|
このシリーズも10回目。今回で暫く休みます。続きがあるのか?ですが、今回は最後に相応しく「政談モノ」をお届けします。
“政談”一番多いのは、間違いなく「大岡政談」です。まずは、落語になって定着しているものから思い付くものを上げてみます。
・大工調べ
・帯久
・三方一両損
・五貫裁き
・匙加減
・小間物屋政談
『大工調べ』お白州までやるのを殆ど私は聴いていない。生で聴いた中だと、小満ん師、市馬師、甚語楼師ぐらいかもしれない。
また、南町奉行所に与太郎が駆込み願いを出したとは言うが、「大岡越前である」みたいには名乗らなかったと思います。
市馬師匠は、テレビの時代劇でお馴染みのあのお奉行様とは言ったようにも思うけど、甚語楼師はそこまで言わなかったし、
小満ん師匠のお白州は、市馬、甚語楼とはかなり違って、お白州の部分にも笑いが結構あって面白い。
『三方一両損』は、“大岡越前”でないとサゲが付かないし、帯久も指を紙で巻いて封印する辺りが、如何にも大岡裁きです。
また、『五貫裁き』、『匙加減』、『小間物屋政談』は、如何にも講釈根多らしく大岡裁きらしい展開です。
『五貫裁き』は、六代目圓生は『一文惜しみ』で落語っぽくやりますが、談志師匠のは講釈っぽく、常廻りの役人やお裁きがかっこいい。
『匙加減』は、落語では私は扇辰師匠でしか聴いておりません。国立で根多卸しした時と、ノラやさんの二回聴いています。
また、講釈師では最近本当に聴いていない。琴調先生で、辛うじて2年前に聴いていますが、過去10年それだけでした。講釈師はあまりやらないのか?
『小間物屋政談』は、講釈の『万両婿』で、志の輔師匠と三三師匠がよくやるイメージです。
三三師匠は琴柳先生から仕入れて『万両婿』でやります。
大岡政談では、落語の尺で聴いた事はないけど、小咄程度のマクラで、本当の親を見付けるのに、名乗り出た母親二人に、
子供をまん中に置いて、綱引きみたいに引っ張りっこさせる噺がありますよね。時代劇「大岡越前」にも何度も登場したエピソード。
私は、これくらいしか思い出せませんでしたが、もっとあれば、ご指摘下さい。
次に、大岡越前以外の「政談モノ」を取り上げましょう。落語で定着しているのは、私の思い付く限りでは、こんなのが思い出されます。
・佐々木政談
・鹿政談
・唐茄子屋政談
・五人政談
『五人政談』以外は聴いた事があります。『唐茄子屋政談』は、これこそお裁きまで行かない噺の典型で、政談か?と思ってしまいます。
『鹿政談』は、本編の尺が短いので、日本中の名物を紹介するマクラで、語りの上手さが分かる噺で、意外と難しい噺だと思います。
そして、なんせ物語が面白いのは、『佐々木政談』ではないでしょうか?池田大助の幼い頃の賢さが、たまらない噺です。
あと、『白子屋政談』。これは『髪結新三』ですが、政談じゃないだろうと思って、あえて加えておりません。
最後に、講釈でしか聴かない政談モノで、大岡三政談と呼ばれている有名なお噺があります。
講釈師が言うので、全く嘘八百だと思うのですが、数多裁きを下した大岡越前守忠相は、罪を憎んで人を憎まず、だったが、
生涯に、憎いと思った罪人が、三人だけ居ると言うのです。それは、徳川天一坊、村井長庵、そして畦倉重四郎です。
この三人の悪党を主人公にした物語が、講釈、特に神田一門には、長編連続噺として、二代目山陽、当代松鯉、そして阿久里、鯉栄、松之丞と、
この大岡三政談が伝承されております。特に、江戸川乱歩も絶賛して釈場に通ったという『徳川天一坊』は素晴らしい。
魅力的な悪党が、沢山登場します。その中でも、山之内伊賀亮はカッコいい。「網代問答」を是非、芝居だけでなく講釈でも聴いて欲しい。
ちなみに、私が好きな大岡政談は、『越後伝吉』です。神田あおいさんが連続でやってらしたけど、私が好きな六代目伯龍のとは、かなりテーストが違いました。 難しいダレ場の多い噺ですが、どなたかやって欲しいです。ただ、私は伯龍先生のは、1話と4話しか聞いた事がありません。全6話全て聴きたいのだが、CDは廃盤だから中古しかないんですよね。 たまに、Amazonとかに出ると、二万円とか言う、とんでもない値段が付いています。 La Fin
|
全体表示
[ リスト ]



匙加減、歌奴師匠で聴きました。
琴調先生のでもよく当たります。
2018/11/9(金) 午前 6:24
> ピ吉(pikichi)さん
歌奴師匠もやりますかぁ、『匙加減』。業突く張りを裁く点は、『帯久』にもやや似ていて、大岡裁きらしく感じます。
遠山の金さんの政談モノを、現代の講釈師には、もっとやって欲しいと思います。あと、鬼平犯科帳も、池波正太郎先生に頭を下げて公認でやる講釈師が現れて欲しい。
そういう意味でも、白鳥師匠は偉いですよね、『落語の仮面』をやらせて下さい!と、美内すずえ先生に談判するんだから。若い咄家、講釈師も、見習って欲しい!
2018/11/9(金) 午前 8:10 [ Mars_jj_boy ]
Thanks for your hard work.
あたくしが涙と鼻水を垂らして懸命に自身のデータベースを調べたところ、ほかには
『城木屋』 『おかふい』 『骨違い』 『しゃっくり政談(次の御用日)』 『てれすこ』
あたりがヒットしました。
『唐茄子屋政談』で圓朝は「わたしは裁判の場面は苦手な物で、これにて読み切りといたします」と述べてました。
元は講釈だと思うのですが、そちらではお白州の場面があったのでしょうかね。
このシリーズ、新たな切り口での再開を希望いたします m(__)m
2018/11/9(金) 午前 8:19
> 立花家蛇足さん
言われてみると、アルアル!!と言う話をご指摘ありがとうござます。
相撲、芝居などが大人気になった八代将軍吉宗時代だったからこそ、大岡裁きは町民の人気になり、講釈として沢山こさえられたんでしょう。
このシリーズは、また、書きたいネタが溜まったら、不定期再開したいと思います。
2018/11/9(金) 午前 9:19 [ Mars_jj_boy ]