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(1)からのつづき。
ではこの様な古い公団分譲団地マンションを購入することで、どのようなメリットが考えられるのか。
あるいは、先に挙げたデメリットをどう克服するのか。
まず一番のメリットは、お金があまりかからない事だといえる。
築年数からいって細かい修繕は多いものの、実は概して一般のマンションより管理費・修繕積立金費は少なく済む。
設備については、機械ものの劣化が一番怖いが、幸いなことに、この手の団地は「設備」が極端に少ない。
通常のマンションに設置されているエレベーターがないので、当然入替えも必要ないし、保守点検料金や電気料金もかかっていない。この点、デメリットである「エレベーター無し」が逆にメリットになっている。
エレベーターの保守料金は、サービス内容や規模にもよるが1基当たり月30,000〜100,000円ほどである。他にも築25〜35年に想定される、エレベーターのリニューアルや交換工事は500万〜1,500万円かかる。当然毎月の電気料金もかかっている。
他にも、通常はあるはずの給水設備もない。
団地造成時に、地域の水道圧を高めてマンションの5階まで水道管の圧力で供給できるようにしてあるためである。当然その圧に耐えうるような給水管の仕様になっている。
そのため、給水ポンプ保守点検料金や、ポンプ維持・交換費、電気料金がかからない。受水槽などもないため、受水槽清掃費、法定検査料金もかからない。当然その交換費用も勘案しなくて良い。
この辺も毎年2〜6万円の保守点検料金、100万円ほどの交換費用、200万円以上する受水槽の交換費なども必要ない。
消防設備も最小限のものしかない。
法定での保守点検が要らない程度の設備しかないため、保守料金がかからない。当然腐食や機能不全による点検指摘や、交換費用も発生することはない。
これでもバカにならない金額が浮くことになる。
また一般的に建築基準法で実施することになっていて、東京都条例により実施年が決まっている、建築設備定期検査(年1回)や特殊建築物定期調査(3年1回)というものがある。
これも、当該団地マンションでは、前者は非常用照明や給水設備がないため免除されているパターンが多い(以前は換気設備検査もやっていたが現在は免除のため)。
後者の特殊建築物定期調査だけは、以前から該当しているマンションでは免除にならない。
但し建物の構造がシンプルなため、一般のマンションより調査費用が安くすむ。(一般的に10万以上→3万円程度)
駐車場が、敷地のみでメンテナンスフリーの場合が多いのも魅力だ。
一般のマンションには機械式駐車場(立体駐車場)が設置されている場合が多い。
これは新規で分譲する場合には、世帯数に対して一定の駐車場数を確保しなければならないためで、狭い敷地内を上手くやりくりして、駐車場を設置しているところもある。
この場合も、毎回の保守料金、電気料金、20年以上経った後の機械交換料金がいずれ必要になってくる。
最近は、マンションに関するテレビ・雑誌の特集で、機械式駐車場を維持して交換する際にいかに大きなお金がかかるかという事が喧伝されたため、よく知られることになったが、将来何千万のお金がかかる事が既に想定できる。
幸いなこと?に、古いタイプの公団分譲団地マンションでは、敷地がやけに広い場合がほとんどだ。
そのため、メンテナンスも要らない、敷地内駐車場を使用することが出来る。当然、管理組合としてかかる費用もない。(正確には、敷地が広い分、個人が固定資産税をちょっぴり多めに支払ってはいるが)一般よりお得といえる部分である。
テレビの共同視聴アンテナについては、最近では地域のケーブルテレビ会社に全面無料化廉価で委託しているパターンが多いため、維持費や緊急対応費を考えなくて良くなってきている。
地デジ対策もCATV会社によって無償で対応してくれるパターンが多いし、CATV会社でも、無償(廉価)で地上派を放送し、維持費用を負担したとしても、有料放送への加入者が何割か見込めれば採算は取れているようだ。
他にも、一般に考えられるような、自動ドア、オートロックの集合玄関機、宅配ボックス、警備会社のセキュリティーサービス、などなども必然的にないため、メンテナンスフリーで、維持費も交換費用もかからない。
設備が無い分、不便だから安くなっているだけでは、という事も言えるが、
賃貸としてではなく、長期的なマンションを所有する場合はこういった費用削減という観点も重要だと考える。
おかげで、こういった古い公団団地の管理費・修繕積立金は驚異的ともいえるほど安い。
設備はわかるとして、建築的な劣化はどうか。
劣化自体は建物を造っている時から生じるものであるから、年数を経て劣化するのは当然でもある。
建築的な観点の劣化は、メンテナンスで適切な時期に修繕を行うことで、寿命を延ばしていく事になる。これは一般のマンションと変わらない。
しかし総じて、
マンションに設備があまりない → 管理組合の保守費・修繕費が安い → 組合員の毎月負担額が安い
という流れは理解していただけると思う。
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