、生まれる
 ドラマがある。
 シリアスな内容もありだけど、ふ〜わりと

した人の優しさを感じさせるラストが素敵でした。


…ということで、またお会いできる日まで。


  ここ最近のいちばんのショックな出来事といえば…、
近くのものが、ぼややや〜んとぼやけてピントが合わなくなったこと。
疲れかしらんっ…っと思ってたけど、いつまでも、ぼやけっぱなし。
もしやっと、手元を遠く伸ばしてみたらぁ、これがなんとくっきり見える  
近視と乱視のダブルパンチで小学3年生から、メガネのお世話になってきたけれど、
とうとうとうとう、遠近両用が必要になってしまうとは。
でも、そうですよねぇ、そういうお年頃ですもんね。 誕生日も迎えたことだしね。
メガネはずして読んではいるけど、かけたりはずしたりで面倒になっちゃって。
大好きな読書まで、億劫になったりして。 なにより目を酷使する仕事なので、
早いところ、メガネつくってこなくっちゃあとは思ってるんだけれど。

私の生きる喜びですからね、読書はっ。 
…ということで、感想をちょっとだけでもつづってみようかと。 久々だわぁ。


『 厭世マニュアル 』   阿川 せんり  (角川書店)

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 とびきり若い作家さんの、採れたてほやほ 
 やな文章を読むのは楽しい。
 他人と上手くコミュニケーションがとれずに、   もやもやんっとした鬱屈を抱えてる
 生き辛さ満タン22歳の女の子が主人公。 
 マスクで、顔を半分隠して生きている。 
 人と目を合わせられず、マスクごしにしか、
 もにょもにょと言葉をつぶやけない。 
 でも、爆発しそうに自意識が充満してて…。

けっこうしんどう内容なのに、ぽんぽんストーリーがコミカルに進むので、
面白く読めた。 せっまいせっまい世界でもがいてて、周りの善意を素直に
受け止めようよと…とおせっかいにも思ってしまった。 
マスクが重要なアイテムなんだけど、今のご時勢、マスクしてる人多いからぁ。
どうせなら、黒サンとか、目だし帽くらいにぶっ飛んでても良かったかな。


『 学校の近くの家』   青木 淳悟  (新潮社)

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 これはもう、表紙絵に惹かれ手にしました。
  そうだったよなぁ、小学生のころって、
 あの世界が人生の全部だったわけだから。
 学校と、家と、先生と、友だちと、家族と。
 気が遠くなるくらいずっとずっと続いて
 きそうなほどに、絶対で永遠の場所。
 読みながら、記憶の彼方に追いやってた
 いろんな思い出がよみがえってきた。
 校舎の、教室の、運動場のにおいとか、
 
校庭のポプラ並木とか。 通学路とか。あのころの、大切だった友だちの顔が
浮かんできた。 どうしてるかな。
青木さんの小説は以前にも読んだことあるけれど、不可思議な噛みごたえ。
展開があるようでないようで、退屈なようで、平凡なようでへんてこで。 不思議。


『 彼女に関する十二章 』   中島 京子  (中央公論新社)

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 やっぱり上手いな、中島さんっ。  
 60年前のの大ベストセラーエッセイ
 伊藤整氏の『女性に関する十二章』を
 ベースに、子育てをおえ更年期まっさかり
 の女性を主人公として、現代日本社会
 とか家庭ってもんを考えてしまいました。
 この年頃の女性の心のつぶやき、妄想が、
 ユーモアたっぷりでリアルなんだぁ。 
 おくてだとばかり思ってた息子が、突如

連れてきた恋人との顛末やら。 呑気すぎる夫やら。 パート先に現れる男性、
正体不明の“調整さん”との恋未満とかとかとか。 けっこう内容豊富。
この“調整さん”が、私的にはど真ん中に気になりました。


『 言い訳だらけの人生 』   平 安寿子  (光文社)

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 『彼女に関する十二章』が、50歳女性が
 主人公なら、こちらは男性が主人公。
 まさに、“ザ・おじさん小説”なんだけれど、
 み〜んな心は少年で慕わしい。
 なつかしの徳市じいさんの弔いのために
 集まった幼なじみの三人。
 それぞれ、壁にぶつかりつつの山あり
 谷ありの人生で、戻れるものなら戻りたい、
 少年の日々。 ガンダムに心を奪われた

世代には、たまんなくシンパシーを感じるでしょうねぇ。 平さんの小説は、久しぶりだけどさくさくっと読めてしみじみします。


…まだまだ、いっぱん読んでるんだけれど。 またそのうちにUPすることにします。
  ではでは。
 

世界が赫に染まる日

  『 世界が赫に染まる日 』  櫛木 理宇   (光文社)

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  表紙絵の、傷だらけの痛ましい少年に心をむんずとつかまれ引き込まれる
ように手にした一冊。 内容も負けないくらいに、衝撃的で痛々しかった。

15歳で自らの命を絶つと決意した孤独な少年と、いとこの未来を奪った加害者に
復讐の憎悪をたぎらせる少年。 二人は、少年法に守られ罰せられない犯罪者
たちを成敗するため、一人ずつ襲撃するのだった__。

ギリギリっと脳髄に喰い込んでくるような残酷描写が、ハンパない。
たまらなく痛い痛い痛い。 それでも、ページをめくる指先が止まらない。
物語の奥に巣くう、若者たちの悲哀が生々しく胸にせまってくるのだ。
ただ、ショッキングなだけではない、ネット社会の脅威であったり、犯罪者に
甘い日本社会を鋭く突いていて、考えさせられる部分も多くあった。
小説ならではの仕掛けが随所にあって、ハッとさせられる。 巧い。


