ドM

マルジェラやマルニ、マサオシミズなどMがつくブランドを偏愛するドMな一個人のブログです

全体表示

[ リスト ]

山口富蔵さんの話

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

今回の「プロファッショナル 仕事の流儀」に登場したのは
和菓子職人の山口富蔵さんでした。

番組の中で山口さんは
「お菓子は言ってみればただの食べ物でしかないんだけど
そのお菓子がどれくらい人の想像を膨らませられるか、どれくらい世界を広げられるか
それが人を楽しませるんです。
そういうお菓子を作るためには自分が美術館に行ったりして、色んなことを勉強しないといけない。
ただ、基本的にはやっぱり食べたいと思われるものを作りたいと思っています。」
という旨の発言をされていました。


自分は服作りを仕事にしているわけではないので偉そうな事は言えませんが
山口さんの話は服作り(ごく一部のコレクションブランドに限られるとは思いますが)にも
通じるものがあるのではないかと推察します。


服は突き詰めれば寒暖をしのげればいいと言うこともできると思います。
しかし実際には服には社会的コードとしての機能が付与され
さらに工芸品、或いはアートとしての価値も見出されています。

ただアートっぽい服と言われるものでも
なんとなく服というジャンルで完結しているものが多い気がするんです
(服なんだから当たり前だと言われればその通りなのですが)。

例えばこういう話になるとよく引き合いに出される
ギャルソンのこぶドレスは
美しいと思われていた既存の身体像以外の美しさもあるんじゃないの?
というメッセージだったと思うんですが
要はそれは身体論であり
自己イメージを維持・変形させる服の機能そのものの話だったと思うんです。
あれは「服の機能を純粋に取り出して見せた服」だと。
それはそれで本当にすばらしいと心から思うのですが
それが何かを連想させ、服の世界を広げる服かというと
僕はそうでもない気がしています。

また、僕はキャラクター物が好きなので
昔ラッドミュージシャンが出したドラえもんプリントのカットソーなんかも買ったのですが
それは「ドラえもんそのものがプリントされている服」であって
「ドラえもん的な何か(そんな物があるのかはわかりませんが)を連想させる服」ではないと思いますし
アニメ(漫画)と服というジャンルを繋げて見せたかというとそうでもない気がしています。

流行りのブランド間のコラボレーションにしても
商業的意義は勿論認めるものの
服としては既存のデザインと既存のデザインを混ぜただけで
服自体の可能性を拡げるものだとは自分には思えません。

そういう意味ではフセインチャラヤンのエアメールドレス(写真1枚目)は
服でありながらもエアメールでもあるという点で
服の世界を拡げているのではないかと思ったりしています。
あとは家具が服になるアフターワーズコレクションとか(写真2、3枚目)。
ただこれらが「着たいと思われる服か」というと
自分は、遠くから眺めていたい服だなと思ってしまいます。


服の世界を広げ、消費者の想像を膨らませる物であり、
かつ着たいと思える服を作ってほしい
そして楽しませてほしいと
一消費者に過ぎない僕は無責任に思っています。

この記事に

閉じる コメント(17)

顔アイコン

これは素晴らしいエントリー!
こういった議論は論文レベルでも稀有です
本当に素晴らしい 削除

2008/9/10(水) 午前 1:13 [ neuf ] 返信する

顔アイコン

うわぁ〜、自分は菓子好きなので見ていてお菓子の部分は入れ替えてましたが、さすがmargielamarniさん!服で今回も面白いものを読ませて頂きました。
ドラえもんは地球としずかちゃんの入浴シーンのアレですね。

2008/9/10(水) 午前 2:46 [ p太 ] 返信する

顔アイコン

ドラえもん的ななにかと言うか、ドラえもんそのものをモチーフにした服は森村泰昌がドラス(ドレスとドラえもんの、まぁ)というものを作っていました。数年前の美術手帖に載っていましたので、今度ブログに上げますね。
細かいことですが、チャラヤンの家具シリーズはアフターワーズ・コレクションが正式な名称です(こうるさくてすみません・・。)。チャラヤンは服はあくまで表現手段の一つであり、その物を結果として捉えるのではなくそれを思考、創作する過程に重きを置いていると明言していますので、実用的(着用が可能)か否かは看過していますね。
私の中では服の世界を広げ、かつ着たいと思える服を作るのがマルジェラです。
余談ですが、私が研究している内容がまさにこういうものです 笑

