コンドラティー・フョードロヴィチ・ルイレーエフは革命的詩人であり、著名なデカブリスト。1825年12月のペテルブルグにおける反乱を積極的に準備し指導した。捕れられて翌年、他の同志とともに処刑された。世にいう12月(デカブリ)の事件である。彼はその詩で専制と農奴制に対する憎悪、人民に対する愛情を歌った。作品では「市民」などのほか、史詩「マゼッパ(ウクライナの英雄)」「ヴォイナロフクキー」などが知られている。
オーストリアの皇帝フランツに
全世界を精神のけだかさで
この皇帝は驚嘆させたが
かれは蠅にとっての敵であり
敵にとっては蠅だった
1822年
【松下 裕訳】
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ひややかな蔑みをもって報いよ
民衆の苦難に冷淡でありうる人に
人生の目的をさぐりあてることに努力しろ
時代の精神、世紀の任務を会得しろ
1824年
【松下 裕訳】
市民
宿命の時代に
市民の名をはずかしめ
変貌したスラヴ人の疲れきった子孫、おまえを
わたしは真似るであろうか
いや、わたしはできない、欲望の抱擁にまかせて
恥ずべき怠惰で若い時代をすごし
専制の重いくびきのもとで
わきたつ心を滅ぼすことは──
みずからの運命もさとらず
時代の宿命を理解しようとせず
うちひしがれた人々の自由のための
未来のたたかいにそなえようとせぬ青年は抛っておけ
自分の祖国の悲運の上に
ぬくもりのない心でひややかな目差しをそそぎ
未来の祖国におのれの恥辱を
子孫の正しい非難をよみとらぬがよい
かれらは後悔するだろう、人々がたちあがり
自由の権利をもとめるたたかいの嵐のなかで
怠惰な安逸の抱擁のなかにかれらを見出し
一人のブルータスもリエゴも見出さなかったときに
1824-25年
【松下 裕訳】
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