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この内容は1990年代中頃に法政大学法学部政治学科で開講されていた杉田敦ゼミの記録です。ゼミの先輩がHPとして作成していただいたものを私が編集して「記録」としてここにアップしています。従って内容についての責任などは私、村上にあります。ご意見・ご要望などありましたらコメント欄やメールにていただければ幸いです。




『公共性の構造転換』2

文責:K林(2年)

a:今日は市民的公共性,いでーとイデオロギーの一つとして,ヘーゲルとマルクスについて勉強していきましょう。さて,みなさんは公論というとどういうイメージを持っていますか?

b:人々がいわゆる政治的問題に対して意見を述べあったりするんだよね。

c:政治に人々の意見を反映させる大事な過程だよね。

d:公論によって人々は政治というものに習熟していくんじゃないかと思うな。

e:現在だと公論が出した結論は至上意思っていう感じがしますね。

a:ところがヘーゲルは公論を学問とは違って下世話なものだと言ってるんです。

b:と言うと?

c:学問は学者が行うことで,公論を行う人々は知識のある人々とは限らないからじゃないかなぁ。

a:そうですね。公論は公衆として集合した私人たちによって行われて,その彼らの社会(市民社会)をヘーゲルは欲望の体系という言葉で言い表しています。

b:市場や経済のことだね。

d:ヘーゲルは欲望の体系の中では,人々は自己の利害によってのみでしか動かないと考えたんだ。

c:だから,公論は格下なのかな?

e:そして,その欲望の体系を抑えるのが法であったり,国家が行う Polizei(内務行政)やKorporation(職能集団)なんです。

a:国家が行うことのみが理性であり,市民社会は国家から啓蒙される立場にある,ということですね。

b:何か,国家主義的で嫌だなぁ。

e:次にマルクスですが,彼はヘーゲルに学ぶのですが,ヘーゲルの欲望の体系である市場を批判しています。

c:と言うと?

d:市場では人々は不平等であり,資本家と労働者という分裂が起きていると述べているんだ。

a:そう。そしてこのことが重大な問題であるとしていて,ヘーゲルの言うように国家が市民社会を指導するだけではダメだとしています。

e:そもそも,そのような階級対立がある市民社会の中で話し合え,と言う方が無理ですよね。市民社会自体を変えていかないと。
c:そうか。確かにそういうこともあるかな。

d:そしてその市民社会の中の私的なものが公的な場へ持ち込まれるのを恐れて,マルクスは選挙権拡張にも反対だったんだ。

b:公/私の区別も不明確になるしなぁ。

a:確かに経済関係が私的領域でなくなり,公的領域に入り込むと大変そうですね。

c:なに! じゃあ君は選挙権は拡張されなかった方が良いって言うのかい?

a:そんなこと言ってませんよ。ただマルクスの考え方も理解できると言っているだけです。

c:今時,選挙権拡張に否定的なんて・・・・。

a:ちょっと,人の話を聞きなってば!まったく,いつも君はそうやって・・・・。

c:なんだよ。文句あんのか?

e:あー,そこの君たち,そういうことは後でやりなさい。まったく君たちは・・・。

b・d:こりゃ続きは無理そうですね。この辺で今回はお開きといたしましょう。では。

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