万年寝太郎徒然日記

世のため人のためになることは一切書きません。

全体表示

[ リスト ]

山田洋次監督は『男はつらいよ』シリーズについて、「僕にとっての名優への『オマージュ』だった」と、ある本の中で語っています。
「オマージュ」とはフランス語で「敬意」「賛辞」を意味します。山田監督の言葉の通り、『男はつらいよ』全48作には、映画界のスターから歌舞伎界の名優、新劇界の重鎮などが入れ代わり立ち代わり登場し、さながら昭和・平成の「芸能史」の趣も感じられます。

第1作(昭和44年)には、『七人の侍』(昭和29年)などの黒澤明作品で知られる志村喬が、博(前田吟)の父・諏訪「ひょう」一郎(「ひょう」は「風」へんに「火」を三つ書き、「つむじ風」の意味)役で出演しています。この作品での博とさくら(倍賞千恵子)の結婚式でのスピーチは、作品中でも見せ場の一つとなっています。その後、第8作『寅次郎恋歌』(昭和46年)、第22作『噂の寅次郎』(昭和53年)にも登場。第8作ではりんどうの花の話を通じて定住と家族の尊さを説き、第22作では『今昔物語』の一説を語りながら人の世の「無常」を教え、寅さんを3度感激させます。第9作『柴又慕情』(昭和47年)と第13作『寅次郎恋やつれ』(昭和49年)には、マドンナ・歌子(吉永小百合)の父親である小説家・高見修吉役で、これも『七人の侍』で剣の達人・久蔵を演じた宮口精二が登場。この2作は父と娘の対立から和解までの過程が大きなテーマとなっていて、特に第13作で、夫に先立たれた歌子と修吉が和解する場面は感動的です。

テレビ版の設定を基にした第2作『続・男はつらいよ』(昭和44年)には、寅さんの恩師・坪内散歩先生(「散歩」は同意語の「逍遥」と引っ掛けてある)役で東野英治郎、寅さんの実の母親・菊役でミヤコ蝶々が出演しています。東野英治郎はテレビでも同じ役を演じており、また映画上映当時は、ちょうどテレビで『水戸黄門』(昭和44年)の初代「黄門様」を演じ始めた頃でもありました。一方、ミヤコ蝶々演じる菊は、柴又で芸者をしていた時に寅さんを生み、寅さんと再会した時には京都でラブホテルの支配人をしていました。突然現われた息子に対して悪態をつくシーンと、寅さんと2人で三条大橋を歩くラストシーンが印象的です。菊は、第7作『奮闘篇』(昭和46年)にも登場しています。

第6作『純情篇』(昭和46年)では旅先で出会った薄幸の女(宮本信子)の父親・千造役で、これが山田作品唯一の出演である森繁久彌が登場。また、前記の『奮闘篇』には、寅さんが知的障害を持つマドンナ・花子(榊原るみ)と出会う沼津のラーメン屋の主人役で、五代目柳家小さんも出演しています。因みに、山田監督は五代目小さんのために「真二つ」などの新作落語も書いています。
第10作『寅次郎夢枕』(昭和47年)には、秋の甲州路を旅する寅さんが立ち寄った旧家の奥さん役で、戦前からの大女優・田中絹代が出演。夏に家を訪れた寅さんのテキヤ仲間・伊賀の為三郎が突然亡くなった顛末をゆったりとした口調で語り、寅さんと共に墓参りをするシーンは、テキヤ稼業の孤独で哀れな末路が胸を打つ、シリーズを代表する名場面となりました。

『男はつらいよ』に登場した名優たちの中から、主に前期の作品に登場した人たちを取り上げてみましたが、ここまででも名だたる役者たちが続々と登場したことが分かります。シリーズ中盤以降も多くの大俳優や大女優が登場することになりますが、今日のところはこの辺で「お開き」とさせて頂きます。

閉じる コメント(2)

顔アイコン

昔、円谷映画(特撮もの)の虜になっていた時代があったためか、志村喬さんというと、未だに「ゴジラ」のイメージが強いんです。。前田吟さんは、志村さんに憧れて俳優の道に進んだと仰っていますが、「一度も心を通わすことのなかった親子」として共演したのは、ある意味微笑ましくもありますね。

2007/2/25(日) 午前 1:09 くさちゃん

顔アイコン

志村喬さんは、第1作も良かったですが、第22作で久々に柴又を訪れた後、見送りに来たさくらに博のことを言うシーンも印象的でした。「心を通わすことはなかった」としても、心の底では息子のことを思っている姿が伝わってきました。

2007/2/25(日) 午後 6:06 [ mannennetaro2005 ]


.
mannennetaro2005
mannennetaro2005
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索 検索

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事