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まず最初、加工前はこんな感じ↓ 加工前とか言いながら、 刃先だけ少しダイヤ砥を当ててある、画像です 早速ダイヤ砥をガンガンと当てていきます まず、切刃をベタで当てていくと・・・↓ 左側の切刃は、グラインダーで凹んでしまっていて、 刃先と槌目の付近ばかり砥石が当たります うーん、ユーザーが研がないことを前提に作っているなぁ・・・って感じが伝わってきます・・・ 積層に騙されて三徳を使うユーザーはどうせ包丁に詳しくないから、 適当に作ってもバレナイだろうとか、 研がないから関係ないだろう、みたいな感じが伝わってきますね・・・ この包丁、定価は2万円以上じゃなかったでしたっけ? メーカーが2万円以上の価値があると、自身で評価しているなら、 定価に追いつくようもう少しがんばってほしいですね・・・ 1万円半ばの値段で、完全手作りでもっと完成度の高い包丁が存在している事を知ってしまっている以上、このあたりは文句を言いたくなりますね ※実際はあきらパパさんから、かなり安く譲っていただいているので、 文句を言えないのですが・・・(;´▽`A 今度は右側の切刃をダイヤ砥で当てていきます 右側は左側に比べて、包丁中央から切っ先まで、 グラインダーによる凹みは、殆ど無いようです しかし、中央から顎に掛けてはちょっとおかしな凹み方になって来ました↓ 上が右側、下が左側なのですが、 この部分、砥石に強く当たる部分、まったく当たらない部分が、縦に交互に現れてきました よく観察すると、右側が強く当たっている部分(凸)は、左側では当たらず(凹)、 左側で凸の部分は右側では凹の状態になっています 実際には、鋼同士の張力で歪みが発生したのではなく、 製造時のグラインダーの当て方に、問題があったようです 以前顎付近を研いだときに、砥石を何回当てても、当たり方に強弱があったので、 おかしいとは思っていましたが、こんな原因だとは予想していませんでした この状態では、刃幅が半分に減るまで、顎付近の切れ味は悪い状態が続くと思います 一生懸命研いで使う側としては、とても使い辛いですね 安くない包丁ですから、このような加工がされているのは、残念でなりません とりあえずここまで、手研ぎで一生懸命削ってきたのですが、 最終的には槌目が消えるまで薄く削りたいと思っていました しかし、実際に作業をしてみると、いやはや苦行以外の何者でも無いので、 結局、電動工具(サンダー)にお世話になる事にしました サンダーを万力に固定して、研磨用のディスクを装着したところ↓ この方法は初めてだったので、うまくできるか自信が無かったのですが、 すでにダイヤ砥でガシガシ削りまくった後だったので、後には引けない・・・ 行き当たりばったりですが、実践してみました 焼きが入ったりしないように、バケツに水を張り、ちゃんと冷やしながら削りましたよ そしてサンダーで研削後↓ お〜、改めて見ると、初めてにしてはなかなかどうして、上手に削れたのではないでしょうか? 槌目も、金口付近以外はきれいに消え、 薄っすらですが積層特有の波紋模様が、浮き出てきました(←画像ではわかりませんが・・・) そして、最後にブレードの厚さです 加工前↓ 加工後↓ 加工前は、刃渡り中央付近で2mmの厚さがありましたが、 加工後は、1.6mmとなり、目標の厚さに出来ました ちなみに重さは、190gから177gまで、減りました この包丁は、いろんな意味でいじり甲斐のある包丁ですね 完璧までに完成された包丁も悪くないとは思いますが、 このように、遊びのマージンが多分に残されているのも、研ぎ趣味としては悪くありません 今回は大きな荒研ぎ作業でしたので、 次はダイヤ砥を使用した、細かい荒研ぎ作業を行いたいと思います |
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お世話に成ります。
槌目を少し残すのかと思っていたら、随分大胆に肉厚を削ぎに行きましたね。
全く、別物の包丁に成っていますね。
ところで質問なのですが、切刃の肉厚を削ぐ時、切刃全体を「蛤」っぽく削いでいる様に見えますが、どの様な緩いアールを意識されたのでしょうか?
