Marsのブログ

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女性を演じるという事

落語や講釈で、女性を演じるという事は、男を演じるより難しい。これは演じ手が男でも女でも同じようである。
一口に「女性を演じる」と、言っても、まず、女性の年齢によって、大まかな(基本的な?)演じ分けが要求される。
10歳前後の少女、そして16〜18歳の妙齢・うら若い女性、更に年増、大年増、老女と演じ分ける。
この中で、演者に聞くと90%近い人が口を揃えて言うのは、妙齢・うら若い女性である。
特徴として微妙な存在です。少女と年増の間(はざま)でありながら、どちらにも似ていないと言うのが厄介なのだ。
つまり、極めて一般的に演じる事ができない存在なので、多くの演者は、その存在を俯瞰で捉えるよりも、
キャラクターとして主観と客観を織り交ぜて、演じている。例えば、『おせつ徳三郎』のおせつや、
『お花半七(宮戸川)』のお花などを演じる場合がそれに当たるように思います。

「おせつ」は、大店の一人娘でわがままに育ち、この年代の女性にありがちな自由奔放な少女である。
一方、「お花」は、船宿の娘で母親が継母である。ややおてんばではあるが、当時の平均的な商家の娘だ。
同じ様に幼い頃から旧知の男に恋する乙女だが、既に相思相愛の「おせつ」と、片思いの「お花」ではかなり異なる。
そして、『おせつ徳三郎』は「おせつ」が妙齢のまま噺が決着するが、『宮戸川』は年増になった「お花」も演じられる。
正確には演じられる場合もある。(『お花半七』で切って、終わる方が多い)

どうしても妙齢女子は、色恋の物語に登場するので、それなりに色っぽく演じる事を求められる。
しかし、年増の魅せる妖艶な色気ではなく、爽やかに見える色香でそれを表現するのは難しい。
そして、演者自身がそれを「恥ずかしい」と思うと、客に伝染するようなマイナス効果が生じてしまう。
で、ここからは私の個人的な見解なのですが、年増の色香というのは、芝居の女形を見て真似るとそれなりできます。
特に、首のかしげ、腰の砕き方、そして手・指の使い方。これに目を上手く同期させる技を覚えると、
必要最小限の動作で、年増の女には見えるものだと思います。この技の天才が六代目圓生だと思います。


一方、女性を演じる場合、その特異な性格を描く事を求められる噺もあります。
よくあるのが悪女。同じくらいあるあるがお人よしな女。そして希に貞女・孝女。
これらの性格を十分客席に自然に伝えられるか?これは演者のと性格・好みにも大きく左右されるようです。

例えば、『文七元結』の佐野槌の女将などは、そのニンというか人物像と言うか性格を含めて演じる必要がある。
これに対して『芝濱』の勝公の女房。こちらに人格のようなものを強く付加したのは談志師匠からか?
少なくとも志ん朝師匠の『芝濱』、三代目三木助の『芝濱』では、ぼんやりした存在です。
あと落語では『厩火事』のお崎さん。この人物も落語の世界らしい女性で、実に個性的だと思います。
これらとは対照的に、『妲妃のお百』の小さんや、『青龍刀権次』に登場する爆裂お玉などは、
実に悪女としての個性が色濃く出ていて、爆裂お玉は間違いなく「峰不二子」のモデルですよね。
最後に、悲しい運命を感じる女。これも演者の腕の見せ所ですね。『吉原百人斬り』のお紺とかね。
あとは『江島屋騒動』のお里とその母親も、なかなか個性的な悲劇のヒロインだと思います。

こいうのを、臭くなく芝居とはまた一味異なる、落語や講釈として演じれる腕、技、才能。
これが咄家には、求められるのですが、なかなか背筋がゾクゾクするような女を演じられる者に、
そうそう出逢うものではないようで、ございます。

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