Marsのブログ

小さな会を精力的に聴く努力をしてまいります!!

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一凛さんの『芝濱』は何処で観たんだろう?伝承の会だとばかり思っていた。。。記憶が…間違いのご指摘、ありがとうございます。
Twitterのリプでご指摘を頂くので、ブログへの反映が遅れてしまいますが、ご容赦を。さて、今回は少し視点を変えます。


まず、落語では有名な『井戸の茶碗』、講釈と浪曲では『茶碗屋敷』と呼んでいる演目です。で、似ているようで異な作品です。
過去10年間、落語/講釈/浪曲、それぞれ誰のを、何回くらい聴いているのか?調べてみました。



【落語】
隅田川馬石
桂歌丸
古今亭菊之丞
古今亭文菊
三笑亭夢花
三遊亭栄馬
三遊亭金也
三遊亭兼好
三遊亭好の助
三遊亭遊雀
春風亭一朝
春風亭昇太
初音家左橋
桃月庵白酒 × 6
入船亭扇辰
柳家さん若
柳家喬太郎
柳家三三 × 2
柳家小せん × 4
柳家小のぶ
柳家甚語楼
立川こはる
立川志の輔 × 4
立川志らく
立川生志 × 4
立川談幸
立川談笑
林家たい平 × 2
鈴々舎馬桜


【講釈】
一龍斎貞水
一龍斎貞橘
宝井一凜


【浪曲】
玉川太福 × 2



以前は、この根多といえば、私は志ん朝でした。他には、圓菊師匠のイメージもあります。
菖蒲園さんのスレッドへのコメントでも書きましたが、志ん朝師匠の『井戸の茶碗』は、
屑やが、二回目に千代田卜斎の長屋へ出向く時、恐さを紛らわそうと、気がふれたような、
妙にテンションが高くなります。喩えるならば、バカボンのパパのご学友・バカだ大生!みたいです。
また、現役の演者の中では、志の輔師匠の『井戸の茶碗』が実に特徴的です。
屑やの心理描写を通して、支配階級である武士を、何かあるとすぐ刀を抜く!と、鋭く批判します。
「花は桜木、人は武士」なんて言ってる大家さんとはえらい違う料簡で、面白いと思います。

一方、講釈は、三人しか聴いておらず、貞水先生と貞橘さんは師弟なのでほぼそっくりに演じます。
そして、一凛さんのも根多卸しからおそらく間も無い時で、一凛さんらしい明るさに乏しかった。
講釈の『茶碗屋敷』は、〆の科白が「細川家由来、井戸の茶碗の一席です。」に決まっているので、
特にオチを付ける必要がないから、武士が中心に描かれて、屑やさんも殊更、正直者ではありません。
この後の浪曲もそうですが、屑やさんの存在感があまりありません。

最後に浪曲は、太福さんでしか聴いた事がないのですが、やっぱり講釈に近い演出で武士中心。
台座の紙が破れて五十両出て来くる場面や、殿様に茶碗を献上する場面では、節が入り歌います。
あと、太福さんのは、五十両が全部小判じゃないのは、面白いですね。小粒の二分金も混じっています。


さて、元は講釈の『茶碗屋敷』なんですが、オチを付ける為に、落語に移植した人がいるはずですよね。
菖蒲園さんからの受け売りですが、明治初期の速記に麗々亭柳橋の『茶碗屋敷』が残っているそうです。
これは、今の『井戸の茶碗』のようなストーリーなんでしょうか?それとも『茶碗屋敷』。
どちらにしても、落語家が古くから演じていたのは間違いありません。

落語は、落ちを付ける為に『茶碗屋敷』を変えます。まず、浪人の娘を細川家の侍に嫁がせないと、
現在の落ち「磨くのはよそう、また小判が出るといけない!!」が使えないので、『茶碗屋敷』では、
既婚者の設定なのに、落語の『井戸の茶碗』は独身で、中元との二人暮らしに設定を変えております。

更に、屑やを通して仏像の元の持主を探す場面で、『茶碗屋敷』も面通しをするのですが、
薙刀の心得のある妻が、これを一人で行い、大筋では『井戸の茶碗』と同じような展開になるのですが、
屑や同士の情報交換の場面や、その井戸端会議に、千三野郎が登場するのは、いかにも落語らしい演出です。

そして、五十両の代わりに浪人から細川の家来に送られた茶碗、この目利きの方法も両者で違います。
『井戸の茶碗』は、御存知の通り、細川の殿様が「茶碗が見たい!!」と仰るので家来が持参すると、
その場に居た、細川家お抱えの目利きが、「こは蒼井戸の茶碗と云って…」と鑑定する展開ですが、
『茶碗屋敷』は、細川の家来の家に竹馬の友が碁を囲みに来た際に、碁を打ちながら仏像から五十両出た話をすると、
その友人が、茶碗も見せて欲しいと言い出し、これを見せると、なんと!それは井戸の茶碗!!
そんな騒ぎが細川公のお耳に入り、茶碗を所望される。
この両方の演出を比べると、『井戸の茶碗』の方が、登場人物が多く、それぞれのキャラクターをちゃんと演じれば、
噺自身が面白く盛り上げる事ができます。

更に更に、『井戸の茶碗』は、殿様が三百両で茶碗を買い取る展開だから、
屑やがもう一度、浪人の家を訪ねて、大金を渡すという役目を果たす事になり、笑いが増す演出です。
そして、最初の申した、サゲの為に、細川の家来を独身にした意図が、ここで明らかになるのです。
方や『茶碗屋敷』は、殿様が浪人を細川家で抱えて、家来にしてやると云って一件落着です。結構、そっけなく終わります。
ここに、落語と講釈/浪曲の演出の違いが如実に出ていると私は思います。どちらが良い悪いではなく、
それぞれの魅力をクローズアップするやり方に、歴史に裏付けされた個性があるなぁ〜と、感じます。

似たような落語と講釈の演出の違いを、『陸奥間違い』という噺を、兼好師匠が演じているのを見て感じました。

◇三遊亭兼好『陸奥間違い』


『陸奥間違い』は、落語では私は兼好さんでしか聴いた事がないマイナーな根多、滅多に掛からない噺ですが、
講釈・浪曲では、比較的メジャーな根多で、よく掛かる根多だと思います。それこそ朝練講談会とか通えば聴ける噺です。
で、この『陸奥間違い』。兼好さんは、見事に浪曲から、これを落語に変換して演じています。

講釈/浪曲の『陸奥間違い』は、松野陸奥守と松平陸奥守を間違えるくだりはありますが、
江戸城にお伺いを立てる際の、「伊豆守」間違いはありません。
講釈/浪曲では、穴山小左衛門自ら登城し、ご支配の老中久世様に事情を話すと「腹切って死ね」と言われてしまう。
がっかり肩を落として歩いていると、馬で通り掛かった松平伊豆守、知恵伊豆様に見留られる。
伊豆守は、下馬して来て話を聞いてくれ、お上の指示を仰ぐと城内へ戻ってくれる。その後は兼好さんのと同じです。

そうそう、穴山小左衛門が、伊達家の祝宴に呼ばれるくだりも兼好さんオリジナルの落語らしい最後です。
講釈/浪曲は、松野陸奥守が後に松野河内守となり、忠臣蔵で有名な天野屋利兵衛を大坂奉行所で裁く事になりますと、
こちらは、『赤穂義士傳』が飯の種なので、もっと詳しく解説したりしますね。

この兼好師匠の『陸奥間違い』も、権助の二度の間違いがユニークで落語らしいから、若い世代に広がって、
第二の『井戸の茶碗』になるかもしれないと思ったりしています。


つづく

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