最強オヤジ伝説

多忙、放置ごめんなさい、、(/ω\)

最終章

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支店(完)

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父はすぐさま駆けつけてきた!


どこかでこの状況を聞いていたのだ!


父は人波に揉まれ、フラフラになりながらこなしている私を見ると

いきなりこう言った・・・



『あほかっ!お前!』



父はそう言うと、スタコラと店に戻って行った・・・・



息子が数100人に揉まれながら奮闘しているのに、アホか!はないやろ!


私は無性に腹が立ったが、今はそんなことを言っている余裕はなく

目の前の状況を必死でこなすのが精一杯だった・・・!



数時間経ち、やがて落ち着きを取り戻し、店内を見渡して見ると

見事に商品は売れさばいていた・・・!


多少の小物は残っていたが、ほとんど完売に近い状態だった!


売上は正直覚えていないが、ザルにジャリ銭が山盛りになっていたことは覚えている・・・



父に完売を報告すると

『明日、照明器具がたくさん来るから、掃除しとけ!』と言って本社に帰っていった・・・



父は知らぬ間に、大手照明会社と契約をしていて

もうすでに、商品を発注しているとのことだった・・・!



相変わらず父の行動の早さに、戸惑いを感じながらも

明日来るであろう照明器具の陳列の為に、私は店内を掃除し、配置作りをするのだった・・・





そして翌日、大きなトラックが横付けされて、たくさんの照明器具が納品された・・・!



そして、照明会社の社員たちが何人かやってきて、手際よく照明器具を設営してくれた・・・



色とりどりの照明器具がテキパキと取り付けられ、古ぼけた雑貨屋から

見事に明るく綺麗な装いに様変わりし、スーパーの中も華やかな感じに変身するのだった!



これには周りの店主たちも大喜びし、父に感謝するのだった・・・!




そして華やかで明るくなったことに呼応するかのように、心なしか

スーパーの客入りも良くなって行くのだった・・・




父の作戦は見事に功を奏した




順調な滑り出しで始まった支店を更に盛り上げるべく

私は必死になって働いた・・・



そしてとうとう支店の売上が本店を追い抜き

もう支店抜きには経営が成り立たないぐらいになっていくのだった・・・











しかし一方で、わが家の宿命の嵐がすぐそこまで来ていることは

今は知る由が無かった・・・・

支店8

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威勢よくお客さんの前に飛び出したのはいいが

商品に値札が無いことがわかると、私はムチャクチャ焦りだした・・・・



『う〜ん、、、、ヤカン、、、、いくらかな???』



お客さんはいくらなのか、しきりに聞いてくる・・・・


もうこれは、私の価値観で判断するしかない・・・・・・・



『お兄ちゃん!これいくらなの!!』



お客さんは少し怒気を含んで更に聞いてくる・・・!



ええーいっ!もうナンボでもええわ!


私は半ば投げやりな気持ちで言い放った・・・・!



『500円!』



『えっ!安いなぁ〜!ほな、鍋も買うわ!いくら??』



お客さんは更に聞いてきた!



『う〜ん、、、困った、、ヤカンと鍋どちらが安いんやろ。。。。。』



私はもう考えてもわかる訳が無いと判断し、直感で値付けすることにした!



『おばちゃん!400円や!』



『ホンマかいな!エライ安いナァー!ほならまな板も買うわ!』



『300円や!』



『そうか!お兄ちゃん、おおきに!』



こんなやり取りをしているうちに、雑貨屋が大安売りしているとの噂が飛びまくり

次第にスーパー中のお客さんが、我先にと押し寄せてきたのだ!!



二人、三人、五人、十人と次第に膨れ上がり、店内は寿司詰め状態になっていった・・・!



あちらこちらから、『兄ちゃん!これなんぼ!』との声が上がり



段々私自身も人混みに揉まれ、もう適当な根付になっていったのだ・・・・!



『これなんぼ!』


『200円!』


『これは!』


『800円!』


『これは!』


『700円!』



たかが10坪足らずの雑貨屋に、数100人が押し寄せてきたのだ!!



大阪のおばちゃんパワーは強烈だった!


値段を聞いてくるおばちゃんが津波のように押し寄せてくる!!



