|
・白鳥ジャパン
同じ題名の会を、池袋の東京芸術劇場でも開催している白鳥師匠。横浜も夢空間さんの仕切りで開催されています。 私は、横浜は初めての参加で、池袋も2008年11月の開催に行ったっきり参加していません。この2008年が1回目かも? では、なぜ今回「白鳥ジャパン」に参加したか? それは今回が西条秀樹追悼の独演会であり、『札所の霊験』が、 正確には『普段の正拳』ですが、これが根多出しされていたからです。 白鳥師匠のこの『札所の霊験/普段の正拳』は、圓朝作品を何かやろうと、当初は『牡丹灯籠』をやるつもりだったのが、 圓朝全集の近くのページに『札所の霊験』があり、主人公の出身地が越後・高田藩。この設定に白鳥師匠、 自分と同郷(白鳥師匠は越後高田出身)である、この主人公が、田舎者であるが故に陥る境遇にいたく感動し、 更に圓朝師匠が、なぜ、日本国中に田舎者は数多居るはずなのに、豪雪地帯で有名な越後高田を選んだのか? そんな興味に惹かれて、まずは、2008年、私が行った池袋での「白鳥ジャパン」で、この根多卸しをやられたのです。 で、この時のゲストが立川談春師匠。かなりチケットが取れない傾向にはありましたが、談春さん、一般的知名度は低かった。 それでも、談春が『札所の霊験』をまたやる!と言うので、紀伊國屋で見られなかった人も、見た人も集まりまして… 800人収容の、当時は中ホール、現在はプレスホールと呼んでいるあそこが、超満員になりました。 そして、大きくは設定もストーリーも変わってないけど、当時は、別に、西条秀樹テーストは一切入っておりませんでした。 ・札所の霊験 白鳥師匠は、最初、『札所の霊験』をヒントに作ったこの噺を、『札所の霊験のような噺』=なんちゃって『札所の霊験』。 みたいな感じで呼んでおりました。そして、暫く掛ける場面に恵まれず、この根多自身は蔵に仕舞われた状態になります。 それが、2012年、馬桜師匠が開催されている「圓朝座」という実にマニアックな会にゲスト出演し、根多卸しの池袋同様に、 二回に分けて、『札所の霊験/普段の正拳』上・下として演じました。 一方、私は2008年に白鳥師匠と談春師匠の『札所の霊験』を聴いていますが、この噺を2011年に人形町の会で三三師匠でも聴いています。 三三師匠の『札所の霊験』は、勿論、仇打ちまでは行かない、ほぼ六代目圓生が残している音源と同じ辺りまでで、 結構、いい感じに物語は展開されたし、観たお客さんの反応も良かったのに、これ以来、余所ではやってませんよね?不思議です。 ・西条秀樹との共演 2015年に、白鳥師匠は三三師匠と一緒に、西条秀樹氏との共演を果たします。場所は恵比寿ガーデンルーム。 まーくまさこ氏がプロデュースする落語会、YEBISU亭でした。この時の共演を前に、何を掛けるか悩み、 『普段の正拳』が、秀樹さんの「激しい恋」に似ていると感じ、これを選んだと云っておられて、 そのエンディングで「激しい恋」が流されました。秀樹さんにも大変喜んで頂けて、『普段の正拳』は大成功だったと思います。 ・第三回白鳥ジャパン 私はちょうど五月のGW前に、この開催を知りました。そして、どんなコンセプトで根多選びしようか?と白鳥師匠が悩んでおられて、 自身のHPで、根多のリクエストをされておりました。そんな最中、西条秀樹さんの訃報を知り、これは追悼の独演会にするしかない!! あのYEBISU亭の感動をもう一度!!と、思って、私は『普段の正拳』をすぐにリクエストしました。 すると、この意見が多かったからか?『普段の正拳』を、白鳥師匠が掛けると宣言して下さいました。 そんな経緯で開催された、第三回白鳥ジャパン「秀樹さんありがとう!独演会」、こんな内容でした。 ・普段の正拳 お仲入り ・隅田川母子 1.普段の正拳 「西条秀樹さんありがとう!」と、銘打った独演会なだけあり、秀樹ファンが結構来場されていました。 先に私が書いたような、なぜ今回の会が「秀樹さんありがとう!」と冠を付けたの説明と、『普段の正拳』の大元、 三遊亭圓朝作の『札所の霊験』という噺の説明にも踏み込む白鳥師匠。鈴本で10日間トリを取った直後なだけに、 本当に疲れている様子が最初は、見え隠れしました。実際に、語り出しは噛み噛みで、大丈夫か?と思いましたが、 流石、プロです。徐々にペースを掴んで、マクラの説明を足すと一時間十五分を超える大熱演でしたが、 最初の頃にやっていたように、この噺を上・下で切るよりも、通しの方がリズムが良く、聴いている方はスーッと物語が入ります。 そして、今回は特別演出で、主人公:権俵為蔵の科白に、秀樹さんの歌の歌詞を「これでもか?!」というぐらい入れて来た演出なんです。 『情熱の嵐』『ちぎれた愛』『激しい恋』『傷だらけのローラ』『ジャガー』『ブーメランストリート』『ブーツを履いて朝食を』『YMCA』私が確認できたのは、この九曲でした。 物語は、白鳥師匠が日大芸術学部在学中の江古田が舞台です。田舎から映画メイクの技術を学ぶ為に新潟県上越市からやって来た権俵為蔵が主人公。 メルヘン文学倶楽部の同級生、小柱美希に惚れてしまう為蔵、しかし、美希は魔性の女、為蔵は、全く相手にされないのだか、惚れた弱みで美希に金銭を貢ぎます。 そして、『札所の霊験』同様に、美希には真夫が居て、為蔵から巻き上げた金銭を、真夫の龍之介に貢いでいたのでした。 これ以上書くと、根多バレしそうなので、白鳥師匠の素晴らしい演出の部分だけを紹介すると、魔性の女・小柱美希が、男を変える度に、心が真っ直ぐになり、最後は為蔵の愛を受け入れる様になります。 この女心の移り行く様が、耽美で情緒的な文学ではなく、白鳥師匠と西城秀樹さんのコラボレーションで描かれていました。 2.隅田川母子 一時間十五分を超える長講の後だったので、かなり疲れた様子でしたが、悲劇的な人情噺の後だけに、笑いを届けて終わりたい一心で、二席目には、皇室根多!!『隅田川母子』でした。 数えたら、私は二年ぶり六回目の『隅田川母子』でした。この噺は、愛子様が、既に中学生になると、なかなか厳しいのストリートですが、 愛子様が小学生の時には、運動会の練習でランニングだった設定が、ダイエットの為のランニングに… しかし、この設定自身が今後は厳しくなりそうですが、白鳥師匠が愛子様をどう料理なさるか?!それも見ものです。 さて、この日は、西城秀樹さんのファンが半数近く入っていましたが、上手く白鳥師匠が演じました。分かり易いギャグとゆっくりしたテンポで、大爆笑のうちに終わりました。 最後に、白鳥師匠、『普段の正拳』を、秀樹作品に寄せて演じるのは、これが最後になるかも?と、言っておられました。 でも、西城秀樹ファンが、一年に一度の追悼で聴きたいと言うのなら、考えてもいいそうです。 |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2018年09月26日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]