と言うのも、当方の「ダメステン」の事なのですが、研ぎ始めたばかりの頃、切刃の断面形状(緩いアール)の意味を知らず、とにかく直線的で薄く「ペラペラ」にすれば良く切れると思い「平部」が10mm以下に成るまで削ったところ、食材に張り付きまくって切れ込みが非常に悪くなり、結局切刃を荒砥石で「ザラザラ」に荒らして使っていました。
2011/12/28(水) 午前 2:15 [ 新参者 ]
その後、切刃の緩いアールと切離れの事を知り、結局緩いアール状に削り直しました。
メーカーが付けた、意味の有る緩いアールを私が壊し-->使い難くなって-->また私が緩いアールを付け直したところ、食材の張り付きが無くなり、切込みが良く成った(結局元の様な状態にしたら元に戻った)という経緯が有ります。
あ、でも当方の「ダメステン」ですが、刃渡りを短くしたり上記の様な事が有ったりで、「出来の悪い子」=「手間の掛かる子(変な所を削ったので自業自得ですが)」=「一番カワイイ子」状態で、今は「一番好きな子」に成っています。
では。
2011/12/28(水) 午前 2:22 [ 新参者 ]
ご自分でやってしまいましたか〜。
僕は恐ろしくて出来ないな…
やっぱり自分のだからかな
2011/12/28(水) 午前 5:43 [ あきらパパ ]
すごい作業しましたねー(笑)
ヘタクソな金物屋にグラインダーでボコボコにされてしまった薄刃の切刃を手研ぎで平面に戻したことがあるけど、1週間ぐらいかかって、3丁掛け#180の荒砥が半分ぐらい減りました。
だけどそういう泣きそうな苦労すると研ぎの良し悪しが体で理解できます。
定価が高いといっても、槌目とかダマスカス模様が好きなひとのために、そういう加工にコストをかけて2万円になってる包丁でしょう。高いこと自体が訴求力かもしれないし。
槌目とかダマスカスのせいで加工してる人自身も加工精度が確認しづらいという可能性もありますね。
2011/12/28(水) 午後 2:19 [ 道哉 ]
単純にVG10で薄手の三徳が良かったなら、
鎚目、積層でない、
もっとお安いのもあったのに…
2011/12/28(水) 午後 4:55 [ あきらパパ ]
新参者さん
>どの様な緩いアールを意識されたのでしょうか?
この時点では、既存のアールを崩さないように、肉厚を削ぐ事に集中しました
次のダイヤ砥の作業では、何度も何度も峰から刃先に向かって、
指で触って厚みの変化を確認しながら加工しています
この包丁、右側はハマグリのアールになっていると言えるのですが、
左側は、切刃が凹んでいるので、ハマグリ状態とは言えないですよね
凹型の逆ハマグリ状態、もしかして和包丁の梳きを意識してワザと凹ましてあるのかと考えもしましたが、
顎付近の状態を見て「違う」と確信しましたw
2011/12/28(水) 午後 9:29 [ 酪農家 ]
あきらパパさん
自分の包丁なので、いろいろと試すことが出来ますよ
VG10の3層材を使用した包丁って、あまり出回って無い感じですね
儲からないからかな?
2011/12/28(水) 午後 9:31 [ 酪農家 ]
道哉さん
普通の荒砥でこれをやろうとすると、
面直しも尋常じゃない手間がかかりますね
やっぱり電動工具が無いと辛い作業です
>そういう加工にコストをかけて2万円
鍛冶師自身が丹念に折り返して積層を作っているなら判るのですが、
コレは積層の利器材から作っているからなぁ・・・
ちなみに定価は、三徳18900円、牛刀210mm22050円でした
2011/12/28(水) 午後 9:53 [ 酪農家 ]
手工芸品ですからって言ってしまえばそれまでですが、これは、物は一旦成型しても必ず反るという特性が有ります。特に金属に熱処理をすれば、有る程度安定するまで10年位は掛かります。いわゆる枯れさすと言います。そんなに寝かしていては商売になりません、最高級の本焼も反ります。有る程度仕上げて、半年程寝かして、歪を取って、また寝かし、それお何回かくり返します。つどつど下仕上げの程度は仕上げます。一回仕上げて、半年か1年後その跡また2年か3年は寝かして、また修正その時の状態を見てまだ動いていれば、今度は3年から5年寝かします。最後は円砥をかけると、特に切っ先の薄い部分が反りますので、手研きにて仕上げます。キワ物と呼ばれる物は特にこの処理は必要です。高くなります。あんまり高くなると道具として?商売としても成り立ちません、キワモノが商売にならないのは、そういう事です。修理に出して手砥で仕上げるのが一番ですが、・・・楽しむと言う点でよろしいかと、・・・でも間違いなく得る物は有ります。10年後酪農家から包丁屋にブログ名が変わっていたりして、(笑)
2011/12/28(水) 午後 10:54 [ 海豚 ]
海豚さん
安定するまで10年ですか、そこまで長いとは意外でした
本焼きのような全鋼物でも反りは発生するのですね
満遍なく同じ焼入れをするわけではないからでしょうね
>今度は3年から5年寝かします。最後は円砥をかけると、特に切っ先の薄い部分が反りますので、手研きにて仕上げます
このあたり、もはや日本刀のように高精度な仕上げですね
日本刀ならば、単価が違うので商売になりそうですが、
包丁では商売にならないのも納得です
>10年後酪農家から包丁屋にブログ名が変わっていたりして、(笑)
10年先までこのブログが存在しているかどうかが、一番の問題ですね(;´▽`A``
2011/12/29(木) 午前 8:22 [ 酪農家 ]
こんにちわ。
千葉県のフルカワ刃物さんで刃物造り体験をさせてもらったことがあります。
白二割込みの利器材が売ってるそうです。
素人なので修正や焼き入れは職人さんがやってくれますが、それでも鍛造整形の段階で左右の厚みにムラがあったりすると、ひどい場合は焼き入れの時点で90度曲がるそうです。
合わせ包丁で曲がってる物はよく見ますが、あまり聞いたことが無い銘の物が多いです。けっこう有名なところの物もたまにありますが。
叩いても抉ってもまっすぐにならず、バイスで逆反りさせたまま3ヶ月ほど放置したけどどうにもならなかったのがあります。
良い和包丁というのはまず第一に反る可能性が低いということへの信頼が高いことだと思います。六ヶ月寝かせて反って戻らないのをハネれば歩留まりが悪くなるから当然そんなことしてない包丁より値段は高くなります。大きさや鋼材だけで安いとか高いとか言えませんね。
2011/12/29(木) 午後 2:39 [ 道哉 ]
私が黒打ちを磨きにするより凄いことをしてますね〜……(^^;ゞ
まぁそれも趣味の内ですご苦労様〜
2011/12/29(木) 午後 5:47
沢山の記事で勉強させていただきました。
来年も楽しい記事を期待しております。
良いお年をお迎え下さい。m(_ _)m
2011/12/29(木) 午後 9:47 [ タナゴ ]
道哉さん
>90度曲がる
ここまで曲がることもあるんですね、驚きです
>大きさや鋼材だけで安いとか高いとか言えません
僕もそう思いますよ
ここからは僕の想像ですが、
1つ例を挙げると川口金物店さんで、この積層VG10鋼を使った高村刃物製作所製のステンハンドル三徳が13650円で販売されています
そして、この記事の三徳は14800円
では、どちらの鍛冶師の方が、包丁に手間を掛けているでしょうか?
