|
仲蔵は、色んな方が演じるようになり、稲荷町と柏木だった時代からすると、面白い展開を見せていると思います。
喬太郎師匠の改作『ウルトラ仲蔵』や、白鳥師匠の原型を留めない『中村仲象』などまで加えると可能性は∞です。
さて、今回のテーマは怪談です。現在、「怪談」というと誰れですかねぇ?やっぱり人間国宝!一龍斎貞水先生でしょうか?
過去十年のデータで怪談をやった回数とか調べようか?とも思ったのですが、あまり意味がないように思って止めました。
貞水先生以外で言うと、落語の正雀師匠ですかね?こちらも、師匠である稲荷町の正蔵のスタイルで怪談を演じておられます。
両者を比較すると、貞水先生の方が遥かに仕掛けや照明に凝り捲っていて、話よりも怪談セットの方に気を取られてしまいます。
あと、怪談と言えば、前座の幽太/幽霊の恰好をして客席を脅かす役を前座さんがやるアレです。
これは、上方落語でも怪談噺をやる時は、幽太を使いますね。米朝師匠の高座では、小米朝時代の可朝師匠が上手かったそうです。
米朝師匠は、幽太用の恐いお面というのを持ってはったと伺った事があります。白装束でお面、長い黒髪のカツラで脅かします。
東京の寄席での幽太は、できるだけ若い女性を、事前に座席位置をリサーチしておいて脅かしに行きます。若い美人を狙う傾向です。
では、怪談噺で何を沢山聴いているのか?過去10年の自身のデータを調べてみました。すると、頭で思っている通りの結果に。
・牡丹灯籠 27
・真景累ヶ淵 19
・乳房榎 13
・四谷怪談 11
・応挙の幽霊 7
・もう半分 6
・江島屋騒動 5
・鍋島化け猫騒動 5
・耳なし芳一 3
・吉原百人斬「お紺殺し」3
・妲妃のお百 2
・猫定 1
・小夜衣草紙 1
やはり、怪談と言えば、『牡丹灯籠』。ダントツに「お札はがし」の部分、お露と新三郎の悲恋から“カロンコロン”までですね。
また、私の場合、喬太郎師匠と馬桜師匠のお二人で、『牡丹灯籠』を連続で聴いた事があり、それが更に回数を増やした要因です。
さて2番目は『真景累ヶ淵』、そして三番目も同じく圓朝作品で『乳房榎』でした。つまりBEST3は圓朝作品。
更に、『牡丹灯籠』が「お露新三郎」「お札はがし」なら、『真景累ヶ淵』は「宗悦殺し」と「豊志賀の死」で、
『乳房榎』は「お関誘惑」と「落合の蛍狩り(重信殺し)」です。この三作品は講釈と落語両方で聞けて、演じ手も結構多いです。
一方、四位以下は、四番目にランクインしたのは講釈でしか聴かない『四谷怪談』です。これは「お岩誕生」を一番聴きますが、
四話連続とか六話連続で、お岩の幽霊が伊右衛門の周辺を呪い殺して行く連続殺人鬼になったお岩の物語も聴けます。
ただ、この『四谷怪談』は、速記などを読むと、やたらお岩が同じパターンで、呪い殺すを繰り返すだけになってしまうので、
実際に講釈として読む場合には、演者の脚色の腕の見せ所ではあります。貞水先生のは全部は観た事ないんですが、
貞寿先生は、全部観ました。いろいろと、工夫していますね、殺し方や追い込み方を。
対象的に、『もう半分』は落語ですね。芸協は先代の今輔師匠、落語協会は先代の馬生師匠のが印象的で、
私は芸協だと夏丸師匠、落語協会だと、雲助師匠で聴いています。雲助師匠の『もう半分』は特に恐いですね。
語り/地の上手さが怪談になると、独特の調子があり、雲助師匠や稲荷町の正蔵師匠の語りは怪談に引き込まれます。
最後に、吉原百人斬「お紺殺し」について少し触れます。これを聴いた三人というのが正雀師匠、松之丞さん、そして貞鏡さんなんです。
一番怪談らしいのは、正雀さんなんですが、松之丞、貞鏡のお二人は、悪党をやらせると当代一二を争う二人なので、
お紺が幽霊になる前。戸田の河原で惨殺される場面が恐いのです。悪党の松之丞、毒婦の貞鏡と呼ばれるだけの事はあります。
つづく
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2018年10月29日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]




