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この会、てっきり夜の開催と決めつけて、黒門亭の一部に入ってしまった。そして、入場して会場で座ってから、
『18時開演だったか?』と思いながら、甚語楼師匠のホームページから開演時間を確認すると…
13時半
ビックリして朝練講談会に参加したばかりの日本橋亭へと引き返す。喩えるならば、毛利を攻めていて信長の死を知った秀吉の気分である。
新宿で用事を済ませて、神田から歩いて日本橋亭に行くと、開場の13時ちょうどくらいに着いて、とりあえず特等席は確保しる。
ちなみに、30人くらい並んでいて、結果百人近い満員御礼状態でした。良かったと胸を撫で下ろした「柳家甚語楼独演会」!!
このような演目でした。
・出来心…市若
・高砂や…甚語楼
・居酒屋…ほたる
・茶金…甚語楼
お仲入り
・笠碁…甚語楼
1.出来心/市若
フラが大好きな市若さん。『出来心』は何回も聴いていますが、親分にダメ出しされる間抜けな泥棒が非常に似合います。
2.高砂や/甚語楼
日本橋亭の空調設定を、お客さんに満足して頂ける設定にするのは難しい!!と言う甚語楼さん。
確かにそうです。空調の吹き出し口に近い、遠いで、かなり違うぞ!!と、私もよく感じます。
また、甚語楼師匠は、暑いってクレームは聞かないが、寒いとクレームになる。上着持って来い!!
と、力説しておりましたが、横浜にぎわい座は、寒いお客様対策に、貸出ストールを用意しています。
そんな話題から、甚語楼師匠、咄家なら多かれ少なかれ体験していると云って、熱烈ファンについて語りました。
たまに現れる熱烈ファン。まず、寄席、落語会、など首都圏の出番を追っ掛けて、週一くらい顔を見るようになる。
更に、楽屋見舞いをくれるようになり、出待ちして声を掛けてくれるようになる。更に、首都圏だけでなく、
北関東、名古屋、仙台くらいまでの落語会にも顔を出す。そして、半年から1年が過ぎると、遂に、
自分で落語会をやり呼ばれるか、地元の落語会イベントに招かれて出演するようになる。ところが!!
早いと2年、長くても3年ぐらいで、ピタッと姿を見なくなり、ひっそりとフェードアウトし消えてしまう。
そんな、甚語楼マニアとも呼ぶべきお客さんが、時々現れるそうです。尚、甚語楼師匠自身は、細く長いファンが良いそうです。
そんなマクラから、『高砂や』。甚語楼師匠の『高砂や』は、昨年の白酒・甚語楼の会で二月に聴いている。
若手から中堅の真打・二つ目で幅広く聴いているが、ベテランの師匠では、残念ながら最近は聴かない。
寄席でもできる尺の噺ではあるが、結構、あの豚の喘息のようなと例えられる謡曲「高砂や」が難しい。
3.居酒屋/ほたる
この会の受付助っ人によく選ばれるほたるさん。愛嬌もあり、お金持ちのボンボンには見えない。
そして、この日は、受付で千円札が多い方に合わないと云って甚語楼師匠を糠喜びさせていたが、
結局、人数と千円札の数が合ってしまって… めでたし!めでたし!だった。
さて、『居酒屋』。三代目金馬で有名なこの噺。結構、地味でねぇ、談笑さんの改作『イラッサリマケー』以外は、
殆ど聴かなくなったように思います。私は、実に十年ぶりの『居酒屋』でした。
4.茶金/甚語楼
マクラでは、ラーメンを殆ど食べないと云う甚語楼師匠。だからではないが、食通ぶってラーメンの蘊蓄などを、
自分のブログとかに熱く語って書く奴が苦手だと云う。ただ、苦手だと云いながら読むのは好きらしい(笑)
また、落語家だからか?長野や福島などに行くと、主催者/席亭に蕎麦屋に連れていかれ、味の感想を聞かれる。
そう言われても甚語楼師匠自身は、蕎麦っ食いではなく、流石に立ち食いと薮や松屋の差ぐらいは分かるけど、
別に高い銭を払ってまで、美味い蕎麦に執着したりはしないと云う。そんなマクラから『茶金』へ。