どちらの包丁も僕は手にとって見たことがあるのですが、
作りこみを見る限りでは、高村作の方が手間をかけてあります
特にはっきりと品質の差を感じたのは、「小刃付けの仕方」
高村作はバフがけでとても丁寧に仕上げており、刃線厚も1μmと本刃付け状態
2011/12/29(木) 午後 10:55 [ 酪農家 ]
一方の龍泉作は、かなり荒いグラインダー研ぎで、2千円クラスの包丁となんら変わりません
この部分だけを見ても、手間のかけ方の違いを感じ取れます
小刃付けだけ手が抜かれていて、他はちゃんと手間をかけてある?
ちょっと信じがたい
本当にそんなチグハグな作り方をしますでしょうか?
本刃付けはしていなくても、丁寧に作る鍛冶師の作品の小刃付けは、それなりにきちっと刃付けがなされているように思います
成形にしっかり手間をかける鍛冶師が、小刃付けだけ徹底的に手抜きをする・・・
そんな鍛冶師、絶対とは言わないけど、ホントに居るかな〜?
2011/12/29(木) 午後 10:56 [ 酪農家 ]
ゆうけんさん
ゆうけんさんのブロンズメッキ加工も、
相当マニアックですよ〜〜w
2011/12/29(木) 午後 10:58 [ 酪農家 ]
タナゴさん
こちらこそ、いろいろなご意見、とても勉強させていただきました
来年も叱咤激励お願いしますm(_ _)m
2011/12/29(木) 午後 11:00 [ 酪農家 ]
これは、こんな包丁と言ってしまえば、それまでですが、ミソノの高級タイプとこの包丁と比べてこちらが良いと言うお客が沢山いています。実際韓国で人気が有るタイプと言いましたが、作り手もはっきりと認識しているとも思われません、需要があるから作ったり、色々と事情もあります。筋引きや今回の意件も正しいですが、意外とチャンとした包丁も作ってたりします。高村もそういう需要に合わせた包丁
です。結構何処も台所事情は苦しいようで、書けない事もたた有ります。
2012/1/2(月) 午前 1:10 [ 海豚 ]
海豚さん
明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いしますm(__)m
>台所事情は苦しいようで
僕も同じ製造業なので、よく判ります
店頭価格は下がっているのに、原材料は上がっていく・・・
人件費どっから出すねん!みたいな・・・
この包丁も、こんな事情の板挟みに合っているなぁって感じがしますよ
小刃付けに手間もさく事が出来ない
薄利多売で商品の回転を上げていかないと、儲けが出ない・・・
このようにに考えると、この包丁、ちょっと可哀想な境遇にあるのかも・・・
2012/1/2(月) 午後 9:40 [ 酪農家 ]
>ミソノの高級タイプとこの包丁と比べてこちらが良い
UX10三徳の事でしょうか?
もしそうならば、購買層は一般家庭が多いでしょうから、
研ぎなおして使うことはせず、工場出荷状態で使っているはず
そうなると、UX10は刃先をバフがけしてあるので、
鋭いけど刃が滑りやすく、またブレードが簡易鏡面加工で張り付きやすい
よって、「切れてる感」が弱い
ザクザクって感じではない
今回の三徳は、刃先は荒々しいノコギリ刃と包丁の重さが相まって、
ブレードに厚みが合っても、押してやれば無理やり切れ込んでいく感じで、
ガリガリ、ザクザクと「切れている感」はすごいですね
この辺りの手に伝わってくる感触が、評価されているのかもしれません
2012/1/2(月) 午後 9:52 [ 酪農家 ]