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今年はプークの興行が終わると、成人の日を挟んだ三連休「朝練講談会」に通いました。
その三日間の興行内容は、下記のような番組でした。
【6日】
・石川一夢 … 一龍斎貞寿
・鉢の木 … 一龍斎貞橘
【7日】
・黒田節の由来「呑み取りの槍」 … 田辺いちか
・柳田格之進「堪忍袋」 … 一龍斎貞弥
【8日】
・天保水滸伝「ボロ忠売り出し」 … 神田松之丞
・三木文蔵「忠治の娘」 … 神田春陽
1.石川一夢/貞寿
マクラでは、相撲大好き!貞寿さんらしく、混迷する相撲協会と立て行事:式守伊之助のセクハラに触れました。
日馬富士の暴力は隠ぺいしようとして、伊之助のセクハラは躊躇なく公開する相撲協会のセンスに対して、
それはどう考えても対応が真逆だろう!と突っ込む貞寿先生。伊之助は酒癖が悪い人らしいのですが、
19歳の前座の行事青年は、物凄くショックだったようで、トラウマになってしまったとか?!
本人が伊之助に十分反省し謝罪して欲しいと強く協会に注文を付けたそうで、協会としても隠す訳にはいかなかった。
強引にキスを数回して、乳を触ったらしいのだが、伊之助本人は覚えていないらしいし、男色の毛もないと言う。
そんなマクラとは一切関係ない、貞心一門の大切な根多『石川一夢』へ。
講釈師:石川一夢が、心中しようとする若い二人を助けて、十両というお金を恵んでやる為に、
自身の十八番『佐倉義民傳』を質に入れるというお噺。いい時代です。質屋が十両という大金を、
講釈師の根多をカタに貸すというのですから… 今そんな質屋が在ったら、咄家はみんな十八番を入れに行く。
2.鉢の木/貞橘
確かに、貞水先生もやります『鉢の木』。いざ鎌倉の縁起の良い噺だけど、何かもっと違うのが聞きたかった私。
直接貞橘先生とは関係ありませんが、同協会/講談協会の久しぶりの男性前座、琴屯さんが辞めたそうです。
前座さんの場合は、辞めても廃業とは言わない。まだ芸と呼べる「仕事=業」をやっていないかららしい。
おどらく、もうすぐ真打の山緑さん以来の男性だったと思う、琴屯さん。琴梅先生だけでなく、協会全体でショックか?
3.呑み取りの槍/いちか
せっかくこの根多が、いちかさんの故郷でもある北九州/黒田五十二万石が舞台の噺なので、
一節でよいので本息で「黒田節」を歌って欲しいと思いました。低音の歌なので女性には難しいけど、やって欲しい。
4.柳田格之進/貞弥
年末に同じ一龍斎、貞山先生で聴いた根多を、朝練で貞弥さんでも聴きました。あらためて難しい話だと思います。
番頭と主人の主従関係を見て、柳田が娘を吉原に売るきっかけを作った番頭&主人が許せるものか?
『文七元結』の五拾両を長兵衛として文七にくれてやれるものか?長兵衛の料簡になって、やれると思わないと、
この噺はできないよなぁと、志ん朝師匠はよく言っていたそうです。思えないならやらない方がいい。
同じ事が、『柳田格之進』にも言えるように思います。碁盤を真っ二つにして柳田の溜飲を下げられるか?