私は防戦をするようにさばいていくのだが、所詮一人、、、、

段々収拾がつかなくなってきた・・・・



見る見る間に商品が無くなり、ザルの中のジャリ銭が山盛りになっていく・・・・



ふと見ると、前述した山地さんの不動産会社の事務員さんが、人波の向こうの方で

この騒動にビックリして、心配そうにこちらを見ていた・・・!



私はその事務員さんに向けて、ありったけの声を上げた!



『事務員さーん!オヤジを呼んでくださーい!お願いしまーす!』



私は段々疲れていた・・・


それに人が多すぎて目が届かない・・・・



私の声が届いたのかその事務員さんは、急いで会社に戻っていった・・・














すると、近くにいたのかオトンは、すぐさま駆けつけて来た!


そして目の前の惨状を目にした瞬間、父は信じられない一言を言い放ったのだ!!

支店7

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父の突拍子もない言葉に度肝を抜かれた私は

どういうことなのか訳を尋ねた・・・




『雑貨屋のオバハンが店を閉めると言うから商品も丸ごと買い取った!!』



『はぁ!?』



父は続けて言った・・・



『ナベやヤカン早よ売っといてくれ!電化製品置かれへんからな!はははっ!』



『ガビーーーーン!!』(古っ!)



でたーーーー!!


またやってくれたーーーーー!!





どうやら父は、また買取を頼まれたらしい・・・・




その雑貨屋というのは、スーパーの中の私の店の真向かいにあり

店の商品は日用品を扱い、年老いたおばさんが一人で店を営んでいた・・・


その店は照明が暗く、スーパーの中でも一際寂れていた・・・



父はその場所で、照明器具のみを展示して、暗かったスーパーを一際明るく賑やかにして

活気を取り戻そうと考えていたのだ・・・!






今になって考えると、父は大変なアイデアマンだと思う



お人好しで大損もたくさんしたけれど、少しでもとビジネスに繋げようとしている




しかしまだ若かった私には、その意図はまったくわからず

父は私に雑貨屋の商品の即売りを指示すると、そそくさと店を出て行った・・・・



『また投げっぱなしやぁー』



私は仕方なしにトボトボと雑貨屋の店の前に行った・・・・


そして山積みされた商品を目にした時、唖然とした・・・



『こんな物がすぐに売れるのか。。。。』



私はむちゃくちゃ不安になってきた・・・



しかし早く売らなければ、商品を陳列できない・・・


とにかく考えている余裕などなかった・・・!



『しゃないなぁー!よし!商品をまず掌握しよう!』



私は気持ちをすぐさま切り替えるとともに、早速商品チェックに入った・・・!


ナベにヤカンにまな板、包丁、皿にゴミ箱、家の中で使う生活必需品が主だった・・・!



どれくらい時間が経ったのだろう・・・



私が商品を念入りにチェックしていると、ご婦人のお客さんが一人、フラリと店に入ってきた・・・・



『おっ!早速お客さんや!』



私は元気よく『いらっしゃいませ〜!』と言うと

そのお客さんはヤカンを手に取り『お兄ちゃん!これいくら?』と聞いてきた・・・



『はいっ!え〜っとですね〜、、うん??あれっ?』



値札がない!!!



どの商品にも値札が付いていなかったのだ・・・!


これには焦った・・・


しかし知らないとは言えない・・・・













いよいよスーパー始まって以来の大珍事が勃発した・・・・・

支店6

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私は従業員が引き止めるのを振りきり、客宅へ向かった・・・!


お客の家に着き、鍵の掛かっていない玄関ドアを開けると、大きな声で叫んだ!


『○○さん!おりまっかぁ!!』


私の顔と態度は怒りで充満していた・・・!


『はーーーい!』


奥から男の声が聞こえた・・・


『しめた!オヤジもおるな!こりゃ都合ええ!』


私はありったけの罵声を用意して臨戦体勢に入った・・・!


『ガラッ!』


中の引き戸が開き、男が現れた!



その時だった!!








『先輩〜!』




『はぁ!?』












なんと!中から私の中学時代の後輩が出てきたのだ!


私はビックリするとともに、頭が真っ白になった・・・



『なんでお前がここに居るの???』



『えっ!いや、ここ、僕の家ですもん、、、』



『最悪。。。。。』




私はいっぺんに、気合が抜けてしまった・・・・


まさかムカつくお客が、後輩の家とは。。。。。


学年が違うので、親の顔までは知らなかったのだ・・・


私は何も知らない後輩に、事情を説明する気も起きず

私が来たことを告げるようにと言い残すと、スゴスゴと帰るのだった・・・








しかしそれからは、不思議なことに毎月決まった日にそのお客は

お金を持参するようになったのだ!


