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彼女は気を取り戻し、すぐに母親の携帯に電話を掛けた・・・!
母親は
『いつでも荷物持って行けるようにしといた!まだ帰られへんから!』と
言って一方的に電話を切るのだった・・・!
彼女は電話を片手に、呆然としていた・・・・
私もひどいショックを受けた・・・
本当のところは、ここまでヒドイとは思ってもいなかった・・・
少し話に、誇張も入っているだろうと思っていた・・・・
しかし彼女の言っていたことは本当だったのだ!
どこに行くのかも母親は聞かない・・・
涙をグッとこらえる彼女に対して
私は何と声を掛けてあげたらいいのかわからなかった・・・・
荷物を車に積み、帰る車中しばらくすると、彼女が口を開いた・・・
『私、今日からお母さんのこと忘れます・・・ お母さんのこと恨んだりしません
これでよかったんです・・』
私の心に衝撃が走った!
『なんと心根の強い子なんだろう・・・』
一生懸命笑顔を作りながら話す彼女の横顔を見ていると
私は涙がこぼれそうになった・・・
彼女はもう何もなかったようにいろんな事を話しはじめた・・・
『実は私、不動産の勉強もしてるんですよ!』
『えっ!?』
意外な言葉に驚いた・・・!
『宅建の試験を受けようと思っているんです!難しいですけどわかり始めたらおもしろいですね!』
私はまたまたビックリした!!
宅建の内容なんてめちゃめちゃ難しい・・・
うちの社員でも頭を抱えながら、できれば避けたがることなのに・・・
私は言った!
『ようし!じゃあ、もし試験に受かったらうちで雇ってあげるよ!』
『ホントですかぁ!約束ですよ!じゃあ頑張りまーす!!』
彼女に笑顔が広がった・・・!
時は過ぎ、先日暑中お見舞いといって会社に顔を出してくれた・・・
彼女は今、二つのアルバイトをこなしながら宅建の勉強をしているそうだ・・・
もうその顔には悲哀感はない・・・・
若干17歳の女の子が、この世知辛い世の中を一人、一生懸命生きている・・・
そのうち彼女も成長して、立派な女性へと変わるだろう・・・
私は、足は短いが何か足長おじさんになったような気持ちだ・・・!
私の尊敬する師の言葉に
『闇が深ければ深いほど暁は近い』と
自らの宿命を呪うことなく、使命に変えて
どこまでも強く賢明な大人へと成長していってほしいと願う、昨今である・・・・(完)
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