奇想の庭(復活そして昇天)

19世紀末から20世紀前半のロシア文化を駆け巡り、拾い集め、組み立てて、発見する・・・・・・

ドイツ/スイス映画の部屋

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モノクロ映像のおとぎ話。荒廃したベルリンの街、これから復興して変わってゆくだろう街がドキュメンタリータッチで描かれる。一部カラーになる。それは天使が人間を愛し、人間になった時。
 天使たちは人間たちには姿を見られることなく空間を自在に飛びかけながら、すれ違った人々の心の中を、その胸のうちの苦悶を、その絶望を読むことが出来る。彼らの姿を見ることが出来るのは子供たちだけである。彼らは霊なのだ。食べたり飲んだり、そよ風を身体で感じることも出来ない。天使たちは、飛び切り不幸な考えに取り付かれている人によりそってあげて、彼らの絶望が不思議な幸福感に変わってゆくのを満足して眺める。それでも、飛び降り自殺をやめさせることが出来ずに落胆したこともある。
 ダミエルという名の天使が人間の女に恋をして、人間になりたいと願った。もう一人の天使カシエルは決して人間には心を開かない。映画のロケが行われている。大勢のエキストラの中で似顔絵を上手に描いている俳優(『刑事コロンボ』のピーター・フォークが演じている)がいる。彼は人間の中で唯一天使を感じることが出来るのである。そんな彼に話しかけられてもカシエルは決して歩み寄ることのない孤高の天使であった。
 人間になった天使ダミエルはお金を手にし、人間の服を着て、意中の女性を探し回った。人間になった彼の新たな世界はカラーで表現される。彼の恋する相手はサーカスの空中ブランコ乗りの娘であった。興行が終わって、皆が故郷に帰ってゆくなか、一人ベルリンに残っていたフランス人女性。彼女にとってダミエルは必要で、ダミエルにとっても彼女が必要であった。

ドイツ・フランス合作映画/1987年/128分

監督:ヴィム・ヴェンダース

脚本:ヴィム・ヴェンダース、ペーター・ハントケ

音楽:ユルゲン・クニーパー

キャスト:ブルーノ・ガンツ、ソルヴェイグ・ドマルタン、オットー・ザンダー、クルト・ボウワ、ピー

ター・フォークほか

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幻惑と幻想の交錯する洗練の極みの映像美。

〈ストーリー〉
スイスの名門の御曹司イジドールはマダム・リリーの娼館で「シャンハイ」を歌った妖艶な歌姫ラ・パロマの魅力の虜になった。彼女の本名はヴィオラ。不治の病に侵されており、数週間の命であると言われている。楽屋に通いつめたイジドールにヴィオラは「愛人になってあげるわ」と言う。それから、イジドールは彼女と各地の療養所を渡り歩き、彼女を無限の愛で包み、あらゆるわがままを許すのだった。彼女は奇跡的に病から回復する。イジドールの母の願いを聞いて、二人は正式に結婚もする。

だが、イジドールの唯一の友ラウルが館を訪れた日から、人生の歯車は狂い始めた。貧乏であるが魅力的なラウルをヴィオラは愛し、一緒に暮らしたいと思った。生活費を心配するラウルに、「イジドールがお金をくれるわ」とも彼女は言った。イジドールの無限の愛を信じて疑わなかったのである。けれどもイジドールは断った。それだけは無理であったから。

それから、ヴィオラは一室にこもり、メイドのアンナとだけしか話をしなくなった。イジドールに対しては軽蔑より強い憎悪を抱いているようだった。本と奇妙な油を注文し、何ヶ月もかけて美顔薬を調合した。ふたたび病状が悪化して、ヴィオラは床につくと、「またお会いしましょう」という謎の言葉を残して帰らぬ人となった。

三年後、ラウルはイジドールの屋敷を訪れた。ヴィオラの遺言状を読むためである。その内容はこうであった。
「私の遺体はイジドールとラウルとアンナの三人で三年後に掘り起こし、日没前に礼拝堂に移すこと。無限の愛の証明です」
敷地内の礼拝堂の裏の墓地にいったん遺体を埋葬し、それを後に掘り起こして、骨を礼拝堂に移すこと。それはイジドールの家に古くから伝えられてきたしきたりであった。

ところが、ヴィオラの遺体を掘り起こすと、三年も経っているというのに、棺の中には生きていた時とまったく同じ姿のヴィオラが眼をかっと見開いたまま眠っているのであった。
これは周到に計画された復讐なのか?完全な肉体を、日没までにどうやって骨壷に移すことなど出来ようか?

1974年スイス/フランス合作
監督/脚本:ダニエル・シュミット
原作:ハンス・ハインツ・エーヴェルス
キャスト:イングリット・カーフェン、ペーター・カーン、ビュル・オジエ、ペーター・シャテルほか

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この映画の原作はトーマス・マンが11年の歳月を費やして1924年に完成させた長編小説『魔の山』です。

この映画はあたかも食事シーンと他の場面が代わる代わる撮られているかのようです。白くて明るい雰囲気の広間で繰り返されるこの食事の場面は映画全体をつなぐ蝶番であり、要であります。なぜなら、この時だけサナトリウムで療養生活を送っている者たちが全員同じ場所に集うからです。優雅な衣裳に身を包まれ、何種類ものソースを作れる話題などに花を咲かせる婦人たち。上流階級の晩餐会のような雰囲気です。ところが、この同じ広間、多少入れ替わりはあるけれども同じ人々の集りであるものが、回を重ねるごとに刻々と代わってゆくのです。次第に華やかな雰囲気は消え、服装や態度は庶民的になり、ついには人種差別のからむ醜い喧嘩にまで発展してゆきます。第一次世界大戦へとまっしぐらに突き進んでいった暗く不安な世の中を反映していたのです。

この映画には印象的なシーンが数多くあります。中でも、愚か者の主人公ハンス・カストルプが見事な絵を描く院長の居室に通され、そこで見たロシア人ショーシャ夫人の肖像の中に理想の美を感じ、彼女への恋に激しく突き動かされてゆく様子が印象に残りました。また、当時のレントゲン写真の撮り方は、物凄い電流によってスクリーンに骸骨が映し出されるような感じて面白かった。やがてショーシャ夫人の「愛人」の地位を獲得したハンスが夫人と互いのレントゲン写真を交換していました。後は、雪の中での虚無主義者ナフタと民主主義者セテムブリーニが決闘するシーンが心に鮮烈に残りました。


監督:ハンス・ヴィルヘルム・ガイゼンデルファー

キャスト:クリストフ・アイヒホルン、マリー=フランス・ピジエ、ロッド・スタイガー、ハンス・クリ

スチャン・ブレヒ、シャルル・アズナブール

1982年 西ドイツ/フランス/イタリア作品

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