どうも私が息子の先輩であることを知り、バツが悪いのか真面目に支払うようになり

早めに完済するのだった・・・!



私は取りあえずは安堵し、もう金輪際掛売りは、支店ではしないことを父に言いきり

父も苦々しい顔をしながら了承するのだった・・・







そして平和で安穏とした日々が続いたある日



突如、父が支店にやって来た!



父は用事も無いときに店に来るときは、いつも突拍子も無いことを言うのだ!



父はニヤニヤしていた・・・・



私は嫌な予感、、、、いや、悪寒が走った・・・・




『まなぶ〜!スーパーの中の雑貨屋の店の権利買うたからな!』




『はぁ!?』












私は悪寒から吐き気に変わるのだった。。。。。

支店5

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そのお客さんの購入額は総額20万円ぐらいだろうか

父は私の知らない間に、商品を取り寄せると、サッサと納品してしまった・・・!



私は驚いて父に確認すると、父は


『掛売りや!』


と、一言言ったきり後は何も言わなかった・・・



どうも毎月1万円づつ支払ってもらい、利息なしの20回払いと言うことらしい・・・



母の話しでは、昔はまだクレジットがあまり普及していなかった頃

『掛売り』というのが当たり前だったらしい・・・



そういえばまだ私が子供の頃、店の事務室にお客さんの名前と

金額が書いた大きな張り紙があったが、あれが掛売り表だとは今その時にわかるのだった・・・!


『今時、掛売り・・・大丈夫かなぁ・・・・』


と、私が心配していると父は


『集金頼むでぇ〜!』




『はぁ!?』





なんじゃそりゃー、、、実は父は、集金が苦手であった・・・



掛売りをする割には、集金は母任せで自分はほとんどいかないのだ・・・



何故かというと、集金日に行っても、お客さんが

『今月はピンチなので来月にして欲しい・・・』などと言われたら、それ以上何もよう言わないのだ!


それでたくさんの焦げ付きが出始めた時に、母が出動し集金に行くと

あれよあれよと言う間に集金が出来てしまった・・・!



それ以来、母が集金係なのだ!



しかし支店の分まで母に集金を行かせる訳にはいかないので

私が行くことになったのだが、時代も違うし、クレジットも普及している今

出来れば掛売りをしなくてもいいような経営をし、今回は人道支援のつもりで

自分を納得させるのだった・・・






やがて第一回目の支払日が来た!


今回は店とお客さんとの家が近いため、毎回持参してくれることになっていた・・・!




しかし、約束の日の夜になってもお客さんは来ない・・・

私はいやな予感がした・・・


次の日も来なかった・・・


私は意を決し、お客さんの自宅に集金に行った・・・!


奥さんが出てきた・・・!


年の頃なら50過ぎだろうか・・・


私は一応、ニコニコして集金に来たことを告げた


すると・・・・


『あぁー!忘れとった!また明日来て!』


『はぁ!?』



何と言ういい草だ!!


父が可愛そうにと思って掛売りにしてあげたのに忘れていたなんて・・・!



私は煮えくり返る気持ちをグッと抑えながら

『あっ!わかりましたぁ!また明日寄せてもらいます!』と元気いっぱい言ったものの

ムカついてムカついてしかたがなかった・・・!





次の日、何度訪問しても中々会えず、夜になってようやく会うことが出来

何とか集金することができた・・・!




残念ながらこういう月が何度も続いた・・・


払うつもりが無いのではないかと思うぐらい、支払いが悪い客であった・・・



しまいには、集金日には居留守を使うようになり、道でバッタリ私と会おうものなら

走って逃げるようになったのだ!




まだ若く、気性の短かった私は、とうとう堪忍袋の尾が切れた!



私がやった掛売りなら、どんなことがあっても頭を下げて集金してやる・・・!


しかし父の温情をコケにした態度はどうしても許せなかったのだ!



『もう金はいらん!!決着つけてやる!』











私は大魔神(古っ!)のような顔をして、客の家に向かった・・・!

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