|
包丁を研いでいると、切れ味はカエリの取り方に大きく関係が有ると感じました そこで今回は、砥いだ後のカエリの状態とカエリの取り方で、 刃線の状態がどのように変わるのか調べてみました テストに使用した包丁は、カエリが判りやすいように、 正広の三得包丁(全鋼 C0.85)の柔らかいものを使用しました 最初に使用した砥石は「ベスター#1200」です 少し吸水時間が有りますが、刃当たりが良く砥ぎやすかったです 包丁が柔らかいせいか目詰まりが多かったですね ↓ベスターで砥いだ直後でカエリは取っていない状態の刃線(目視) 目視でもカエリが残っている事が判ります ↓次に刃線の100倍 かなりのノコギリ形状ですね この状態で研ぎを終了したら、直ぐに切れ止むのは言うまでも有りませんね では、このカエリを一般的な方法として知られている、 丸めた新聞紙を切る方法で取ってみたいと思います ↓新聞紙はこんな感じで丸めて20回ほど、包丁で擦るように切りました 新聞を切った後、刃線を触ってみるとザラザラした感触が無くなっていました お、カエリが取れたかな?? では、刃線を100倍で見るとどうでしょうか? ↓包丁の右側から刃線を撮影しました お?カエリが無くなっていますね〜 では、左側から刃線をみたらどうでしょうか? あれぇ?刃線を右から見たときはカエリが綺麗に除去できたと思ったのに、 実はカエリは取れずに、裏側(左側)に折れ曲がって張り付いていていたんですねぇ
刃線を触っても、ザラザラしないため綺麗にカエリを取れたように感じますが、 取れたのではなくて
さらに、念のためベスター#2000で研ぎ直して、上記のテストを行ってみました ↓ベスター#2000で砥いだ直後(目視) ↓研ぎ直後の刃線100倍 カエリがしっかり立っていますね〜 ↓新聞紙切りによるカエリ除去法実施後の刃線100倍 研ぎ直後のカエリの高さは低くなっていますが、 新聞紙に擦りつけても取れず、やはりカエリは裏側に折れ曲がって張り付いていました 上記の事から、新聞紙切りおよびコレに類似するカエリ除去法は、 無意味であると結論付けなければなりません ※類似する方法としては、まな板の角に擦りつけて取る方法など。タオル切りもあやしいですね じゃあ、どうすれば綺麗にカエリを取る事が出来るのでしょうか? 実は新聞紙切りよりもずっと簡単で、 切れ味も向上する方法が有ります それは、
ただし、僕の糸引きカエリ除去法は、(多分)一般的な方法とは少し違います 一番大きな違いは、使用する砥石の番手が違います 一般的には、#6000か#5000位の砥石を使用しますが、 僕は、#15000(極妙の場合)を使用しています 硝子であれば#16000です なにが違うかと言いますと、刃線へのダメージとノコギリ形状です 次の違いは、包丁の右側と左側の両方から糸引きを入れる事です 通常は、両刃でも右側へ1,2回入れて終了のはずです(この包丁を酔心さんが砥いだケース) これは、砥石が#5000前後と荒いので左右両方から糸引きを入れてしまうと 刃線が鈍角になりすぎて切れ味が落ちるからだと思います しかし僕の方法では、これを防ぐために超仕上砥の#15000以上を使用するため、 刃線を無駄に削りすぎず、両方から糸引きを入れる事が可能となっています また番手が高いため、右側も左側も2〜5回位ずつ糸引きを入れるのが特徴です では、早速ですが極妙#15000で糸引きによるカエリ除去の結果を100倍で見てみましょう 極妙を使用する直前の砥石はベスター#2000で、 もちろん、先のテスト後に再度砥ぎなおして、カエリを出し直した状態で極妙を使用しました ご覧の通り、刃線にはカエリは一切残っていません 糸引きの高さは10μm位です ※刃線が毛羽立っているように見えますが、 マイクロスコープのスケールが、刃線と重なっているためです 僕の糸引き除去法は、砥石さえあれば30秒で刃線全てのカエリを取ることが出来るため、 無駄な時間がかかりません また、刃線の数μmは#15000の研磨痕で有る為ノコギリが細かく、 #2000等で研ぎを終了した場合に比べて遥かに切れる刃線が生まれます カエリの除去に苦労している方、一度お試しあれ
