Marsのブログ

小さな会を精力的に聴く努力をしてまいります!!

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普通のどん兵衛の丼器ではなく、カップラーメンと同じフォルムのカップが採用されております。
気に成っていてこれもかなかな買っていませんでした。普通のカレーどん兵衛よりも50円高いのです。
“くり〜み〜”を売りにして、“リッチ!!”と銘を打っている。本当か?と、思いながら試しました。
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結果、う〜ん。確かにくり〜み〜にはなっている。ただ、丼器の普通のカレーどん兵衛の方が蕎麦屋のカレー味。
出汁が利いていて、あの方が私は良いと思います。くり〜み〜が出汁の良さを殺していませんか?
そして、個人的には、もっとカレー味が利いていて欲しいです。
『中村仲蔵』→“怪談噺”→『赤穂義士傳』と来て、何にするかと迷いつつ、一度触れておきたかった“白波物”に触れたいと思います。
講釈と浪曲だけですかねぇ、泥棒が活躍する噺を白波物と呼ぶのは。おそらく、芝居から来た呼び方なんだと思います。
落語の白波物。盗賊が主人公と言っても『出来心』や『だくだく』『夏どろ』『もぐら泥』は白波物ではありません。
基本、カッコいい盗賊が主人公のお噺に限ります。そうなると、演じ手も演目もそんなに多くないのが分かります。
また、白波物でありながら世話物、つまり芝居や浄瑠璃とルーツを共有し、世俗・人情を語るような物語でもあります。
まず思い浮かぶ落語で演じられる白波物/世話物。それは『お富與三郎』ではないでしょうか?
ただ、やる人は先の馬生一門の皆さんだけですけどね。そうだ!小満ん師匠は独自の速記から起こした『お富與三郎』をやります。

次に私が思い浮かんだのが、『嶋鵆沖白波』です。で、微妙なのが『大坂屋花鳥』で、『嶋鵆』から抜き出た噺ですが、
梅津長門はお大尽を殺して五十両を盗みはしますが、侍ですよね。盗賊というイメージがあまりありません。
これ以外だと『髪結新三』も白波に入るのか?そして、『鼠小僧』からの抜き噺なので、『蜆売り』も白波物になるんでしょうね。
その他には、新作ですが、米朝作の『一文笛』も白波物なんだろうなぁ。他にありますかねぇ。落語の白波物。

さて、この白波物。その人気の秘密は、そうです!決め科白/口上です。芝居でも最も有名なのが『白波五人男』の濱松屋店先の場面。
特に開口一番、弁天小僧菊之助の口上ですね。落語『湯屋番』で、若旦那が煙突小僧煤之助でパロディーにするあれです。

「知らざあ言って聞かせやしょう!!
浜の真砂と五右衛門が  歌に残せし盗人の
種は尽きねえ七里ヶ浜  その白浪の夜働き
以前を言やあ江ノ島で  年季勤めの稚児が淵
百味講で散らす蒔き銭を あてに小皿の一文字
百が二百と賽銭のくすね 銭せえ段々に

悪事はのぼる上の宮
岩本院で講中の     枕捜しも度重なり
お手長講と札付きに   とうとう島を追い出され

それから若衆の美人局
ここやかしこの寺島で  小耳に聞いた爺さんの
似ぬ声色でこゆすりたかり
名せえゆかりの     弁天小僧菊之助たぁ俺がことだぁ!」


そして、『お富與三郎』も、芝居で有名な決め科白があり、これも有名で雲助師匠が実にカッコ良く演じます。


与三郎:え、御新造さんぇ、おかみさんぇ、お富さんぇ、いやさ、これ、お富、久しぶりだなぁ。
お 富:そういうお前は。
与三郎:よさだ!與三郎だ。お主ゃぁ、おれを見忘れたか。

