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作家・池波正太郎がこの世を去ったのは、平成2年5月3日のことです。 『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の「3大シリーズ」や、「真田もの」「忍者もの」など、時代小説の分野で幅広い作品を世に送り出し、没後15年以上が経った今でも根強い人気を誇っていますが、しかし、僕にとっては知っているようで知らない部分も多い作家でもあります。 池波正太郎の作品や人となりを追った「王道―池波正太郎全仕事」(一迅社)の前書き「永遠に読み継がれる池波作品」には、次のように書かれています。 「『国民的作家』 池波正太郎は、まさにそうした呼称がふさわしい大作家である。 その作品に数多の読者がひきこまれていく。 しかし、意外なことに、 たとえば『鬼平犯科帳』ファンは『鬼平犯科帳』のみを読み、 他の作品を読んでいないという印象がある。」 (以下略) 「たとえば『鬼平犯科帳』ファンは『鬼平犯科帳』のみを読み、」の部分は、まさに僕自身がこれに当てはまります。僕が池波正太郎という作家を知ったのは、やはり『鬼平犯科帳』からで、中村吉右衛門版の『鬼平』がスタートしてから原作の文庫版(文藝春秋)を買い集めるようになりました。その後、『剣客商売』(新潮社)や『仕掛人・藤枝梅安』(講談社)も文庫版で買い集めましたが、読む量では『鬼平犯科帳』が圧倒的で、『剣客商売』や『仕掛人・藤枝梅安』は殆ど埃を被っているような状態です。更に言えば、全巻を所蔵しているのは『鬼平犯科帳』のみです。しかし、逆に言えば『剣客商売』のみを読む池波ファンや、『仕掛人・藤枝梅安』のみを読む池波ファンも、『鬼平』ばかりを読む池波ファンと同じ数だけいるはずで、要は各作品ごとに根強いファンを確保しているのが、池波正太郎という作家の凄さだと思います。 作家としての「凄さ」とは別に、池波正太郎という人には、個人的に1人の人間としての「近さ」も感じます。その根拠となっているのがこの人と「食」との関わり。池波さんはいわゆる「食通」としても知られ、1日のうちにどんなものを食べたのかを日記にこまめに書き記していたことでも有名な人ですが、特別贅沢なものばかりを食べていたという訳ではなくて、例えば馴染みの店に立ち寄って、いつも注文するものを食べたり、遠方から取り寄せたり送られてきたりした食材を夕食のおかずや酒の肴にしたり、深夜、執筆の合間にありあわせのものを材料にして夜食を造ったりと、そんな様子が日記には記されています。「食」以外にも、池波さんは映画にも造詣が深く、また旅や散歩も好きだったそうで、「趣味人」としても一流だったことが伺えます。 と、ここまで、池波正太郎の「凄さ」と「近さ」というものを書いてみましたが、非常に中途半端な内容で、これだけではとても伝えきれないものと反省しています。また日を改めて、それぞれについてこのブログで書きたいと思っています。
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2007年04月27日
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