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当然、二階席まで当日券含めて超満員です。物語が後半にさしかかりお客様全体が「流れの豚次傳」に
慣れて来たというか、認知されてきた観があります。この先の展開、どうなるんだろう?!が増します。
さて、そんな「流れの豚次傳」は、いよいよ第七話「悲恋、カミナリ山」です。
1.表札/市楽
相変わらず笑いの薄いマクラでしたが、最近、何かを掴んだ感じがする観たかった市楽さんが開口一番。
この日の根多は、古典ではなく新作落語。しかも、芸術協会の会長だった先代今輔作品でした。
「私は隠れ芸協ファンだ!」と、公言している市馬師匠の影響なのか?(隠れと公言するのも…)
『表札』は、昭和高度成長期の匂いのする物語ですよね。そこを上手く出さないと価値が半減します。
市楽さん自身が昭和高度成長期を知らずに演じているので、うすっぺらく感じてしまいます。
前回の『粗忽の使者』が良かっただけに… 次回を期待して、どこかで早く聴きたい市楽さんです。
2.五貫裁き/三三
一緒に行った友人が、「また『五貫裁き』だ!?」と、言いました。実は10月の神奈川県南足柄市の三三独演会、
この『五貫裁き』がトリ根多だったそうで、1月くらいのインターバルで二回目だったとか。
さて、三三師匠の『五貫裁き』。恐ろしくリニューアルしていて驚きでした。
大家さん、徳力屋万右衛門とその番頭は、キャラクターがそんなに今までと違わないのですが、
八五郎が如何にもそそっかしく、落語らしいズボラなキャラに成っておりました。
そして、緊迫感のある地の語り。石井さんは講釈風と呼んでおられますが、それが無くなりましたね。
だから、全体が落語らしく、ゆるーい感じで笑いが素直に出る一席となりました。
この方が、十両の示談金を突き返す大家の科白も、かえって効果ありますよ。
3.悲恋、カミナリ山/三三
大阪の権蔵一家と、名古屋のブル松一家の両方から追われる身になった豚次。
このまま四国へ向かうと危ないと察知して、淀川沿いに京都方面へ逃げた。
アレですね、まるで阪急京都線の沿線を紹介するかのようなルートで逃げます。
そして、サントリーの聖地・山崎(秀吉と光秀も戦った)この草むらで力尽きて倒れる。
ひどい出血と打撲で、瀕死の豚次、こんな場所で野たれ死ぬのか?と薄れ行く意識の中で思う。
しかし、目が覚めると布団に包まれて寝ていた。(豚が布団か?と思いました)
「ここは?あの世か?夢の中? 痛い!!夢じゃない現実だ。」
理解できないまま、包帯だらけの体で起き上がる豚次。すると襖が開いて、誰か入って来る。
「豚次さん!目が覚めたのねぇ?!」
声の主は、なんと!ベルダイユ動物園で別れたアライグマのラスカルだった。
掛川のベルダイユ動物園で豚次の止血治療で一命を取り留めたオスカル。
豚次の役に立ちたいと思い、後を追って大阪へ。すると豚次は権蔵と決闘し、
勝負には勝ったものの、瀕死の重傷を負い、権蔵の子分から逃げていると知る。
必死で、淀川沿いを捜索し豚次を発見。縞のカッパに豚次を包み、京都へと逃げる。
このカッパで包む際に「ロールキャベツみたい!」の白鳥ギャグが入る。
京都に近付くと、子狐に誘導され南の山を越えて伏見稲荷へ。
そこにはお紺姫という1300年生きるという白狐の精霊が居た。
このお紺姫、近畿を制圧する権蔵と対立。姫は妖力の利く伏見稲荷の敷地から決して出ない。
伏見稲荷の敷地に、権蔵は何度か手下を攻め込ませたが、妖力で生身を裂かれて全滅だった。
そこで、権蔵、お紺姫の妖力が届かない伏見稲荷の外に住んでいる一般狐を「狐狩り」と称して襲った。
お紺姫は、実に悔しい思いだった。仲間の狐は助けてやりたい、でも、妖力無しでは権蔵に勝てない。
悩みに悩み、悶々としているところに、突然の吉報「権蔵が、流れの豚次に殺される」。
仇の敵は味方。
お紺姫は、豚次に安静にできる場所と薬・包帯を提供、オスカルが献身的に看護した結果。
七日七番昏睡状態の豚次が、七転び八起き、八日目の朝に目を覚ましたのである。
リハビリを兼ねて鋭気を養う豚次、その側を離れないオスカル。互いに惹かれあいついに結ばれて、
二人は、ここ伏見稲荷で夫婦約束をします。
この甘い豚次とオスカルのラブラブな場面、白鳥師匠ではありえないキメ細やかな三三演出でした。
そんな平和な時間は長く続くはずもなく、名古屋の野犬を束ねた猫のマリーが、
大阪の野犬を束ねている権蔵の妻・チワワのお菊に合流し、川に突き落とした牛太郎の毛を同封して、
豚次に決闘状を送りつける。「牛太郎は預った、解放して欲しくば“カミナリ山”へ一人で来い」と。
牛太郎が騙されて川に落とされたと知らない豚次は、オスカルに「三下り半」離縁してカミナリ山へ。
オスカル、豚次にすがるも、任侠に生きる豚次は聴き入れず振り切って行ってしまう。
何とか豚次を助けたい!!オスカルの乙女の願いに、お紺姫がその妖力で奇跡の提案をするのだが…
このお紺姫の提案が、実に、白鳥師匠らしいというか、オスカルに提示したお紺姫の条件、それは。。。
別の動物への変身と、雌♀から雄♂への性転換
この二つの条件を飲むならば、別の動物に身を変えて、新たに豚次の見方として近付く事ができる。
しかし、あの任侠道での男っぷりの豚次、この先、沢山の雌が言いよるのは目に見えている。
それを側に居て我慢しなくてはいけないオスカルなのであった。
そして、お紺姫の妖術で生まれ変わった動物が、なんと!モグラ。明るい場所では目も見えない。
あまりに戦闘能力が欠如した動物に生まれ変わったので、お紺姫から伏見稲荷に使わる妖刀を授かり、
その名も、「モグの市」として、カミナリ山の豚次に、謎の助っ人老人として接触する。
なかなか、座頭市ばりの活躍をみせます。
さて、タイトルは完全に次郎長傳の「血煙荒神山」を意識したタイトル。しかし、物語はちょっと違います。
カミナリ山は、十数年前にカミナリが落ちて、山頂付近が岩だけのはげ山の設定。逃げ場のない山頂へ、
マリーとお菊連合が、豚次をおびき出して殺そうとします。そこにモグの市になったオスカルが助に来るが、
多勢に無勢、千匹からの野良犬相手に、消耗していく豚次とモグの市。もうダメだと思ったその時、
伏見稲荷をお紺姫が出て、カミナリを野犬たちにあびせる術を使って、二人を助けるのです。
九死に一生で、カミナリ山から逃げた、豚次とモグの市、さてどうなるのか?!
次回は第八話「チャボ子、絶唱」です。
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2017年11月02日
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