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先日、舟行の刃線の研ぎ方を掲載した際に牛刀の研ぎ方も教えて欲しいとの事でした しかし牛刀や三得も、 刃線の研ぎ方に関しては舟行同様多角形研ぎで砥げます ただ、牛刀は刃渡りが長くソリから顎までの距離が長くほぼ直線状態なため、 この部分の多角形の1辺の幅が舟行に比べて長くなるくらいですね さて、洋包丁が「切れる」とは、刃線の鋭さだけでは語れません 洋包丁はブレードに凹凸が少ないため抵抗が大きくなりがちで、 この抵抗がブレードの切り抜けの悪さに繋がります ブレードの切りぬけが悪いと、刃線が鋭くても切れない包丁と化します このブレード部分の抵抗は、「鏡面化した包丁」と「霞ませた包丁」で 水分の多い根野菜を輪切りした時に顕著に現れます 実際にテストしてみました まず最初に、ピッカピカに鏡面化した三得包丁です ブレード全体を鏡面化してあります この包丁でジャガイモを切ると・・・ ↓分割したジャガイモが左右共に張り付いてしまいました ぴったり張り付くということは、ジャガイモが動かないことを意味し 大きな抵抗を生んでいます 次に、刃線から黒打ち部分までが鏡面化してある包丁ではどうでしょうか? ちょっと錆が浮いていますが、黒打ちより下の部分は一度鏡面化した包丁です この包丁でジャガイモを切ると・・・ ジャガイモとブレードの間にすこし隙間が出来ましたが、 やはり張り付きました←黒打の部分だけ離れた このように、鏡面加工の幅が狭くてもかなりの抵抗が生まれます では、上の黒打包丁の右側だけ荒砥#220で霞ませます↓ 左側は鏡面のままです↓ この状態でジャガイモを切ると・・・ 左側だけが張り付き、右側はジャガイモを分割したと同時にブレードから離れました↓ これはブレードを霞ませた事により、ジャガイモとブレードの間の空気の層が出来て、 ジャガイモがブレードに密着出来なくなったからです このように食材がブレードに張り付かずに、 ポロン、ポロンとまな板の上に簡単に落ちる状態だと、 切るのが楽になります つまり、「刃線の鋭さ」同様、「食材の身離れ易さ」が洋包丁の切れ味に大きく影響します 上記のジャガイモがブレードに張り付く現象は、 鉋を研いだ時に、鉋刃で砥石が持ち上がる現象と同じでしょう また包丁を研いでいる時も、ブレードと砥石が張り付いてしまって、 動かなくなってしまうことがあります この状態から、包丁を動かすには通常よりも大きなエネルギーが必要です この余分なエネルギーが、鏡面加工の包丁でジャガイモを切った際にも必要となり、 「切れ味が悪いな・・・」 「包丁が重いな・・・」 と感じることとなります よって、鏡面加工は商品を販売する際に付加価値を付けたり、 商品の見栄えを向上するには役に立つと思いますが、 実際に食材を捌くには不適当です もし、鏡面加工の包丁のほうが切れると思っている方がいるならば、 水分の多い野菜を輪切りにしたことが無いのでは? 上記の事から、A4用紙や新聞紙、すね毛を試し切りだけで、 包丁の「切れ味」を決めてしまうのは早計であると言わざるを得ません 食材を切るには、刃線の性能と同様に、ブレードの性能も重要です もちろん、包丁で紙しか切らないとか、包丁を鑑賞するだけならば、
徹底的に磨いても問題ありませんが・・・ |
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2010年08月14日
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