モノクロ映像のおとぎ話。荒廃したベルリンの街、これから復興して変わってゆくだろう街がドキュメンタリータッチで描かれる。一部カラーになる。それは天使が人間を愛し、人間になった時。天使たちは人間たちには姿を見られることなく空間を自在に飛びかけながら、すれ違った人々の心の中を、その胸のうちの苦悶を、その絶望を読むことが出来る。彼らの姿を見ることが出来るのは子供たちだけである。彼らは霊なのだ。食べたり飲んだり、そよ風を身体で感じることも出来ない。天使たちは、飛び切り不幸な考えに取り付かれている人によりそってあげて、彼らの絶望が不思議な幸福感に変わってゆくのを満足して眺める。それでも、飛び降り自殺をやめさせることが出来ずに落胆したこともある。 ダミエルという名の天使が人間の女に恋をして、人間になりたいと願った。もう一人の天使カシエルは決して人間には心を開かない。映画のロケが行われている。大勢のエキストラの中で似顔絵を上手に描いている俳優(『刑事コロンボ』のピーター・フォークが演じている)がいる。彼は人間の中で唯一天使を感じることが出来るのである。そんな彼に話しかけられてもカシエルは決して歩み寄ることのない孤高の天使であった。 人間になった天使ダミエルはお金を手にし、人間の服を着て、意中の女性を探し回った。人間になった彼の新たな世界はカラーで表現される。彼の恋する相手はサーカスの空中ブランコ乗りの娘であった。興行が終わって、皆が故郷に帰ってゆくなか、一人ベルリンに残っていたフランス人女性。彼女にとってダミエルは必要で、ダミエルにとっても彼女が必要であった。 ドイツ・フランス合作映画/1987年/128分 監督:ヴィム・ヴェンダース 脚本:ヴィム・ヴェンダース、ペーター・ハントケ 音楽:ユルゲン・クニーパー キャスト:ブルーノ・ガンツ、ソルヴェイグ・ドマルタン、オットー・ザンダー、クルト・ボウワ、ピー ター・フォークほか |

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