英語・ドイツ語翻訳者に転職したドイツ語好きの化学者のメモ

ルター聖書を使った教材を作成するためにも、ドイツ語の勉強を続けよう。

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私がよく聴く音楽は、山下達郎、竹内まりや、大貫妙子といったニューミュージックと、
ベートーベン、モーツァルトといったクラシックである。

私は無知であったのだが、いわゆる 「モーツァルト効果」 という不思議なものがあるそうだ。

モーツァルトの作品をBGMにすると、仕事でケアレスミスがなくなるだとか、
作物の生長が促進されたり、家畜もストレスがなくなるなどと言われているそうだ。

確かに私は、上記の音楽を聴けばリラックスするし、BGMとして仕事中に流してもいいと思う。

ただしそのことと、何の根拠もない 「モーツァルト効果」 を大宣伝するのとは違う。
「波動エネルギー」 などという、非科学的な考え方が世の中にはびこってもいる。

毎日新聞の記事は次のとおり。
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/rikei/news/20070131ddm016070145000c.html

科学の振りをした 「ニセ科学」 についての警鐘でもある。

クラシックファンとしては、モーツァルト効果が存在した方が楽しいのだが、
「ウソで金儲けを企む輩」 がたくさんいるので、ニセ科学は排除したいものだ。


また、S??ddeutsche Zeitung の4月11日号の報道では、ドイツ連邦教育省が火曜日に、
「モーツァルト効果は確認できなかった」 という報告をしたという。
http://www.sueddeutsche.de/,ra13m5/wissen/artikel/470/109361/

音楽を聴いた後の能力向上は30分程度見られたものの、個々の認知能力や知能の向上には無関係。
加えて、音楽を聴いた後に脳神経細胞が発達したという証拠はなかったという。

ただし音楽の演奏・練習は、IQを3から4ポイントとわずかだが、上昇させるとも言われている。

子どもの能力向上の研究だから、連邦教育省が報告をまとめたわけだが、
音楽の授業が効果がないとなるのも、カリキュラムを考える上で困るようだ。


とにかく効果がないとわかったのだから、こういったウソを広める書籍を一掃したり、
モーツァルト効果をうたったCDなどの便乗商品のボイコットをすべきだろう。

一部のテレビ番組関係者をリンチのように攻撃しておしまいでは、あまりにも不公平だ。


追記(4月14日):
時間がなくて掲載が遅れたが、ドイツ連邦教育省のプレスリリースは以下のとおり。
http://www.bmbf.de/_media/press/pm_20070406-070.pdf

モーツァルトを聴くよりも、宿題をやった方が知能・認知能力の発達が期待できるそうだが。

その科学的立場からの研究報告書は、183ページもあるので、まだ序論と目次を読んだくらい。
http://www.bmbf.de/pub/macht_mozart_schlau.pdf

音楽授業のカリキュラムを決めるために、「モーツァルト効果」などを検証する必要があったそうだ。

モーツァルト以外に、シューベルト効果、Stephen King の短編小説の効果、
ポップグループ Blur の効果、童謡の効果についても検証している。

心理学者と脳神経学者などの研究結果をまとめたもので、統計処理もきちんとやっているようだ。

私の専門領域ではないので、全部読む緊急性はないから、ニセ科学追放論者が全訳するのを待とうか。
それともゴールデンウィークに翻訳して、どこかで自費出版でもしようかな。


追記(6月10日):
この報告書は Nature のニュースでも取り上げられた。

そして Nature Digest 日本語版6月号に、日本語訳が掲載された。
http://www.nature.com/ndigest/index.html

無料公開ではないため、図書館などで確認してほしい。

(最終チェック・修正日 2007年06月10日)

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閉じる コメント(6)

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最近、似非科学批判が盛んですね。確かに、水の結晶の話は疑わしいですが、メカニズムがわからないといって、すべて似非科学とするのはどうかと思います。実験計画法をきちんとして、対照、パンク、モーツアルトを聴いた時の作用効率を計れば、差は出るような気がします。

2007/4/13(金) 午前 5:39 [ sto*ec*ldt*ka ] 返信する

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今回はドイツの研究結果ですから、そのまま日本人には使えないかもしれません。それは生まれてから聞いている音域が、言語も含めて違うからです。日本の琴の演奏がドイツであったとき、日本人にはなじみのあるのに、ドイツ人は耳を押さえて我慢していましたし。モーツァルト効果があったとしても、それはリラックスによる作業効率向上程度で、シナプス回路が変わるとまでは言えないということでしょう。先入観を排除した検証が望まれ、不確かな情報を元に金儲けをする人に警戒しようという趣旨で主張したいと思います。

2007/4/13(金) 午前 6:59 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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メカニズムを求めるのが科学、という機械論的な科学が主流なので、再現できない現象などについては、似非科学とレッテル付けする人も多いです。メロンにモーツアルトはおかしいと思いますが、前述のとおり、作業効率なら十分ありうると思います。それと、人種差も面白いですね。欧米人は虫の声は騒音にしか聞こえないというらしいですが本当でしょうか?

2007/4/13(金) 午後 8:44 [ sto*ec*ldt*ka ] 返信する

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再現できない実験とは不確定性(非線形性)の他に、個人のテクニックの習熟度やノウハウ・知恵といった要因もあり、一概に科学は誰でもどこでも再現するはずとは言えませんね。東北大で10年以上前、「右回り回転で軽くなる」という論文で有名になったことがありました。このときは「空飛ぶ円盤の飛行原理だ」などと騒がれたようです。モーツァルトを聴いて、「リラックスする」から「子どもの知能が発達する」と飛躍するのが怪しいということです。

2007/4/13(金) 午後 10:03 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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あと音域の幅ですが、日本語よりも英語などの方が、高低の幅(周波数の幅)があります。母音・子音の組み合わせも日本語は少ないので、だから日本人はリスニングが弱いという理論になったようです。そこで子どものときから音域の広いクラシックを聴いていると、外国語能力が高まるとされているようです。あとドイツの秋はもう寒いことと、11月は懺悔の月で暗い雰囲気なので、虫の音などどうでもよかったのかもしれませんね。これは調査を続行します。

2007/4/13(金) 午後 10:05 [ ドイツ語好きの化学者 ] 返信する

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科学は論証の世界である。似非科学論者は、現代科学者が頭から批判し、検証しようとしないと批判するが、論証する責任は、似非科学論者にあるのではないか。
似非科学論者は論より証と言いながら、体験談の羅列しかしない。論証できれば、誰も批判はしない 削除

2010/4/28(水) 午後 2:21 [ 文学者 ] 返信する

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