酪農家のブログ

趣味は研ぎ。砥石や包丁(庖丁)の評価を記事にしています。もちろん牛の話もあります

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前回までの記事はコチラ


ようやく、柳刃(貞信)の研ぎも最後になりました
今回は、前回砥いだ厚い刃先を再度砥ぎなおししました
そんな訳で、作業は小刃の付け直しだけです

使用した砥石は、キングハイパー#1000、極妙#2000,#6000


外見は特に変わり無しです↓
イメージ 1
イメージ 2
2枚目の画像は、前回特に刃線の厚みが有った部分になります



反り付近の刃線の厚さ(拡大可能)↓
イメージ 3
イメージ 4
前回は6〜10μmと、とんでもない厚さでしたが、
今回は常識的な厚さ(約0.9μm)になりましたw



切れ味↓
イメージ 5
イメージ 6
A4用紙も峰まで切れ込み、髪の毛(直径約80μm:成人女性サイズ)もなんとか切れました

この包丁、鋼のスペックは結構良いと思います
しかし、残念なことに反り歪みが酷いため、本領発揮出来ておらず本当に残念です


これで、ようやくこの包丁ともお別れですね



おまけ画像:研ぐ前の状態↓
中央の柳刃が今回の「貞信」です
イメージ 7
イメージ 8
今回は、柳刃(貞信)の刃角を計ってみました
前回の記事はコチラ



刃角の計り方ですが、直角三角形の2辺の長さを計測して求める方法(逆三角関数)を使用しました
↓の図は切刃の断面だと考えてください
イメージ 1
頂点Mが鎬、頂点Lが刃先、頂点Nが鎬と裏を直角で結ぶ点
辺aが切刃、辺cが裏、辺bが鎬位置のブレードの厚み
∠Xが刃角


貞信の切刃の角度を求めるために、辺aと辺bをノギスで計測しました
辺aは↓の様に計りました
イメージ 2


辺bは↓の様に計りました
イメージ 3
裏梳きが有るので直接ノギスで計測すると間違った値になりそうなので
ブレードを直接挟まずに金盤ごと計り、
後で金盤の厚さを差し引く事で厚みを求めました


以上の方法で辺aと辺bについて、切刃の4か所を計測しました

アゴから3cm付近 a=11.95mm b=3.15mm
刃渡りの中心付近 a=11.10mm b=2.55mm
ソリ付近 a=10.7mm b=2.35mm
切っ先付近 a=19.2mm b=2.2mm
となりました

では、それぞれの位置の刃角(※1)を計算してみます
※1:直刃と仮定した場合の刃角になります

計算式は、
∠X=(180 / π) * arcsin(b / a)

Excelマクロで求めるならば
∠X=degrees(Asin(b / a))

↓が計算した刃角(∠X)です

アゴから3cm付近:約15.28度
刃渡りの中心付近:約13.28度
ソリ付近:約12.68度
切っ先付近:約6.57度





ついでに、刃渡り中央付近の小刃の刃角も計算してみました
小刃の鎬部分の厚さ(辺b)はノギスで計りました
切っ先から直角までの距離(辺c)はマイクロスコープで計りました
辺c=210μm、辺b=200μm

計算式は、
∠X=(180 / π) * arctan(b / c)

Excelマクロで求めるならば
∠X=degrees(Atan(b / c))

小刃の角度:43.60度


しかし小刃の切れ味が悪く、
ソリからアゴへ3cm移動した部分の刃線厚を観察してみたらすごい厚さでした

ここまで厚い刃線も、なかなかお目にかかれないので写真を撮ってみました



1枚目は刃線厚が約6μm↓
イメージ 1
柳刃としては有り得ないほどの厚さですが、
問題なく、爪とストローに掛かります
この厚さは、一般的な出刃包丁のアゴと同じ位ですね




2枚目は刃線厚が約10μm↓
イメージ 2
いや〜、厚い、、、厚すぎる(>_< )
これでも爪にかかります
ストローにもギリギリ掛かりますので、ストローで刃線の鋭さを計る場合の限界点でしょう





下の画像はこの柳刃の物では無いですが、普通に砥いだ場合の刃線厚(約0.9μm)↓
イメージ 3
先の2枚の刃線がいかに厚いかが判りますね

久々に柳刃(貞信)の作業を行いました
前回の記事はコチラ


今回は、切刃を綺麗にして小刃を付けました
小刃付けは、キングハイパー#1000、硝子#3000、極妙#6000



まずは全体像から↓
イメージ 1



切刃はこんな感じ↓
イメージ 2
イメージ 3
イメージ 5
切刃は、グラインダーによる凹みが激しい個所が有り、
砥石で研ぐと、砥面に当たる部分と当たらない部分で霞み方が滅茶苦茶になり、
見た目がかなり汚くなりそうなので止めました
変わりに、紙ヤスリ#2000で磨きました



