奇想の庭(復活そして昇天)

19世紀末から20世紀前半のロシア文化を駆け巡り、拾い集め、組み立てて、発見する・・・・・・

小宇宙への旅

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どうせ暮らすならグロットがいい。森の奥深く眠っている洞窟を綺麗な岩で飾り、伝説の海の生き物たちのイメージを吹き込んだ装飾と遊ぶことのできるような独りずまいの巨大なグロットを造らせよう。

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あら、お客様ですって? 赤ずきんちゃん、それとも、親指小僧さん。青髭さんではないでしょうね。いいわ。奥の客間に案内して。

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お客様は教区の神父さまでした。「でも、ここは深い森ですわ。どこの教区に属しておりますの?」「黒い森です」「ああ、そういえば、夜のお祈りを忘れておりました。礼拝堂はまだ完成しておりませんのよ」「それでは街の教会にお連れしましょう」そういうと、神父さんはわたくしを柩車のような車に乗せて、街灯があかあかと燃える古い街まで連れていってくださいました。

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ひと月後、神父様を私のお城の完成したばかりの礼拝堂に案内した。彼は私のためだけにミサを執り行ってくださり、私は聖体礼儀を授かった。 
「素晴らしい礼拝堂だ」 
神父様はとりわけ主祭壇の飾りに感嘆しておられました。「ただの飾りではございませんの。その髑髏は・・・」と言いかけて私は口をつぐんだ。これは永遠の秘密だ。誰にも話していない。いえ、決して口外してはならない秘密なのです。

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私には兄がいました。兄は残忍な性格であり、また、黒い森にある一族の広大な領地を全て相続するために、私を亡き者にしようと幾たびも、恐ろしい陰謀を企てました。壮麗な客間での晩餐の折に私のシャンパンに毒を入れ、それを招待客の誰かが仕組んだように企てたこともありました。私はしばらく北国の運河沿いの屋敷に身を隠しておりましたが、兄と仲直りしようという口実のもとに兄を晩餐に招待し、睡眠薬入りのワインを飲ませました。兄が泥酔し、すっかり寝入ったところを、運河に続く地下室より、宵闇の運河に石をつけて沈めました。この髑髏は兄のものなのです。

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お台場のショップの人形のホラーな展示。
ずばり、人形の頭を集めています。と、言っても、実は、これが本当に難しい。あの偶然がなかったら、決して出会うことのなかった頭たちなのです。そう、あのホラーな店を見つけるまでは。

たとえば、どなたでも、人形の頭だけが欲しくなり、東京なり、名古屋なりを歩き廻って、ドールショップやアンティークショップを訪ねてみるとわかるでしょう。

「人形の頭だけが欲しいんですが」と言ったところで、頭だけを商品にしている店はなかなか見つからないでしょう。強いて言えば、人形を作る材料を売っているところなら、首だけ、手だけ、脚だけ、胴体だけ、硝子の眼だけ、鬘だけを買うことが出来るでしょう。しかし、そこまでゆくと、自分で一から制作しなくてはならなくなり、コレクションというカテゴリーにはくくることが出来なくなると思います。

やはり、アンティークショップでは見つかるかも知れません。現にわたしも、かつては聖母マリアの頭だった木彫りの頭を持っています。200年ほど前のものか、もっと昔に遡るものなのか、実に美しい顔をしております。

ところが、最近、アンティークショップは死語になりつつあるぐらい、どこの街からも姿を消しています。その数少ないショップでも、なかなか頭だけに出会うことはありません。

最後に残るのが、アンティーク(あるいはヴィンテージ)の商品を売っていて、なおホラーな、神秘な、秘密結社好きな、世にも変わった商品ばかりを扱っている店であります。

その店で、わたしは人形の頭をいくつも買い、シスターの衣を身につけた大変珍しい人形も入手しました。

その店では普通の人形は一切扱っていません。白目を剥いた人形とか、血まみれ人形とか、どこかが壊れている人形しか売っていないのです。そうして、アンティークとホラー好きなわたしの趣味にピッタリ合いました。

そんな不思議な店が、お台場にあるんですからねえ。
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コレクションした人形をちょっとホラーな感じに。

