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今回は、切刃を綺麗にして小刃を付けました 小刃付けは、キングハイパー#1000、硝子#3000、極妙#6000 まずは全体像から↓ 切刃はこんな感じ↓ 切刃は、グラインダーによる凹みが激しい個所が有り、 砥石で研ぐと、砥面に当たる部分と当たらない部分で霞み方が滅茶苦茶になり、 見た目がかなり汚くなりそうなので止めました 変わりに、紙ヤスリ#2000で磨きました 裏はこんな感じ↓ 最初は手で梳いていましたが、ベタ状態から手梳きは無理があったので、 結局、グラインダーのお世話になりました 前回梳いた柳刃(藤原)よりは上手くなりました そして歪み↓ 前回、一生懸命歪みを取りましたが、 1週間経つと何事も無かったように元に戻っていました・・・Orz 結局、裏の当たり方が滅茶苦茶になっちゃいました 今回、小刃付けも行ったのですが、とにかく良い刃が付きません 裏の当たらない部分が特にひどく、諸刃で砥ぎ直したところもあります あまりにも切れ味が悪いので、その部分の刃線厚を計ったら、 最も酷い部分で10μm、次に悪い部分が6μmもありました・・・Orz でも厚さが10μmあっても、爪には掛かりました ストローもギリギリ掛かります そんなわけで、ストローに掛かり始める刃線厚は10μmからってことになります 爪で確認する方法は、以前チタン包丁で20μmでもなんとか掛かっていたので、 やっぱり確認方法としてはヌルイですね |
包丁研ぎ
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人造砥石を極めたいです
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今回は、4丁の刃物を天然砥石(新大上)で研いで霞を高倍率で観察してみました また、硝子#8000で砥いだ比較画像も付けました 画像内の倍率は、1段階目が300倍2段階目が約1000倍(PC上でデジタル画像を拡大)です ※全ての画像は拡大可能 柳刃(貞信)を新大上で霞ませた↓ 地と鋼は、紙ヤスリで刃線に平行に磨いた後、砥石で「峰、刃先方向」に砥ぎましたので、 右から左へ流れている深い傷は紙ヤスリ痕です 砥面を感じながら比較的強めに砥ぎました 地の部分は天然らしい砂模様、鋼部分はあまり霞まず砂模様と言うより線状痕ですね 次の画像も柳刃(貞信)↓ この包丁、歪み、反り、グラインダーの深い凹み(僕が削ったわけでは無い)で、 砥石が全く当たらない個所が数か所あります その一つが、画像中の左上の写真の黄色で囲んである霞んでいない部分(※1)です 紙ヤスリ痕が綺麗に残っています 実はこの写真、天然砥石が切刃に与える影響を腐食説とする考え方に、 疑問(否定)を投げかける事実です ※1とその周りの部分は、当然同時に新大上で研いだのですが、 同じ地なのに霞む部分と霞まない部分に分かれました ※1の部分は、砥面には絶対に接することが出来ずに、常に砥泥の上を上滑りする状態でありました 当然、研ぎ時間、砥泥の濃度等は霞む部分と同じです 腐食作用で高速に霞むのならば、周りの霞同様に※1部分も霞まなければなりません しかし、霞んでいませんね この事実は、腐食作用を否定しています 次は、天水刀の切刃を新大上で軽く砥ぎました↓ 研ぎ時間が少ないせいか、霞み方が甘いですね 次は、マサヒロ三徳包丁の霞↓ 三徳なので切刃の幅が狭く、霞む部分も狭いです ちなみに、柳刃(貞信)より霞むスピードは速いです 同じく、マサヒロ三徳を新大上(上)、硝子#8000(下)で研ぎ後の刃線厚↓ 刃線厚の撮影はピントを合わせるのが難しく、いまいちボケています 新大上だけ手を抜いたわけではなく、どちらの砥石も同じように刃を付けるつもり砥ぎました 左の2枚の写真は切刃を上から300倍で見ています 右の2枚は、刃線→峰方向に観察しています、つまり刃線厚を300倍で見ています 刃線厚は、新大上が約1.6μm、硝子が約1μm この包丁は研ぎ慣れている事もあって、硝子砥石の作業時間は約5分、新大上は約15分 切れ味ですが、硝子のほうが若干良いかな?