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絶対に聖歌はいらぬ。獲得した進歩を維持することだ。耐え難い夜よ!ぼくの顔面では乾涸びた血が燻 り、背後にはこの恐ろしい潅木のほかには何もない。精神の闘いは人間たちの戦闘と同様に苛烈である。 けれども、正義の幻影はただ神のみの慰みである。 しかしながら、覚醒の時である。活力と真に迫った愛情のあらゆる到来を受け容れよう。そうして、夜 明けには、燃えるような忍耐で武装して、ぼくらは燦然と輝く都市という都市に入るだろう。 友の手についてぼくは何を語ったのか!まったく好都合なことに、ぼくは昔のまやかしの愛をあざ笑っ たり、この偽りの夫婦に恥辱の罰を課することが出来るのである、── ぼくはあちらに女たちの地獄を 見たのだった。── そうして、一つの魂と肉体の中に真実を持つことがぼくには許されるだろう。 1873年4月 - 8月 コラージュ:Lavretsky 今回で『地獄の季節』は完了です。長いことお付き合いありがとうございました。
次回からは、ランボーの初期詩集などから訳してみようと思います。また、詩によっては一篇がかなり長いので、やはり、数回に分けて少しずつ掲載してゆこうと思います。 |
訳詩の世界『地獄の季節』
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そう、新しい時は少なくともひどく手厳しいものである。 何となればぼくは勝利を獲得したと言えるのである。歯ぎしり、焔のごうごう唸る音に悪臭を放つため 息は鎮められた。一切の穢れた思い出は消え去るのだ。ぼくの最後の悔いは逃げ去ってゆく、── 物乞 いたちへの、山賊や、死の友たる人々への、あらゆる種類の時代遅れの人々への羨望だ。── 地獄に堕 ちた者たちよ、もしもぼくに復讐ができるなら! どうあっても現代的でなければならぬ。 コラージュ:Lavretsky
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このぼく!一切の道徳を免れ、魔術師であるとか天使であるとか称しているこのぼくが探求すべき一つ の義務、そうして抱きしめるべきざらざらした現実とともに大地に戻されるのだ!農民である! ぼくは騙されたのだろうか?愛徳はぼくにとっては死の姉妹なのだろうか? そして最後に、ぼくは嘘を糧にしてきたことに許しを請うことになるだろう。そうして、行こう! けれども、友好の手は一本も差し伸べられやしない!なのに、どこに救いを求めるのだ? ───── コラージュ:Lavretsky
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そうして、ぼくは冬を恐れる。慰安の季節だから! ── 時々ぼくは大空に、喜び溢れる諸々の白い民に覆われた果てしない浜辺を眺める。一艘の巨大な 黄金の船が、ぼくの頭上で、朝のそよ風に多色の旗を揺り動かしている。ぼくはどんな祭りも、戦勝も芝 居もすべて創造した。新しい花々を、星辰を、肉体を、言語を発明しようと試みた。超自然的な能力を得 ることも確信した。おや!ぼくはこの想像力と数々の思い出を葬り去ってしまわねばならないのだ!芸術 家と物語作家の見事な栄光は吹き飛ばされてしまうのだ! コラージュ:Lavretsky
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もう秋だ! ── だが、ぼくらは神の光を発見するために雇われているのなら、なにゆえ永遠の太陽を 惜しむことがあろう、── 幾季節もの上に死んでゆく人々からは遠く離れて。 秋だ。そよとも動かぬ霧の中に舞い上がったぼくらの小舟は苦悩の港、火と泥で汚れた空のもと巨大な 都の方へと向きを変える。ああ!風化したぼろ着、雨でぐっしょり濡れたパン、陶酔、ぼくを責め苛んだ 数知れぬ愛!死んで、裁かれるであろう 幾百万の魂と肉体を統べる女王たるこの生き血を吸い屍肉 を喰う女悪魔は死ぬことなどないだろう!泥土とペストに肌は蝕まれ、髪の中や脇の下にはうじゃうじゃ と蛆虫が、さらに心臓にはもっと大きな蛆虫が湧いて、年齢不詳の感情も伝わってこない見知らぬ人々の 間に横たわっている自分の姿が目に浮かぶ… ぼくはそこで死んでいたかも知れない… 怖ろしい想起だ! ぼくは悲惨さを憎悪する。 コラージュ:Lavretsky
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