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「ジョジョの奇妙な冒険」4部のノベライズ。乙一著。 人気作家がジョジョのノベライズを書いたというので読む。 あらすじ 1999−2000年杜王町。広瀬康一と岸辺露伴がふとしたことから、奇妙な死体を見つけてしまう。死因が謎でありいろいろな憶測を呼ぶものの、死因を目撃した飼い猫を露伴が「本」にすることで、有力な捜査情報を得、仗助たちの犯人探しが始まった。 新興住宅地として開発時代の杜王町。生涯を添い遂げると思っていた男に裏切られた女性が、屋上から突き落とされ、ビルの谷間にて、婚約者と対峙しつつ、生活することになった。女性はある時、自分の体の変化に気づく。 再び1999−2000年杜王町。ぶどうヶ丘高校一年生の女の子は、最近町立図書館で不思議な少年と出会う。次第に少年に魅かれていく少女だが、性格的にわからなくなることも多い。そんな中、仗助たちの「調査」に遭ったり不良に絡まれたりして二人の距離はぐっと小さくなる。ある日、付き合っているということで少女の父親に、少年が紹介されることになった。一人娘を溺愛しているこの父親。少年のほうは知っていた。長い間、正に生まれる前から、待ち望んだ日でもあった。 〜以下結末なので略〜 まず、ジョジョ作者の荒木飛呂彦が 「3部や4部を描いていた頃、担当編集者から「悲しい話を描いてくれ」と言われたんですよ。僕もそれを目指したんだけど、でも若かったせいか、そこまで達していなかった。だけど、この『The Book』にはそれがあるんですよ。4部当時に目指していたものの完成形がある。完璧ですね。」 云々、といっていたのが非常によくわかった。 冬の描写とともに、全体のトーンは物悲しさが付きまとっている。 とてもよかった。 ちなみに、原作の4部でもラストの別れシーンなど悲しさがうまく表現されていると思うが、 この小説の悲しさは、生々しさがより強い。時折挿入される明里のシーンは、ちょっと異質だった。 それがうまくラストにつながっていく。 ジョジョの戦闘シーンを、小説でどのように表現するのか興味深かったが、「スタンド」という小説向きでないような概念もうまく表現している。 読みながら、脳内で「ゴゴゴゴゴ・・・」と挿入できそうな感じだった。 全般的には小説という媒体上、それぞれのキャラクターの背景や叙述が多くならざるを得なかったように思う。 ジョジョは戦闘シーンでの2転3転が魅力でもあり、作中でも多くの部分を物理的に占めているのだが、その辺については小説では逆である。(当然か) 余談だがマンガ原作のノベライズということで、原作をほとんどいじることなく、物語が完結している。 つまり新解釈や新設定はゼロに近い。 岸辺露伴のピンクダークの少年の将来構想や、仗助の髪型のモデルとなった恩人に関する解釈で少し原作以上の踏み込みをしているものの、「それ以上」はなく。話のネタとして出てきているのみである。 これは評価するかは微妙なポイントかもしれないが、こういったものを楽しみにマンガ原作ノベライズを読む人が多いと思うからだが、個人的にはうまくまとめたと思う。 原作主要メンバーに何も変化がないのだし、原作の物語に注釈をつけたわけでもないのだから、原作者である荒木飛呂彦氏が制約を受けることもない。例えば、このまま飛呂彦氏、乙一氏もともに次の作品を出すことも可能であろう。 読んでる途中で「あ、髪型の恩人の謎がわかるかな」とも思ったけど、別にいやな裏切られ方じゃない。 最後に、この本の装丁は、最初に説明らしきものが出てきたときにすぐに意図がわかった。 文体の話とも絡むが、実は読みながら、最初の部分は殆ど平仮名ばかりの文から始まって、 最後にはきちっとした高校2年レベルの常用漢字で文章が書かれるのかな、とも思ってしまった。 ・・・いやまぁ、琢馬の記憶の始まりからだと最初のほうは読みにくくて小説にはならないだろうから、 このアイディアは没だろうが。。。 新しい小説版の登場人物も、後ろ向きではなく、前向きに生きていこうとしている点で、
この作品は新しいジョジョだった。 まず血統! これは徐々には切り離せない要素だが、小説のキャラクターたちもしっかり承いで、対峙している。 最後にエピローグで意外な事実を知らされるものの、あくまで前向きに生きていく少女。 彼女は「兄」との事実関係をどれだけ知っていたのかは不明だが、強く気高く生きていく精神にあふれていて、物悲しい結末にふさわしいと思った。http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php |
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