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一生に一度行ってみたい町や場所というものは、誰にでもあるのではないでしょうか。 僕にとって、東京・葛飾柴又は、そんな町の一つです。 映画『男はつらいよ』の舞台は、「私、生まれも育ちも葛飾柴又です。帝釈天で産湯をつかい…」と主題歌の冒頭のセリフにもある、東京都葛飾区柴又の帝釈天界隈です。 シリーズ第1作『男はつらいよ』(昭和44年)は、父親と喧嘩をして家を出た主人公・車寅次郎(渥美清)が、20年ぶりに故郷の柴又に帰って来る所から始まります。ちょうどその日は60日に一度の庚申祭りの最中で、纏を持って帝釈天の境内に入った寅さんは、そこで御前様(笠智衆)、「おばちゃん」ことつね(三崎千恵子)と対面。「おいちゃん」こと竜造(森川信)の家、すなわち帝釈天参道にある草団子屋「とらや」へ向かった寅さんは、そこで美しく成長した妹・さくら(倍賞千恵子)と再会を果たします。 さて、寅さんが「産湯」をつかったという、柴又帝釈天の正式な名称は「経栄山題経寺」(きょうえいざんだいきょうじ)。日蓮宗の寺院で、江戸初期の寛永年間(1624〜44)の開基と伝えられています。日蓮聖人が刻んだと言われる帝釈天の「板本尊」が安置されていたのが、江戸中期の一時期所在不明になっていましたが、安永8年(1779年)の春、本堂改修中に発見。その日が庚申の日であったことから、それ以来、60日に一度の庚申の日が縁日となりました。板本尊が発見されて4年後の天明3年(1783年)、時の住職自ら板本尊を背負って江戸の町を歩き、「天明の大飢饉」に苦しむ人々に拝ませたところ、不思議な効験があったために、帝釈天への信仰が広まったと伝えられています。主な年中行事としては、元旦の「四方拝」と「祈祷会」、2月3日の「節分会」、11月3日の「水神祭」があります。 帝釈天山門前から京成電鉄柴又駅へ向かって続いているのが帝釈天参道。この参道の風景は映画でもお馴染で、参道脇には山田洋次監督の自筆で「私生れも育ちも葛飾柴又です」と書かれた記念碑がある他、映画に縁の深い店が今でも軒を連ねています。 参道両側に向かい合って建っている草団子屋「高木屋老舗(ろうほ)」は、江戸時代から続く老舗。元々柴又周辺は江戸時代は米どころで、春になると農家ではよもぎを摘んで草団子を作っていたそうです。門前町に草団子屋が多いのは、邪気を払うためだと言われています。「寅さんゆかりの草団子」となったのは勿論映画が公開されてからのことで、柴又ロケの際には、出演者や関係者の控室として使われていたそうです。販売用店舗の奥には渥美さんの指定席が保存されており、また、帝釈天に向かって左の喫茶用店舗には、ロケの記念写真が壁一面に飾られているそうです。 江戸時代から9代続く川魚料理店の「川千家」(かわちや)は、画面やセリフの上で何度も登場しています。天ぷら屋の「大和家」は、松竹宣伝部の控室として使われた店で、現在の御主人・大須賀仁氏は、子供の頃からエキストラとしてシリーズに何度も登場したそうです。因みに、映画のオープニングタイトルで「協力」の欄にクレジットされている「柴又神明会」とは、帝釈天参道の商店を中心に約50店で組織された団体だそうです。 山田洋次監督は、『寅さん完全最終本』(小学館)の中で、「昭和の初期くらいの面影が、いまでも残っています。駅から帝釈天へ行く参道が、ゆったりカーブしている。田んぼの間の農道がそのまま道になっているんですね。浅草仲見世通りにようなシンメトリカル(左右対称)な都会的な風景とは違って、風情がありました」と、柴又について語っています。平成9年11月には「葛飾柴又寅さん記念館」がオープンし、先日来館者が250万人を突破したそうです。
寅さんの故郷・柴又は、寅さんによって日本の代表的な町となりました。 |

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寅さん記念館が最近改装されたとかニュースになっていました。小生も20年以上行っていない町「柴又」今度ぶらりと行ってみようかな・・・
2006/12/2(土) 午前 8:14
名誉館長の山田監督とマドンナ役で登場した栗原小巻さんがリニューアル記念式典に訪れたそうですね。柴又は一度は行ってみたい町です。
2006/12/2(土) 午後 2:29 [ mannennetaro2005 ]
柴又。9月に10年ぶりに来訪して改めて感激し、先月また、行ってまいりました。記事を書きたくて写真を何枚も撮ってあるのですが、整理が出来ずで、放置したまま・・。拙い記事になると思いますが、近日中にアップしたいと思いますので、ご教授をお願いいたします。「東京にも、ちゃんと”故郷”がある」ことを、柴又は教えてくれます。素晴らしいです。
2006/12/3(日) 午後 1:46
>「東京にも、ちゃんと“故郷”がある」ことを、柴又は教えてくれます。 全くその通りだと思います。良い意味で東京でありながら東京らしくない風情というものを感じさせるのが、柴又の魅力ですね。
2006/12/3(日) 午後 3:22 [ mannennetaro2005 ]