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女優としてデビューしたのが1993年、15歳の時。 それから17年が経つというのだから、この8月22日で33歳になる菅野美穂にとって、女優として過ごした時間が人生の半分を超えることになります。 デビューしたのが高校生の頃だったこともあって、当初は制服姿の美少女役が多く、しかし『イグアナの娘』(1996年)のように、その制服姿の奥に複雑で屈折した感情を秘めた役柄を演じたことは、その後の女優としての大成を予感させるものでした。 菅野美穂を語るとき、やはり1997年8月22日という日を外すことは出来ません。単に20歳の誕生日を迎えたというだけでなく、突如としてヌード写真集『Nudity』を発表したことで、女優としても、また自らの人生においても重大な転機をもたらすことになったからです。今では最早「遠い昔の話」となった感もありますが、当時世間に与えた影響は本人の想像以上に大きく、出演していたCMの降板を余儀なくされたほどでした。菅野自身、この当時のことをそれから約1年後に発売されたフォト・エッセー集『定本・菅野美穂』(集英社)の中で振り返っていますが、自分が投じた波紋の大きさやそこから垣間見た現実について、ありのままに、しかし努めて冷静に綴っています。 20歳以降の菅野美穂は、CM降板以外で写真集騒動の余波を受けることは殆どなく、可愛さや親しみやすさから妖艶さ、魔性に至るまで女性が持つあらゆる面を兼ね備えて表現出来る女優へとパワーアップして行きます。 テレビドラマには殆ど休むことなく出演し続け、一方で舞台『奇跡の人』(2000年)のヘレン・ケラー役や、北野武監督の映画『Dolls』(2002年)などでも印象に残る演技を見せますが、菅野が持ち前の演技の幅広さを遺憾なく発揮しているのは、寧ろ単発ドラマや実在の人物を描いた作品ではないかと思います。前者は耳の不自由なヒロインが周囲の善意に支えられながら、結婚、出産、子育てなどを通じて成長する姿を描いた『君の手がささやいている』シリーズ(全5作、1997年〜2001年)、悪役・玉梓(妙椿)を演じた『里見八犬伝』(2006年)など、後者では、ピアニスト、フジ子・ヘミングの半生を伝記調で描いた『フジ子・ヘミングの軌跡』(2003年)などがあり、昨年から3年がかりで放送中の『坂の上の雲』(2009年〜2011年放送予定)の正岡子規の妹・律役もこれに当たります。 21世紀に入り、朝のテレビ小説『ちゅらさん』(2001年)で天邪鬼なメルヘン小説家役を演じた辺りから、菅野美穂は「働く女性」像を数多く演じるようになり、それは30代にさしかかってからの『わたしたちの教科書』(2007年)での弁護士役や『働きマン』(同)の猛烈編集者、不可解な事件を推理する女刑事を演じた『キイナ〜不可能犯罪捜査官〜』(2009年)、それに『曲げられない女』(2010年)といった一連の作品と役柄へと繋がって行きます。菅野美穂がそれだけ年齢とキャリアを積み重ねたことの表われであると言える一方、2006年にそれまでの所属事務所から現在の研音に移籍したことも大いに影響していると思われます。 取材したマスコミ関係の人々が皆揃ってファンになってしまったという逸話を持つ菅野美穂は、最近では「アラサー」世代の女性たちの間で最も支持されている女優と言われています。
1997年以降、女優としても女性としても着実に成長を続けて来た菅野美穂は、「アラサー」世代の人々と共に生き続けている女優でもあるのです。 |

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