奇想の庭(復活そして昇天)

19世紀末から20世紀前半のロシア文化を駆け巡り、拾い集め、組み立てて、発見する・・・・・・

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姫路市立美術館所蔵のベルギー絵画をBunkamura ザ・ミュージアムの企画展で観ることができた。

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展覧会の構成は5章から成り立っている。

第1章は世紀末の幻想 象徴主義の画家たちで、そこにはレオン・フレデリック、ウィリアム・ドゥグーヴ=ド=ヌンクやエミール・ファブリ、フェルナン・クノップフ、ジャン・デルヴィルたちの作品が集められていた。ここで印象的な作品の一つはヌンクの《夜の中庭あるいは陰謀》である。薄暗い青と黒を基調とした静寂に包まれたヴェネツィアの一角に三人の人物が描かれている。それから、クノップフの二作品。一つは淡いセピアとオレンジの中間のような色彩で物憂げな眼差しをした豊かな髪の女性が描かれた《ヴェネツィアの思い出》である。17.5×9.4cmという非常に小さい作品である。もう一つは《ブリュージュにて 聖ヨハネ施療院》。陰鬱な色彩で描かれたブリュージュはひどく趣がある。

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第2章は魔性の系譜 フェリシアン・ロップス。仮面を掲げた女性とか、月明かりのもとでサチュロスに全裸で抱きついている女性、スフィンクスに抱きついている女性など。

第3章は幻視者の独白 ジェームズ・アンソール。奇怪な顔をした人物たちや、仮面、骸骨が入り混じった群集の異様な迫力、《悪い医者》と題するブラックなカリカチュア、廃墟のようなカテドラルの前にびっしり描かれたカーニバルの集団と軍隊の絵《カテドラル》などが印象に残った。

第4章は超現実の戯れ ルネ・マグリットである。ここでは《魅せられた領域》と題された8点の作品が一挙に公開されていて、感激した。どの絵にも、リアルに描かれた空や人物、キジバト、建物、熱帯の鳥たち、鈴、燭台、月、斜塔、羽根、ライオン、チューバ、木、山、幕などといった要素がまったくあり得ない方法で組み合わされ、一つの場面を構成している。そうして、それぞれに詩人のポール・コリネによる詩的な注釈がついている。その一つは「扉はビロードのような夜に開かれ、はっきりとした月が光のヴェールを紡ぎ出す。騒々しい葉が鈴をつけて、鳥たちを怖がらせている」。

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第5章は優美な白昼夢 ポール・デルヴォーである。大作《海は近い》を観ることが出来た。幻想的な月夜に光る海、神殿の中に横たわる「眠れるヴィーナス」、全裸で石畳に佇む女たち、海と前景の間には古代ローマ風のアーチが走っている。さらに、銅版画による素晴らしい挿絵を観ることが出来た。クロード・スパーク『鏡の国』のための連作「最後の美しい日々」である。何とも不思議で魅惑的なストーリーに、剥製の女や骸骨といった、デルヴォーの十八番が嬉しい。

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閉じる コメント(3)

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こんばんは。。!

この展覧会のことは箱根に行った時にポスターを見て。。
おぉ〜、こちらも幻想的な世界だな〜、と思っていました。
手元に同じポスターがありまして。。(嬉)
ラヴリェーツキーさんも東京に御住まいですね。。
同じところにおられると思うとちょっと嬉しいです。

この中でレオンフレデリックのあじさいを、岡山県倉敷の大原美術館
で見ました。このポスターのような、あでやかな絵も書かれた方なのですね。展覧会のご紹介もラヴリェーツキーさんの手にかかりますと、詩を読んでいるよう、とても美しいです。
稚拙コメントで失礼しました。。(笑)

ポチ。。☆

その他の記事もゆっくり味わって、拝見したいと思います。

2009/9/24(木) 午後 9:19 [ *ar*y*e ]

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グレースさんは各地の美術館を訪れていらっしゃるのですね。箱根の展覧会も素晴らしそうで行ってみたいのですが(グレースさんの記事を楽しみにしています)、そう、ここのところ東京にはりついてしまって、海外はおろか一歩も他府県に出ていません(笑)

ところで、この展覧会のチラシをご覧になったということなので、もう、とっくにご存知ではないかと思うのですが、来年の二月にこのBunkamuraで「愛のヴィクトリアン・ジュエリー展」があることを知りました。ジュエリーと併せて、この時代のウェディングの装いや、英国の生活文化の一つとして広く浸透していったアフタヌーンティーの豪奢な銀器によるテーブルセッティング、アンティーク・レースなどを展開するそうです。それで、真っ先にグレースさんのことが頭に浮かんで、ゲストブックに書きこんでおこうと思っていたのですが、とりあえず、ここでお知らせしておきますね。

ポチ、ありがとう!

2009/9/24(木) 午後 9:47 [ 奇想の庭(復活そして昇天) ]

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何度も失礼します。
ヴィクトリアンジュエリー展、知りませんでした。。!
どこに目をつけていたのやら。。
きっと前にはついてないんだわ〜・・!(笑)

わぁ〜・・ヴィクトリアンの文化も合わせて・・
それは、それは、すごく楽しみです。
あの時代のことは今一番興味ありますから、教えて頂き有難う御座いました。ペアチケットなどは、かなり前に締め切られるので、
早めに買っておきたいです。有難う御座いました。
(お返事不要ですよ・・!)また遊びにきます。

2009/9/24(木) 午後 10:40 [ *ar*y*e ]


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