ロシア土産

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 写真はすべてペテルブルグ滞在中に自分で自分のために買ったお気に入りの品々の一部である。別に誰も土産などくれないので、自分で買った。マトリューシカならもらったことあるけどね。まあ、土産は心をもらったと思っておこう。そのものが気にいるはずはないのだから。
 自分でも困るほど目が肥えていて、感覚が鋭利になっていて、本当に気に入ることが出来るものはごく一部だ。日本の流行のものは、もちろん、受け付けない。みんなのお気に入りの文化とでもいうものはたいてい嫌いである。
 写真の磁器のカップ&ソーサーはすべて、いにしえの帝室劇場、現在のアレクサンドリンスキー劇場の売店で見つけた。バレエの名作や、詩人のイメージの描かれた(左上、胡桃割り人形。中央、詩人のアンナ・アフマートワ、右にあるのがペトルーシュカ)磁器製品は、この劇場でしか売っていない。人形だったら、国立磁器センターの工場隣の売店で買うことが出来るけれど。クリスマス・オーナメントは、プーシキン像を囲む芸術広場の地下のアンティークショップで買った。「ソ連」のオーナメント! これは感激でした。最近のオーナメントはディズニーだのの影響を受けて、センスの悪いこと、悪いこと。ビーズのたくさん縫いつけられた仮面もアレクサンドリンスキー劇場で買った。これは、その頃、レルモントフ原作の戯曲「仮面舞踏会」が同劇場で上演されていたので、それに関連づけたものだろうが、一個一個手作りで全部デザインが違うのに驚いた。最近、ヴェネツィアの仮面は、ひどくレベルが落ちてきて、日本のコスプレ的なものになってきたので、最悪である。高度なセンスの仮面をまさかペテルブルグで見つけることが出来るとは思わなかった。

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去年の3月16日に、有名なイラストレイターの金子國義氏が亡くなり、その一周忌ということで、渋谷文化村で小さな展覧会と本(画集)の販売がありました。

http://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/160312kaneko.html

その中には、まだ書店には出ていない「イルミナシオン」という画家の死後に出版されたものも置いてありました。

私は飛びつきました。もしや、あのアルチュール・ランボーの最高の詩集「イルミナシオン」に金子氏が最高のイラストを描いたものかと思っていたからです。しかし、実際は彼の作品集のようなもので、すでに雑誌などでさんざん発表されてきたものの寄せ集めであるような気がしました。それから、泉鏡花の「天守物語」が彼のイラストつきで出版されていて、実はどちらも購入したのですが、驚いたことに、本の帯に「急逝した天才画家が、〜〜〜」とあるんですよね。私は天才画家というのは、あくまでも、ダリとかダヴィンチとか、ブリューゲルとかボッシュとか、そういう人のことのみを言うのかと思っていました。別に金子氏が嫌いではないのです。むしろ、そのホモセクシュアルな耽美的な頽廃的な絵は好きで、彼のイラストのついた翻訳ものなども購入したことがあります。そこで、やはり、日本には妙な人気、知名度で人を判断してしまって、本当の実力で認められない何かがあることを確認しました。

要するに彼はイラストレイターなんですよ。本の挿絵とか広告とか雑誌の記事に絵を描く人たち。なぜなら、彼の絵はまったくバルチュスにそっくりで、世界に通用する個性があるわけではないのです。また、例の死後の画集「イルミナシオン」のタイトルは皮肉なのか、まじめに彼の傾向を理解しているのかわからないのですが、彼の描く男たち、青年、少年たちの顔がすべてアルチュール・ランボーにそっくりなのです。私は彼の絵を見ているうちに、ランボーの肖像展を見ているような気分になりました。もしかしたら、男好きの彼は美少年のランボーに一目ぼれして、生涯、あの顔を書き続けたのかも知れません。しかし、やはり、彼自身が「イルミナシオン」を解くことはなかったわけで、私が知る限り、芸術家で「イルミナシオン」の真の理解者の一人は映画監督で、やはりホモセクシュアルであったピエロ・パオロ・パゾリーニ監督です。彼は「テオレマ」という映画の中で人間の意識を変えてしまう、恐ろしい啓示を描いていました。ランボーのイルミナシオンに従うと、人間は破滅に向かってゆくのです。

作品を作ってみた。

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わたしの原風景には古めかしい布の造花がある。ガルシャ・マルケス原作の『エレンディラ』を観たせいだ。それに気がついたのは一昨日のことである。エレンディラは耽美的で土着的で悲劇的で空想的で、シュールレアリスティックで、魔術的な不思議な映画だ。日本では一度もDVDが出たことがない。テレビではやっている。映画がスペイン語なので、スペインから取り寄せた。そうして、比較的冒頭のシーンで、悪魔のような美しい婆さんが「マルガリータの歌」を弾き歌いするのであるが、赤い絨毯に置かれたグランドピアノの周りはあらゆる色彩の造花で飾られているのである。そのめくるめく色彩の豊かさと幻想的なまでの造花の量に圧倒された。映画史上、最も美しいシーンの一つではないかと自分では思っている。

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