奇想の庭(復活そして昇天)

19世紀末から20世紀前半のロシア文化を駆け巡り、拾い集め、組み立てて、発見する・・・・・・

ある旅人の絵入り幻想付き日記

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ポーランドは平地にあるので、9月なんてまだ夏だ。晴れた日の陽射しの強さは、隣国の山地にあるチェコと違って、とても北国のものとも思えない。その暑さの中を、暑苦しいバスに乗って、まずアウシュヴィッツに行った。現在ここは目玉の観光スポットになっており、しかも、午後3時になるまでは、誰もが団体でガイド付きで入らなければならないので、博物館となった建物を訪れる時も、前はつっかえ、後ろには押される状態で行くことになる。自分だけの関心ごとのために、ゆっくり、じっくり留まっていることは出来ず、ガイドが不親切だと置いてゆかれる。いいさ、置いていってくれたほうが、好き放題見れるではないか、と思っても、次のグループのガイドが変な顔をするので、早々に進んでゆかねばならぬ。ガス室を見て、見学は終わりになる。それから、ビルケナウに行くが、ここは収容所の建物がナチス自身によって爆破されたので、ほとんど草地と線路が残るのみだ。ところが、炎天下の中、自分だけ日傘をさしたガイドが、陰ひとつないところに立ち止まって延々としゃべり続けるので、禿げ頭の白人なんぞ、ゆでだこのように真っ赤になっていたし、帽子もスカーフもない人は肌を紫外線に攻撃され放題だ。思ったことは、かつて収容されていた人もこの酷暑の中、辛い肉体労働をし、厳寒の真冬には、ひび割れ、血のしたたる素足の足跡を雪の上に残していったのではないだろうか。ヒトラーの偽札という映画を観た時、先にこの有名すぎる収容所を見ておいたので、状況が非常にわかりやすかった。
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ポーランドの国民的詩人ミツキエヴィチの像やその背後にある大変美しい教会を見学しながら、明るい広いクラクフ郊外通りを真っすぐに歩いてゆくと、やがて、美しい王宮広場に出る。広場の中心にそびえるジグムント3世の碑の向こうに、赤茶色の左右対称な外観をした旧王宮がある。この王宮の内部はあまりにも美しく繊細で、数知れず見たヨーロッパやロシアの王宮の中でも上位に入る。内部はおおむね、古典的であり、ドイツにありがちなバロック風なものではない。ここには非常に個性的な「大理石の間」があり、さまざまな種類の大理石の組み合わされた重厚な内装には息を呑むばかりだ。この王宮は他の多くのワルシャワの建物と同様、第二次世界大戦で破壊されたというから、現在見られるものは、復元されたものである。かつてはもっと美しかったという。
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ポーランドの教会は、いくつか見た限りでは、古典的であり、バロックであり、19世紀末から20世紀にかけてヨーロッパやロシアに広まったモダンな様式、アールヌーヴォーの影響をあまり受けていないように感じた。美術にも、現代アートにもその傾向が感じられた。その一方で、ワルシャワにはスターリン様式の巨大な文化宮殿がある。一方、プラハは、駅から街並み、墓地、たくさんの教会の内部に至るまでアールヌーボーが浸透している。もちろん、バロックの教会もたくさん存在するのであるが。けれども、スターリン様式の建物はない。だから、隣国でありながら、街の印象は大いに異なっている。
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カジミエシュ地区は手作りのアートの街でもある。古い建物に描かれた不思議な絵に感心する。これを描いたのはユダヤ人だ。個性的なカフェやショップがたくさんあって、どこも世界に一つしかない独特な内装で飾られ、売られている小物やアクセサリーや服なども手作りが多い。ここはユダヤ人の地区であり、かつてユダヤ人は世界中に離散していたので、一つの民族のようでありながら、多くの異なる文化の中で生きてきた。そういう人たちが戻って集まった街は人種の坩堝のように多様な文化を見せてくれる。この地区の近くにゲットー跡がある。そこは、誰も座ってはならない大きな椅子が並んだ広場があり、その地区のユダヤ人を全員、アウシュヴィッツやビルケナウに送った列車が発着するナチス風の厳めしい駅の跡がある。そこは現在トラムの停留所として使われている。さて、多くのユダヤ人を救ったことで名高いシンドラー博物館の隣にはクラクフ現代美術館があり、なかなか興味深い作品が集められていた。今回の展示は古きものと新しきものの組み合わせの作品が目立っていたが、お洒落でユーモアに富んだアートであった。
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この地区はきわめて活気のある美しい地域だ。アート的な手作りの品物を売っている店や、骨董店、店内が素晴らしく飾られたレストランやカフェが集まっている。教会もシナゴーグもある。一つとして、どこかのブランドショップのように同じ商品、同じ内装で飾られた店はない。とても個性的な地区なのだ。

一軒のレストランに入った。内部がすべてアンティークで飾られている。18世紀の軍服、19世紀のミシン、20世紀初頭の衣装、古道具、きれいな絵の描かれたブリキ缶、そうして、このレストランを外から見ると、昔のユダヤ人の小さな店が再現されているのである。夜になると、どのレストランも満員だ。だだっ広い地下全体が、たくさんの小部屋に仕切られたレストランもある。豚肉を食べないユダヤ料理で美味なのは羊料理だ。
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