そうだ、この『茶金』の際の出囃子が、「三下がりかっこ」でした。米朝師匠を意識した演出なんだろうけど、
録音のCD出囃子なので、「三下がりかっこ」には違いないが、関東バージョン、文蔵の出囃子だった。
甚語楼師匠の『茶金』は、江戸から流れて来た油やが、まだまだ江戸っ子気質なのがいい。
服装まで、商人らしくこしらえたりせず、「ピラ、ごめんねぇ〜」と挨拶しながら茶道具屋へ入って行く。
また、『祇園祭』の時にも感じたが、関東の咄家が演じる京都人で、十分落語の上ならありな京都弁を使う甚語楼師匠です。
演出全体が、実に豊かな表現で場面転換するので、物語全体が立体的です。近衛殿下と天皇陛下が登場すると、
場面がパット雅になるのも、甚語楼師匠らしいと思いました。
5.笠碁/甚語楼
マクラでは、池袋演芸場で起きた事件について語る甚語楼師匠。昼席か?夜か?分からないんですが、
にゃんこ&金魚先生が高座に上がっていて、楽屋には、甚語楼師匠と天どん師匠の二人が居た。
そこへ、火災報知機の電子音が鳴り響き、「只今、六階で火災が発生しました!」と、ビル管理会社の防災無線の放送が流れた。
にゃんこ&金魚先生は、当然、漫才を止めて、客席に対して落ち着いて下さい、詳細を確認しますと叫んでいた。
一方、楽屋は、甚語楼師匠も天どん師匠も半信半疑だが、万一、火災報知機の誤動作ではなく本当に火事だったらどうしよう?
と、やや浮き足だって、声が裏返りなが、「とりあえず確認してきます!」と、にゃんこ&金魚先生には伝えながら、甚語楼師匠も天どん師匠も、
自分の荷物を全部抱えて地上に出て、ビルの警備員に詳細を確認。結局、報知機の誤動作だった。
甚語楼師匠曰く「自分も、天どんも平常心では居られなかったのに… 池袋のお客さんは偉い!!
誰ひとり騒がず、目を閉じたり、本を読んだり、スマホいじったりして、椅子に座ったまんま待機していた。」
そんなマクラから『笠碁』へ。実に我儘な上総屋と、頑固な美濃屋の対比が面白く、キャラクターが非常に立っているから、
いかにも云いそうな科白に聞こえます。特に、待った無しを云いだしたのは貴方ですよ、と美濃屋が言うと、
これに、上総屋は、「はて?私、そんな事云いましたか?」と言う。これに対して美濃屋が、「二人だけの空間なのに、
よくそんな嘘を貴方は言えますねぇ」と、呆れる下りが、実に可笑しくて、甚語楼師匠らしい演出です。
勿論、仲直りして上総屋の店先で碁を打ち出すまでの流れも、いいです。パンチが効いてますよね。
つい最近聞いた、三三師匠と比べても、いちいち、甚語楼師匠の方がパンチが効いてます。キャラが立っているからね。
次回は、来年の四月十三日です。
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不肖私、今を時めく師匠方の「笠碁」を何回か聴きましたが、笠碁の面白さが分かりませんでした。なかには顔芸で笑いを取ろうという噺家さんもいました。しかしです、甚語楼師匠の「笠碁」を聴きやっと面白さが分かりました。
後日、甚語楼師匠に直接「笠碁」についてお話を伺う機会がありました。今まで笠碁という噺がピンとこなかったんだけど、師匠のでやっとおかしさが分かったと言うと、師匠曰く「笠碁は小さんを聴けば良いよ。」早速DVDを見てみました。
小さんの旦那達は若い頃からの碁仇同士のかなりの年配、仕事は番頭に任せっきりという感じ。それに対し甚語楼師匠の旦那達は現役バリバリなんだけど碁になると仕事そっちのけという感じですね。
私にとっては、現役の噺家さんの中では甚語楼師匠の「笠碁」がピカイチです。
2018/10/18(木) 午後 8:35 [ ryo***** ]
> ryo*****さん
目白の師匠のも確かにいいですが、先代馬生のもいいですよ、笠碁。
2018/10/19(金) 午前 3:46 [ Mars_jj_boy ]