って感じです 次は、酔心「椛」を新大上と硝子で研いでいます↓ ちょっと判り難いかもしれませんが、右上の画像だけ硝子で小刃を砥いだ後の刃線300倍 他はすべて新大上になります 地は綺麗に砂模様です 鋼はあまり砂模様っぽくないですね 切刃300倍(右2枚)ですが、新大上は反射光が少なく鈍い色、 硝子研ぎ後は、光が良く反射して光っていますね 刃線厚の画像は全てピンボケだったのでボツにしました そんな訳で文章だけになりますが、新大上も硝子も約0.9μm前後でした 諸刃と違って片刃の包丁なので、裏押しの加減で刃線厚は比較的簡単に薄くなりますね 以前、天然と人造で砥いだ後の切れ味について質問を受けた事が有りますが、
1μm前後だと差が良く解らないですね 天然の方が切れ味が上とかは別に感じませんね・・・ 本職の様に1日に大量に捌くような事をしないと実感できないかも・・・ |
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今回の記事は僕の覚え書きです |
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包丁を研ぐときに、よく「力を抜いて研ぐ」とか「転がすように研ぐ」等の表現が、 刃物研ぎのブログや掲示板で良く見かけます しかし記事だけで判断する読み手側としては、こう思った方も多いと思います
そんな訳で、今回の内容は「刃先に伝わる力加減を、客観的に計る」です 用意するのはアナログの秤↓ 上に乗っている板は、秤の皿の形状次第では不要です デジタル秤は、数値が読み取れないと思いますのでアナログ式が良いかと・・・ では、僕が三徳を「最終小刃付け仕上研ぎ」をする場合を計ってみましょう まず、砥石上では↓のように小刃付けをしているとします 出来れば実際にストロークして、その時の力加減を記憶しておいてください 次に、秤の上で砥石と同じ動作を行ってください↓ ※砥石の上と刃の角度が違うというツッコミは無しでお願いします 撮影のためにそのあたりは適当です 秤の皿の高さは、出来れば普段研ぐときの高さが良いかと思います そして秤の上でストロークすると、針が揺れ始めます このときの平均値をがんばって読み取ってみてください この平均値を、「最終刃付け時の刃先に伝える圧力(以下、圧力)」と定義します そして、僕が写真の三徳を最終小刃付けするときの圧力は、約30gと読み取れました ちなみに天水刀の場合は約20gと読み取れました さて、僕はみなさんと比べて、軽く砥いでいるのでしょうか?重いのでしょうか? あ、そうそう、 この方法は、最終研ぎ時でも高速ストロークする方、 かなりの力を入れて研ぐ方は、計れないと思います 補足ですが、 三徳を30gほどで研ぐと、刃線厚は概ね0.8〜1.2μm ※鋼材や刃角によって多少違いが発生します 天水刀は、20gほどで研ぐと0.8〜1.0μm前後な感じです
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最近、のぶさんのブログの記事で、 天然砥石の研磨痕についていろいろな意見が交わされました 話の経緯はのぶさんの記事をコメントまで見てください ↑のぶさん、無許可でリンクしてしまいましたので、気になるようならリンク等を外しますので、 コメントください こちらの記事で僕が気になったのは、 1.天然で砥いだ後の霞は、「遊離砥粒説」によるよる説 これは、天然砥粒が砥ぎ進められるにつれて粒度が小さくなり(以下、粉砕砥粒)、 この小さな粒が霞模様を発生させているとのこと 2.