 『 赤と白 』 (集英社文庫) も面白かった。

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 それぞれの家庭の事情や、
 母との関係から、もやもやと鬱屈した
 ものを抱えつつ今を生きる少女たち。
 ちょっとマンガチックにデフォルメ
 されてるけれど、みょうにリアル。
 どんどんっと、どす黒い悪意が暴走
 してゆく、スピード感がたまらない。
 気持ちの良い小説ではないんだけど。
 あと引くんだよなぁ。


好みのジャンルではないのに、なぜか過激な小説が読みたい今日この頃。
新しい仕事を覚えるのに必死で、慣れない人間関係にも神経すり減ってるはずなのに、さらに神経に響くようなものを欲してしまうなんて… 心身とは不思議なもん
だなぁ。

まく子

  『 まく子 』   西 加奈子    (福音館書店)

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  ブログ更新がしたい〜っとうずうずしつつも…なかなか時間とれず。
毎週末の北見出張と、隣町滝川への業務支援でくったくったの日々でして、
滝川へは汽車で30分ほどの乗車時間なのですが、ちょうどのバスがないので
朝6時半に家を出て職場に辿りつくのは8時45分過ぎ…往復4時間の通勤時間。
いやはや〜、まるで旅人のような生活を送っておりますぅ。
唯一の楽しみは、バスと汽車に揺られ〜つつのたんま〜り読書できること。
ほんとは、仕事の資料やマニュアルにちゃんと目を通すべきだし、つねに携帯
しているのですが…まったく手が伸びず、ひたすらに読書に耽溺しています、


新作が出るのが待ち遠しい作家さんの一人、大好きな西さんの小説。
西さん作の表紙絵は、いつもダイナミックで魅力的なのだけど、このお猿さんの
キュートなことったら。そして裏の、情けないわんこの顔もたまらない。
表紙をなでなでしてるだけでも、幸せになれちゃうくらいだ。

小さな温泉街で暮らす小学校5年生のぼくをめぐる成長物語…っと思いきや、
西さんテイストみっちりなのです。 とにかく、転校生の女の子が面白い。
まく子って何? どんどん不思議さが突き抜けていって、とてつもない時空へと
飛散してゆく。 ちっぽけな疑問なんか吹っ飛ばして、西さんのつむぐ物語に
どっぷ〜りと翻弄されるのみ。 この心地良さは、読んでもらうしかない。
電気を消した暗い部屋でキッラキラに光る本書。 これにも、たまげた。
お猿もわんこも姿を消して、星のまたたたきのように光を放ってるのだもの。
本いっぱいに、はち切れそうなほどの愛とメッセージがあふれにあふれてる。
だからこそ、西さんは特別なのだ。 

ここのところの読書。

  週末の北見市出張に加えて滝川市への業務支援と…目まぐるしい日々。
新しい環境にドギマギの連続で、心身ともにひじょ〜にくたびれています。
汽車に揺られて〜の移動時間は目がしばしばちかちかしつつも…ひたすら読書。
私の最大の趣味なので、この楽しみだけは譲れません。
一冊一冊、心を熱く揺さぶられたりしたのに、時間とともにうすれてゆくばかり。
さらりっとかんたんな感想だけでも残しておきましょう。


『 ウィメンズマラソン 』   坂井 希久子   (ハルキ文庫)

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 人がただ走り続けてるだけの、
 単調な画面から目がはなせない。
 少し駆け足になったぐらいで、
 心臓がばくばくしてしまうのに、
 なぜに、こんなに長い距離を
 それも、過酷な練習をつんで、
 肉体と心を極限まで追い込んで、
 こんな苦しいことをするのだろう。
 数あるスポーツのなかでも、
 いちばん原始的で孤独だと思う。

この小説は、オリンピックをめざす女性マラソンランナーが主役だ。
実力もあり将来を嘱望されながらも、自分が引き起こしたある事件により、
世間からのバッシングの嵐にさらされ、選手生命すら絶つ運命に。
人生の苦味をがしがしっとかみ締めつつ、障害が山ほどあっても、
それでも走ることをあきらめられない。 もう一度、世界を目指そうとする主人公の
マラソンへの思いが熱い熱い熱すぎる。 こちらまで、汗ばんでくるくらいに。
実在の、ランナーや監督とだぶらせつつ、こういう世界なんだろうなぁ〜っと。
時期的にもすごくタイムリー。 やっぱり、マラソンはドラマチックなのだ。


『 決壊 』   平野 啓一郎   (新潮文庫)

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   読むのにかなりの覚悟がいった。
  二冊組みで分厚いっ。
  表紙にしっかり書かれてるとおり
  猟奇的なバラバラ殺人事件が
  各地で起こるんだけれど、
  ミステリーでも推理小説でもない。
  それを期待して手にした人は、
  訳わからんっと、腹を立てるかも
  しれません。はっきりいって、
  訳わからないけど、すごいです。
 
ふつうの家族小説のような始まりでじょじょに不穏な空気をまとってゆくのですが、
猟奇殺人がいつ起こるんだ起こるんだ〜っという焼け付くような思いでページを
めくりつづけるも、導入部がまどろっこしいくらいに長い。 難しい心理学書や
哲学書や経済書や学術書を読んでいるような、そんな気分にもなってしまう。
それでも、読むのをやめられない。 この吸引力は、なんなんだろう。
ぎゅっぎゅっと濃縮された膨大な思考と言葉のうずが決壊して、津波のように
押し寄せてくる。 悪魔は不気味で想像を絶するくほど恐ろしいけれど、
人間の内面世界も、摩訶不思議で不気味だ。 主人公のように、頭が良すぎる
というのは、悲しいことかもしれませんね。  平野ワールド、底知れません。



まだまだ感想つづるつもりだったのに…ちょっとくたびれてきましたので、
これにて。   さってと、本でも読みながら眠りにつくとしましょう。

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