裏はこんな感じ↓
イメージ 6
イメージ 7
イメージ 8
最初は手で梳いていましたが、ベタ状態から手梳きは無理があったので、
結局、グラインダーのお世話になりました
前回梳いた柳刃(藤原)よりは上手くなりました



そして歪み↓
イメージ 9
前回、一生懸命歪みを取りましたが、
1週間経つと何事も無かったように元に戻っていました・・・Orz
結局、裏の当たり方が滅茶苦茶になっちゃいました





イメージ 4
今回、小刃付けも行ったのですが、とにかく良い刃が付きません
裏の当たらない部分が特にひどく、諸刃で砥ぎ直したところもあります

あまりにも切れ味が悪いので、その部分の刃線厚を計ったら、
最も酷い部分で10μm、次に悪い部分が6μmもありました・・・Orz
でも厚さが10μmあっても、爪には掛かりました
ストローもギリギリ掛かります

そんなわけで、ストローに掛かり始める刃線厚は10μmからってことになります
爪で確認する方法は、以前チタン包丁で20μmでもなんとか掛かっていたので、
やっぱり確認方法としてはヌルイですね

霞あれこれ

今回は、4丁の刃物を天然砥石(新大上)で研いで霞を高倍率で観察してみました
また、硝子#8000で砥いだ比較画像も付けました
画像内の倍率は、1段階目が300倍2段階目が約1000倍(PC上でデジタル画像を拡大)です
※全ての画像は拡大可能


柳刃(貞信)を新大上で霞ませた↓
イメージ 1
地と鋼は、紙ヤスリで刃線に平行に磨いた後、砥石で「峰、刃先方向」に砥ぎましたので、
右から左へ流れている深い傷は紙ヤスリ痕です
砥面を感じながら比較的強めに砥ぎました
地の部分は天然らしい砂模様、鋼部分はあまり霞まず砂模様と言うより線状痕ですね




次の画像も柳刃(貞信)↓
イメージ 2
この包丁、歪み、反り、グラインダーの深い凹み(僕が削ったわけでは無い)で、
砥石が全く当たらない個所が数か所あります
その一つが、画像中の左上の写真の黄色で囲んである霞んでいない部分(※1)です
紙ヤスリ痕が綺麗に残っています

実はこの写真、天然砥石が切刃に与える影響を腐食説とする考え方に、
疑問(否定)を投げかける事実です

※1とその周りの部分は、当然同時に新大上で研いだのですが、
同じ地なのに霞む部分と霞まない部分に分かれました
※1の部分は、砥面には絶対に接することが出来ずに、常に砥泥の上を上滑りする状態でありました
当然、研ぎ時間、砥泥の濃度等は霞む部分と同じです
腐食作用で高速に霞むのならば、周りの霞同様に※1部分も霞まなければなりません
しかし、霞んでいませんね
この事実は、腐食作用を否定しています



次は、天水刀の切刃を新大上で軽く砥ぎました↓
イメージ 3
研ぎ時間が少ないせいか、霞み方が甘いですね



次は、マサヒロ三徳包丁の霞↓
イメージ 4
三徳なので切刃の幅が狭く、霞む部分も狭いです
ちなみに、柳刃(貞信)より霞むスピードは速いです



同じく、マサヒロ三徳を新大上(上)、硝子#8000(下)で研ぎ後の刃線厚↓
刃線厚の撮影はピントを合わせるのが難しく、いまいちボケています
イメージ 5
新大上だけ手を抜いたわけではなく、どちらの砥石も同じように刃を付けるつもり砥ぎました
左の2枚の写真は切刃を上から300倍で見ています
右の2枚は、刃線→峰方向に観察しています、つまり刃線厚を300倍で見ています
刃線厚は、新大上が約1.6μm、硝子が約1μm
この包丁は研ぎ慣れている事もあって、硝子砥石の作業時間は約5分、新大上は約15分
切れ味ですが、硝子のほうが若干良いかな?って感じです



次は、酔心「椛」を新大上と硝子で研いでいます↓
イメージ 6
ちょっと判り難いかもしれませんが、右上の画像だけ硝子で小刃を砥いだ後の刃線300倍
他はすべて新大上になります
地は綺麗に砂模様です
鋼はあまり砂模様っぽくないですね
切刃300倍(右2枚)ですが、新大上は反射光が少なく鈍い色、
硝子研ぎ後は、光が良く反射して光っていますね

刃線厚の画像は全てピンボケだったのでボツにしました
そんな訳で文章だけになりますが、新大上も硝子も約0.9μm前後でした
諸刃と違って片刃の包丁なので、裏押しの加減で刃線厚は比較的簡単に薄くなりますね

以前、天然と人造で砥いだ後の切れ味について質問を受けた事が有りますが、
1μm前後だと差が良く解らないですね
天然の方が切れ味が上とかは別に感じませんね・・・
本職の様に1日に大量に捌くような事をしないと実感できないかも・・・

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