2008/9/10(水) 午前 6:47 [ otthe2nd ] 返信する

顔アイコン

たびたびすみません。
ここにドラス載っていました。小さいですが。。
http://www.tv-asahi.co.jp/event/ad/doraemon/
しかし毎度のことながら本当にmargielamarniさんの視野の広さと深い考察力には敬服してしまいます。

2008/9/10(水) 午後 1:05 [ otthe2nd ] 返信する

顔アイコン

>neufさん
そこまでおっしゃっていただけるとは大変恐縮です。
専門的な知識があるわけではないので何か問題があればぜひおっしゃってください。

2008/9/10(水) 午後 9:58 [ margielamarni ] 返信する

顔アイコン

>P太さん
ご覧になられました?なかなか面白かったですよね^^
キャラ物は他にプリュスのハリケンジャーシャツ(長袖と半袖)なんかを買いました。最近はワールドオブゴールデンエッグス関連のアイテムがお気に入りですw

2008/9/10(水) 午後 10:02 [ margielamarni ] 返信する

顔アイコン

>otthe2ndさん
フセインチャラヤンのコレクション名、ネットではアフターワーズコレクションとリビングルームコレクションという名称が使われていて、わかりやすいかなと思って後者を選択したのですが正式には前者だったんですね(^^;ご指摘ありがとうございます。修正しておきました。
ドラス!これはもうファッションというかアートというかコスプレというかリアル・ポンキッキーズというか放課後電磁波クラブというか...www僕は最近コスプレってファッション的にどう位置づけられるのかに興味を持っています。ファッションとアニメをつないでいるのは確かかと。アニメプリントの服よりもなんらかのパワーを持っているんだろうなと思うんです。

2008/9/10(水) 午後 10:11 [ margielamarni ] 返信する

顔アイコン

マルジェラが服の世界を広げているかについてですが、たとえば服以外のものを素材にして服を作ったり(先日紹介したバドミントンのシャトルで作ったトップスとか)しているのはまさにファッションと巣他のジャンルをつなぐ行為だと思います。さらに言えばエイズTは社会問題にコミットしつつファッションアイテムとして成立しているという点で非常にエポックメイキングな商品だとも感じています。またほめすぎてしまいましたかね...(^^;なにせ大好きなものですから(汗)

2008/9/10(水) 午後 10:16 [ margielamarni ] 返信する

顔アイコン

こんにちは。記事をみて話の内容が全部飲み込めてませんが、すごく考えさせられます。人には色々な洋服の見方があって、ある人は、マックィーンの服をみて、こんなの着れねーじゃんといい、ある人は、マックィーンの服の色と素材とディテールがすきといいます。そしてある人は、ある洋服を憧れで見て、創造します。またある別の人は、その服を愛用し自分の物にしていきます。またまた別のある人は、コレクターで普段切れないような服を収集し眺めて満足します。

2008/9/12(金) 午前 8:51 [ moi ] 返信する

顔アイコン

人によって、服の捕らえ方が違うと思ってます。でもそれを追求するのってとても難しくて、百人いたら百人とも違った見方をしているかも。なので最後の文章の服を作るのはとても頭が混乱するものでもあります。わたしにとっては。(私は最近少しずつ洋服をつくったりしています。まだ全然好きなものを作っている段階ですが。一応私の中では意味のある事なんですが。)
ただ、何のかたちにせよ、何らかの形で、人がその服を購入したり見たりして、いい気分になっったり、役に立てば、いいんじゃないかと思ったりもします。洋服に関しては一番頭が動きますが、難しいです。洋服って、奥が深いです。。文が長くなりすぎましたが、久しぶりに頭にいい話が聞けました^^