演じる方が、下げらると確信して演じないと、観ている方は辛い話だと思います。
5.ボロ忠売り出し/松之丞
その日の会場の空気をみながら、信夫常吉とボロ忠の掛合いの尺を調整する松之丞さん。
上手いねぇ。おそらく意識してやってはいないと思いますが、客席の反応・うねりに合わせて、
グイグイ行く長さを変幻自在に調整します。また、放り込む地の部分がカッコいい。
6.三木文蔵「忠治の娘」 /春陽
三木文蔵が島田宿で釣り道具屋を営んでいる物語です。初めて聴いた噺でした。一応、侠客ものなのですが、
国定忠治の実の娘を密かに島田宿で育てている文蔵。その娘が地元ヤクザと結婚するのだが、
婿に入ったそのヤクザ者は、足を洗って気質として、釣り道具屋を手伝事になる。
ところが、婿が抜けた一家の親分、こいつが腐れ外道で、大井川の利権欲しさに隣接する一家の親分を、
足抜けした元ヤクザの婿さんに、殺せと命令するのだが…
この一部始終を知った文蔵が、婿さんに知られないまんま、悪い親分を叩き斬ってしまいます。
そして、上州に戻り、殺された国定忠治一家の者を出家して弔い続けて暮らすという物語です。
春陽先生は、松之丞さんとは全く逆。グイグイしない、しっとりした感じの語りで、昔ながらの講釈師です。
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2018年01月09日
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この日は、昼に行く会もなく十分鋭気を養ってから14時ちょっと前にプーク人形劇場に着いてしまう。
流石に早いぞと、思ったけど日向がポカポカして心地よく、風も無いのでいち早く並んで17時を待つ。
喬太郎師匠がトリを取るので、出足早いか?と思ったが、一月四日で仕事始め。仕事に行ってから来る人もある。
だから思ったより16時過ぎるまで列は伸びなかった。まぁ、それでも17時には30人近いお客様の列になりました。
プーク人形劇場、新作落語お正月寄席、最終日は、こんな内容でした。
1.雨に噺せば/あおもり
白鳥師匠が不在だと、本当に元気がいいあおもりさんです。「新作落語お正月寄席」の開幕宣言を高らかに。
そして、更に調子に乗って、寄席名物「さん喬&権太楼二人会」の余一会のタイトルコールもやりました。
完全に浜田雅功気どりでスタートして、大師匠圓丈師匠のさらに上、六代目圓生について語り始める。
そして『雨に噺せば』本編に入ったのですが、これが主人公が咄家で圓生かぶれの前座なのです。
あおもりさんの圓生モノマネが聞ける一席。百栄師匠の『弟子の強飯』のパクリなんだけど…
百栄師匠ほど圓生モノマネが上手くない。これをもっと磨いて欲しいですね。
特に、「双蝶々」の定吉殺しは、圓丈師匠に習って完璧にして欲しいと思いました。
2.漂流女子/わん丈
マクラでは、近況報告するわん丈さん。稽古場として「カラオケ館」を利用すると言う。
多くの咄家がカラオケBOXを使って稽古しているが、稽古半ばでダレたりメゲたりすると、
カラオケBOXあるあるで、必ず、曲を入れて残りの時間歌って過ごす事が多々あると言う。ダメじゃん!!
そんなある日、「カラオケ館」に行き、仕事と仕事の合間だったので1時間半滞在予定でBOXを借りる。
そして、ここでも「カラオケ館」あるあるなのだが、店員が10分前です、の電話など一切せずに、
気付いた時には延長料金が発生するケースが少なくない。しかし、その日は珍しいものを見付ける。
それは、スロットマシン
受付からBOXへ向かう途中に置かれたスロットマシンは、メダルを出すとクーポンが貰え、
店内のBOX代や飯代に使えるシステムなのだ。バンドマン時代パチプロだったわん丈さん。
懐かしくて打ってみると、出るわ!出るわ!で、すぐにメダルが山になり、BOXに入るのも忘れて、
スロットに没頭するのでした。結局、次の仕事に行く時間に成り、ポイントが八千円分溜まったらしい。
流石にスロットが大当たりすると、店員が「あと、10分です。」と、言って来たらしいですよ。
さて本編の『漂流女子』。これは一応、結活の合コン根多なのですが、少し設定が特殊です。
ただ、イマイチ盛り上がりに欠ける気がします。突拍子もないのですが、それだけなんですよねぇ〜
「よゐこ」濱口的な、とったど〜みたいなんがあると、面白い気がします。
3.第二ボタン/ふう丈
マクラでは、自身の前座時代を振り返り、このプークに入る前、夏のプーク興行前は必ず住吉踊りの芝居だったそうです。
住吉踊りの芝居の前座は、忙し過ぎて壊れた状態になり、ふう丈さんは恐いもの知らずになったそうです。
芸協のとある師匠、この方が前座さんから住吉踊りのメンバーまで分け隔てなくマックシェークを奢ってくれる。
しかも、自身で皆さんの味の好みを聴いて廻って、奢る当人がマックに買いに行くと言う念の入れようなのだ。
そんな某師匠が楽屋入りして、暫く経つのにマックシェークの注文を取りに着ない。なぜだろう?と思いつつ働くふう丈さん。
あまりにも師匠がそっけないので、便所で出逢った瞬間、「師匠!今年はマックシェークは?」と、言ってしまったらしい。