実際に天然の砥汁水溶液を製造して、包丁を浸けておいても切刃が霞まなかった →よって霞は、天然成分による腐食効果ではなく、粉砕砥粒の研削作用の方が大きい感じがするとのコメント(あるけすさん、こんな感じですかね?) そして、僕の見解ですが、 上記の1に対しては、 砥粒が小さい事が霞の原因ならば、僕の所持している人造砥石(30種以上)の中に、粉砕砥粒と同じ大きさの粒度の砥石も有るはずである 例えば、「超仕上砥の極妙」 しかし、霞まないのはご存じの通り では、市販されている各種研磨パウダーを一定の割合で配合して (例:5μm(25%)、2μm(25%)、 1μm(25%)、0.5μm(25%))疑似的に、天然砥汁を再現して、 この混合砥汁を金盤の上に乗せて研ぐ →実験していませんが、多分霞まないでしょう 2.「天然砥石に腐食作用が有るなら、砥汁に浸けっ放しで腐食するはずである」ですが、 僕の腐食説は3つの条件が必要と考えています 1.酸化触媒(天然砥石ですと硫酸等の火山性の成分) 2.酸素(大気中には豊富に有る) 3.運動エネルギー(化学反応を加速させるためのエネルギー。平たく言うと、腐食作用を起こさせる分子と分子(あるいは原子)の出会う機会(スピード)を増やすため) そして、天然砥汁に浸けっ放しは、2と3が足りないため霞まなかったと考えます 人造砥石で霞まないのは、1が足りないと推測します では実験です まず、上記2番の「天然砥汁に浸けっ放し」に酸素と運動エネルギーを供給して、 予想通り腐食するかテストします 使用した包丁(貞信)↓ 紙ヤスリ#600で平と切刃を全て磨いて有ります 酸素と運動エネルギーを与えるための道具として、熱帯魚用のブクブク発生装置(ポンプ)↓ 新大上の砥汁↓ #150ダイヤ砥で削って砥汁水溶液を作りました(pH5:酸性) ポンプと砥汁水溶液をセット↓ 柳刃をセットし、ブクブク開始↓ 刃渡りの4割位が水溶液に浸かっている状態にしてあります 1時間30分後↓ 鋼が腐食しています 僕の予想では地金も腐食すると思っていましたが、 水溶液が薄いのか、運動エネルギーが足りないのか、まだ腐食していない感じでした 腐食部分100倍↓ 腐食作用が強すぎて穿孔しています 黒錆になるかと思いましたが、緑の錆ですね もっと反応速度を上げないと期待した結果にはならない感じです 矢印の白色部分が特に黒錆と思われる腐食模様(砂模様) 平部分の100倍↓ 僅かに、腐食されている感じです 上記のテスト結果から、霞ませるには、腐食成分のほかに 酸素と運動エネルギーが必要で、 あるけすさんのテストではそれらが足りなかったと考えられます では、次に上記1の「粉砕砥粒じゃないと霞まないのでは?」に対するテスト 容器に酢酸(米酢)を入れて、酢酸水溶液を作ります 以前、酢酸を切刃に塗って腐食をテストした事が有りましたが、 あまり反応が良くなかった覚えが有りますが、 手元に、都合のよい腐食材料がなかったので酢酸を再度使いました pHは3〜3.5位? そして、ブクブクブク・・・っと↓ 1時間30分後↓ 鋼は見事な黒錆、切刃、平共に一様に霞みました 右端の水溶液に浸かっていない部分と比べてみてください 霞んでいるのがハッキリしています 黒錆100倍↓ 綺麗な砂模様です テスト前の切刃100倍画像と比べてください 明らかに変化しています 平100倍↓ 平も綺麗な砂模様です このテストでは、砥石は一切使っていません つまり、粉砕砥粒で腐食痕が形成される訳ではないと考えられる 腐食作用は、紙ヤスリの砥傷を覆っていく感じなので、 粉砕砥粒は人造砥石同様に直線的な研削傷を切刃に残しているが、 腐食作用の方が速く、見えなくなっているだけでは? と言うのが天然砥石の粉砕砥粒が切刃に与える影響の推測です つまり、粉砕砥粒は人造の砥粒同様の物理的作用を切刃に与えていると考えています 鋼が硬くなるのは、腐食によって鉄(Fe、モース硬度4〜5)が、
黒錆化(FeO.Fe2O3、モース硬度6)するので、 鋼を構成する成分の「鉄」が「酸化鉄」に変化すれば 必然的に鋼の硬度が上がるためと考えます |