2008/9/12(金) 午前 8:52 [ moi ] 返信する

顔アイコン

>moiさん
色々な服があることはよいことだと思いますし、服に対して人がとる姿勢にも色々な物があってよいと思います。
ただどうも今の服は、服というジャンルの中での微妙な差異化のみを拠り所としているように僕は感じています。80年代から90年代初頭のギャルソンやマルジェラが新鮮だったように、現代においてもまた新鮮な驚きを与えてほしいなあと思うんです。ただ既存の服というジャンルの中で差異化に興じているだけでは現代において驚きを提供するのは難しい気がしています。ジャンル自体の枠組みをクリエイションの対象とすることで驚きを創出できないかなあと思ってこの記事を書きました。まあ部外者のたわごとなんですけど(^^;

2008/9/12(金) 午後 10:58 [ margielamarni ] 返信する

顔アイコン

服はクリエイティブとよばれるものの中でも、最も体に近いといえるものなだけに、大きな変化に対して抵抗が生まれやすいのかもしれませんね。服の可能性を人間の可能性だと思うくらいな意気込みがあっても良いと思うのですが。

ただ、やっぱりどんな服でも体との一体感は必要なのかなと思います。それが着たくなる条件なのかな、と。 削除

2008/9/13(土) 午前 0:06 [ yellow_in_yellow ] 返信する

顔アイコン

多分ようやく理解できたようなー、、です。ありがとございます。
理解できない話がでてくると知りたくて何を言っているんだろう?と食いついてしまいます。
margielamarniさんのお話は、とても面白いと同時にむつかしーい。先生とか神様並みです。
それに、ちょくちょく漢字読めてないし、、、、ひどい!、、、ふー
でもすごく重要な話をしている!と思いました。 削除

2008/9/13(土) 午前 7:18 [ moi ] 返信する

顔アイコン

>yellow_in_yellowさん
身体に近いものだからこそ身体論的な枠組みで語られることが多いように感じているのですがもっと大きく振れてもいいんじゃないかなと個人的には考えています。
おっしゃるように最終的に服との一体感は重要でしょうね。服を着ることを通して異分野を自分の中に取り込めるような感覚が持てたら面白いだろうなあと思います。

2008/9/13(土) 午後 3:36 [ margielamarni ] 返信する

顔アイコン

>moiさん
わかりづらくて申し訳ありません^^普段はなるべくわかりやすく、伝わるように書くように努めているつもりなのですがこういった話になるとどうしても抽象的な感じになって漢字も増えてしまいます。。。周りの人にも日常的に使う言葉がむつかしいと言われることがあるので注意します(^^;

2008/9/13(土) 午後 3:39 [ margielamarni ] 返信する

顔アイコン

たびたびたびすみません。
上記のコメントで「服を着ることを通して異分野を自分の中に取り込めるような感覚が持てたら面白いだろうなあと思います」ってさらっとおっしゃってますが凄くグッときました。
さすがmargielamarniさん!そこにシビれる!あこがれるゥ!
チャラヤンが建築物と近しいと思えるような服を作ったり(素材や質感など、表面的な類似性ではなく)、今後建築とファッション、アートとファッションといった異分野同士が交流した結果のような服が増えて行く気がします。
ファッションが20世紀中期頃までの「着るために存在し、実用的であることが求められた」服だけではなく、人の生活に多角的に関わるようになった結果でしょうか。いやあ興味深い。

2008/9/14(日) 午前 0:28 [ otthe2nd ] 返信する

顔アイコン

>otthe2ndさん
なんだか絶賛ですね(^^;ありがとうございます。
クリエイティブなファッション(これ自体定義が難しいですがイメージで使っています)を必ずしもアートの文脈で捉えなくてもいいと思うんですよね。アートかどうかは横に置いといて「ファッションと建築」っていう括りだけで成立しちゃってもいいんじゃないかと。エイズTなんて決してアートではないけど服の可能性を広げているわけでそういう風に成立する服が増えてくるような気は個人的にしています。

2008/9/15(月) 午前 0:26 [ margielamarni ] 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

開く トラックバック(7)


.


みんなの更新記事