そのくらい、恐いもの知らずになるそうです。てなマクラから『第二ボタン』。
ふう丈さんの場合は、設定が普通と言うかつまらないです。普通に卒業式に第二ボタンを貰う噺。
山場はそれなりにあるのだが、ジミである。ただ、本人の演じる楽しさみたいなのが伝わる。
4.チュウ臣蔵/枝太郎
マクラは、自身の結婚披露宴の話と歌丸あるある。偶然、正月番組で歌丸師匠のドキュメント、日テレ版の「情熱大陸」を観た。
歌丸師匠の最後の弟子という事で桂枝太郎の結婚披露宴と、一月二日に生れた彼の娘さんの話題にも振れた。
娘さんの誕生日が談志師匠と同じだと、小遊三師匠がいじり、娘さんの名前が「笑歌」で“エミカ”と言うと、
さかさまにすると「歌笑/やしょう」だと、楽屋ではいじられておりました。私は“笑歌:ショッカー”がいいと思った。
さて、本編の『チュウ臣蔵』。浅野内匠頭、大石内蔵助、吉良上野介、それぞれが生まれ変わって現代に存在。
内匠頭が鼠で、大石はゴキブリ。その二匹が住んでいる家の主=女性が吉良上野介という奇想天外な設定。
かなりブッ飛んだ設定なのだが、やはり忠臣蔵のクオリティーがそれなりに高くないと笑いに繋がらない。
その部分が向上すると、結構面白い作品になると思うのだが…
5.長い夜・改Ⅱ/小ゑん
地球創世の神々が、現代の日本社会を覗き見してコメントする壮大な根多です。この中に登場する職人風の家族。
この父親が、五代目小さん師匠風で面白い。ファミレスに子供の誕生日にやって来るのだが料簡が目白の師匠的です。
そして、最後のラップが小ゑん師匠らしくて秀逸です。
6.ペコとマリアとゆかいな仲間/鯉朝
商店街に置かれている不二家のペコちゃん、薬局のサトーの象さん、CDショップのビクターの犬などが喋り出す噺。
鯉朝師匠の作品を殆ど聞いた事がないのですが、結構、笑ってしまいました。
7.ウルトラ仲蔵/喬太郎
二度目の『ウルトラ仲蔵』。最初の生物が居ない茶色い星での「防衛」が、五段目の山岡頭巾の定九郎に掛かっていたと、
今回初めて気付きました。そんな細かい、『中村仲蔵』へのオマージュがちりばめられていると今回気付く。
そいう目でみると、妙見様の満願の日のソーラー屋の場面、このケムール人もゼットンの手下的に思えて、
仲蔵の浪人との対比が面白いと感じました。
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三連休も終わり、講釈と落語三昧で今年も幕が開きました。そんな三連休のうち、昨日の最終日が一番充実していたかも?しれません。
【朝練講談会「春陽・松之丞 二人会」】 朝8時に、日本橋亭に行くと既に二人の女性ファンが並んでおりました。三番目で列にならぶと、永谷の社員さんが来る8:30には30人以上ならよでいて、 開演30分前の9:00には、定員にちかい100名を超える列になりつつありました。朝練講談会が始まった頃は、つばなれするのか?みたいな会だったのに。 ひとえに、これも、松之丞人気がなせる技なんだと思います。もう、三代山陽の人気を超えたかな?! ・天保水滸伝「ボロ忠売出し」/松之丞 昨日まで続いた、『寛永宮本武蔵傳』の連続十九話読みの影響で、喉が枯れていた松之丞さんでしたが、それでもいつもの調子で楽しませてくれました。 来年は『慶安太平記』を五日間連続を2セットやると発表されました。4日から14日まで11日間のうち、10日が連続、1日は普通の独演会らしい。好きなファンは11日通しで通うのか? 私は、宇津谷峠だけで十分だなぁ。談志師匠がやる禅達の旅立ちから、吉田の焼討、そして箱根の惨劇までの三話だけ聴けたら満足します。 さて、「ボロ忠」。何度も聴いておりますが、ボロ忠と信夫常吉のやり取りは毎度お馴染みの流れるような神田らしい講談調でカッコよく演じます。 ・三木文蔵「忠治の娘」/春陽 マクラで、学校の書初めで「霊波之光」って書いた話をされました。私は幼稚園の年長の時、唯一書けた「宇宙戦隊」と書初めした思い出があります。 国貞忠治の代貸で、手裏剣の名手・三木文蔵。忠治の娘の育ての親として、島田の宿で商人になっています。 三木文蔵が、カタギになって、文左衛門というのは、洒落ていました。個人的には受けました。春陽先生らしいギャグだと思います。 【柳家一琴の会onらくごカフェ】 らくごカフェさんの新春一発目の会が、らくごカフェスタートから続く、百三回目の柳家一琴の会でした。らくごカフェに最多登場の咄家らしいですよ、一琴師匠。 ・転失気 和尚の威厳と知ったかぶり。珍念さんの可愛く賢く茶目っ気有りのキャラが落語らしい笑いになります。 ・馬鹿竹 谷中五重塔の由来の物語です。初めて聴く話で、一琴師匠が速記から起こした作品。まだまだ、進化の途上と仰っておりました。 ・御神酒徳利 市馬、小せんと同じく六代目圓生・三代目三木助の型でした。善六さんの人の良さそうなキャラが、一琴師匠らしく好感がもてました。 一琴師匠に、犬の開運根付を頂きました。 |
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