万年寝太郎徒然日記

世のため人のためになることは一切書きません。

『男はつらいよ』の世界

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昭和44年公開の第1作から平成7年公開の『寅次郎紅の花』まで、26年に渡り全48作が制作された『男はつらいよ』シリーズは、長寿作品となったことによって、多くの名優たちが出演し、それぞれの作品に厚みを加える役割を果たしました。

第17作『寅次郎夕焼け小焼け』(昭和51年)は、日本画家・池ノ内青観とその昔の恋人・志乃役で、劇団民藝の重鎮にして、映画・テレビでも名優として鳴らした宇野重吉と、戦前、恋人とロシアへ逃避行し、戦後の長い海外生活を経て久々に日本映画に出演した往年の大女優・岡田嘉子がゲスト出演。何十年ぶりに再会した2人が語る「後悔論」は、本作の見所・聴き所の1つで、山田洋次監督は、岡田嘉子の波乱の人生に焦点を当てて、彼女の過酷な運命を「後悔する」「しない」という言葉に込めてシナリオに書き、共感を持って演出したそうです。因みにこの作品には、舞台となった播州龍野の職員役で、宇野重吉の息子である寺尾聰も出演しています。
渥美清が最も尊敬する俳優だったという時代劇の大スター、「アラカン」こと嵐寛寿郎が伊予大洲の「殿様」役でゲスト出演したのが、第19作『寅次郎と殿様』(昭和52年)。シリーズお馴染みの冒頭の夢のシーンでは、寅さんがアラカンの当たり役だった鞍馬天狗に扮し、気持ち良さそうに演じています。彼に仕える執事・吉田役で三木のり平も出演。時代がかった口調で浮世離れしている殿様と、殿様を立てながら、したたかで要領の良い一面も持っている執事の組み合わせが、作品全体の面白さを盛り上げています。尚、この作品にも寺尾聰が大洲の巡査役で登場します。

映画出演自体が珍しかったのが、第29作『寅次郎あじさいの恋』(昭和57年)に出演した、歌舞伎界の名優で人間国宝の13代片岡仁左衛門。仁左衛門演じる京都の陶芸家・加納作次郎は、葵祭で賑わう中、寅さんに鼻緒を継いでもらったことが縁で仲良くなり、自作の陶器までプレゼントします。寅さんと思いがけない再会を果たすラストシーンも含めて、ほのぼのとしたユーモアが感じられ、仁左衛門その人が持つ悠然として気品溢れる一面と飄々とした味わいが役柄にピッタリとはまって、作品全体を引き締める役割を果たしました。尚、寅さんにプレゼントした陶器は、その価値を知らないとらや一家によって灰皿として使われていました。

シリーズ後半のゲスト出演者で最も注目を集めた俳優と言えば、第38作『知床慕情』(昭和62年)の三船敏郎でしょう。「世界のミフネ」と寅さんとの顔合わせとなったこの作品で、三船は、娘(竹下景子)と折り合いが悪く、近所のスナックのママ(淡路恵子)に秘かに想いを寄せる知床の獣医・上野順吉を演じています。寅さんのアドバイスで想いを告白する場面がこの作品の大きな見せ場で、三船の持ち味である無骨で寡黙な雰囲気が生かされています。素顔の三船はスターになってからも付き人を持たず、ロケ現場で撮影隊の機材を一緒に運んだり、事務所のトイレ掃除を自ら行なうなど気さくな人柄の持ち主で、渥美清が撮影の合間に三船が煙草の吸殻を拾っているのを見て、大いにショックを受けたというエピソードが残っているそうです。

『男はつらいよ』シリーズの楽しみ方は色々とありますが、日本映画を代表する大俳優、大女優、名優、名脇役たちの演技や、彼らと渥美清との競演が堪能出来るのもその1つだと思います。そうした点でも、日本映画史上に残る偉大な作品であると言えるでしょう。

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加納作次郎こと、片岡仁左衛門さん。第29作は、舞台が京都だったこともあって、親父が「一番好きな作品だ」と、よく言っています。「灰皿」(笑)を血相を変えて奪い取りにいく柄本明さんも、実にいい味をだしていましたよね。三船敏郎さんの「素顔」、初めて知りました。。これほどの「好人物」だったのなら、高橋ジョージもさほど苦労することなく・・でしょうね(笑)。。

2007/2/25(日) 午前 1:16 くさちゃん

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「世界のミフネ」の真の姿はそうなんですね。スクリーンの中での無骨で 気難しそうなイメージとは全然違うのに驚きました。そういえば、渥美さんご自身の「人間像」みたいなものも、余り世間には知られていないように僕には感じますね。

2007/2/25(日) 午前 10:58 [ - ]

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甲府さん、仁左衛門さんの加納作次郎のように、偶然知り合った人物が実は大人物だったというのはシリーズではよくある設定でした。柄本明さんは第41作でも良い味を出していました。三船さんは「世界のミフネ」のイメージが強烈ですが、根は繊細で几帳面な人だったようですね。

2007/2/25(日) 午後 6:09 [ mannennetaro2005 ]

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ハム太郎さん、渥美さんは特定の友人・知人としか付き合いを持たなかったそうで、その人たちの中でも田所康雄さん(本名)の家がどこにあったのか知らない人も多かったそうです。「素顔」を見せなかったことも、また渥美さんの凄い所でもあったと思います。

2007/2/25(日) 午後 6:12 [ mannennetaro2005 ]


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