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2010年08月21日
全1ページ
[1]
|
先日、本職の理容師の鋏を1丁研がせていただきました 砥いだ鋏は、「天洋GW」 お値段等の詳しい情報は、ググっても解りませんでした 現在この鋏は販売しておらず、新しいラインナップに置き換えられているようです 最新の天洋の鋏のラインナップを見る限り、2万〜3万円位の代物でしょうか? 刃線の状態を確認しました 刃線はつるつるします。かなり細かい砥石で研いであるのでしょうか? 切れ止んでいるのではなく、切れ味が少し落ちた位なので爪にはちゃんと掛かりますね 次に刃線を100倍で見てみました 画像が暗過ぎて解り辛いですね 刃先周辺は、金属疲労の電子顕微鏡写真を見ているような感じになっており、 細かいミクロの刃欠け?金属の剥離?がありました これは包丁の切れ止み方とは、ちょっと違う感じがします まぁ、とにかく包丁とは比べ物にならない位繊細な刃線って感じがします 綺麗なハマグリ刃と鏡面加工が素晴らしい! さて次は研ぐために分解です かなめ部分にベアリングや板バネを含む鋏もあるようですが、 この鋏はいたってシンプル!ネジ1本だけでした ネジも何回調整しているようで、ドライバーの傷がネジの頭にありました まず最初に、親指で扱う側の刃を砥ぎました それほど切れ止んでいるわけではないし、刃線が繊細だった事も有り、 「ナニワ純白#8000」から砥ぎ始めました 当たりはちょうどいい砥ぎ加減ですね 分解したため、包丁と砥ぎ方が変わらないため比較的簡単に研げました このあと、「シグマ#10000」で刃線を整え 「極妙#15000」で蛤部分の砥傷消しと裏押しで完了しました 次に、人差指で扱う側の刃を砥ぎました 先の刃と同様に「ナニワ純白#8000」から砥ぎ始めたのですが、 さっきの刃とは全く違い、刃がすべるすべる 全く研げないため、「北山#8000」に変更したのですが、やはり滑る 次は、「G-1#8000」これもダメ 「嵐山#6000」→「極妙#6000」→「超セラ#5000」→ここまで番手落としても滑る! しょうがないので、「硝子#3000」まで番手を落としてようやく砥石に掛かるようになりました さすが「硝子#3000」頼りになります この刃はかなり滑ったのですが、「静刃」と「動刃」で焼き入れとか、鋼材が違うのでしょうか? 全く違う刃物の様に感じました 結局、#3000で荒らした後で有れば、高い番手でも掛かるようになったので、 最終的に、「超セラ#5000」→「北山#8000」→「シグマ#10000」→「極妙#15000」 で仕上ました 砥ぎあがったら組み付けです 最後に閉じ加減の調整です 鋏を開いた状態から、自然に鋏を閉じたときに刃先が1cm位閉じ切らない位が良いらしいです この後、嫁さんと子供の髪を少し試し切りしたのですが、 髪を切ることなど無い私には、この切れ味が妥当なのか判断できませんでした アゴ付近はテコの原理で無抵抗で切れますが、 ソリ付近では無抵抗とはいきませんでした でも、理容師の方はソリ付近を最も使用すると思うので、 この部分で無抵抗な切れ味でないと砥いだ事にならないのかもしれません 既にこの鋏は返却したため、本人が実際に使用した感想を待ちたいと思います
|
全1ページ
[1]