与三郎:しがねぇ恋の情けが仇 命の綱の切れたのを
    どう取り留めてか   木更津から
    めぐる月日も三年(みとせ)越し
    江戸の親にやぁ勘当うけ
    拠所なく鎌倉の    谷七郷は喰い詰めても
    面に受けたる看板の  疵が勿怪の幸いに
    切られ與与三と異名を取り
    押借り強請りも習おうより

    慣れた時代の玄冶店  その白化けか黒塀に
    格子造りの囲いもの  死んだと思ったお富たぁ
    お釈迦さまでも気がつくめぇ
    よくまぁお主ゃぁ   達者でいたなぁ
        安やいこれじゃぁ一分じゃぁ
        帰られめぇじゃねぇか。


落語は、基本的にカッコいい悪党は扱わないのですが、講釈は非常に多くの悪党をカッコ良く扱っております。
所謂、ピカレスクロマンとでも言うのか?悪党の美学を追求する作品があり、畦倉重四郎などは、その代表です。
松鯉先生の一門のお家芸でして、阿久鯉先生、松之丞さんが、強盗殺人鬼・畦倉重四郎をカッコ良く演じます。
畦倉重四郎の科白で印象的なのは、同業の悪党で、自分をかくまってくれた乞食坊主を斬り殺して言います。


「へぇへぇ、こんな奴でも、血だけは赤けぇやぁ。」


この講釈の演出は、実に悪党なのに、スカッとするカッコ良さがあり、松之丞さんの人気に火を付けた要因だと思います。
そこで、私は思うのですが、白波ではないけど、『鰍沢』などは、この講釈の手法を応用して演出すると、
より月ノ兎花魁のお熊が、恐ろしい女になると思うんです。間違って毒入り卵酒を飲んだ旦那なんか、
死ぬのを待つんじゃなくて、後ろから包丁で刺し殺すくらいの凶暴さを見せて欲しいですよね。


講釈/落語/浪曲で聴いている白波物の作品を紹介します。

・鋳掛松
鋳掛やの息子に生まれた松五郎の物語です。『文化白浪』という長い白波物から、通称・鋳掛松という盗賊が主人公の部分を抜き出した噺です。
おそらく最初は、数話からなる続きものだったと思われますが、現在は、この松五郎が、幼少期に松吉という名前で、お店奉公に出されて、
その奉公中の事件が元で、お店から暇を出されます。その事件というのが、この松吉、奉公五年数えの14歳になった時に、店の遣いで外出します。
その時、匕首を持って強盗を企む三十歳くらいの盗人に目を付けられます。これに気付いた松吉、言葉巧みに、この盗人を取り込みます。
「おいらは、縮緬問屋の小僧だ、ここに縮緬の見本がある、店の名前はここにある。」と、縮緬の見本の刺繍を見せて店の名前を明かしますが、
これは、自分の店ではなく、お遣いを頼まれた先方の店の縮緬の見本です。そうしていて、「この見本を持って、ある取引先に行くと、
その店が前金で五十両くれる事になっている。だから、お前さんはおいらが、その店の帰りを襲うふりをしてくれれば、その五十両を渡すよ。」
そう盗人を丸め込んで、お店に帰る途中寿司までおごらせて、結局、お店の前で松吉を待っていた盗人を番所の役人に通報し捕まえさせます。
この14歳のガキとは思えぬ手際に、番頭以下店の奉公人は感心するのですが、店の大旦那は「この頭の良さゆえ将来悪い事をし出したら、
店がとんでもないことになるかも知れない。」と言って、松吉に暇を出して家に返します。返された松吉は親父の家業の鋳掛やになる。

そして、父親の松右衛門が暫くして亡くなり、一人鋳掛やを続けいた松五郎。二十歳の時のある夏の日。両国橋でくつろいでいた松五郎。
貧しい身なりをした枝豆売りの母と子がおり、子供は母親に何やらせがんでいる。その子は素足だった。
地面が熱いので草履を買って欲しいというのだが、母親にはそれを買うお金がない。松五郎は金を恵むと、哀れな親子は喜んで立ち去っていく。
しばらくして今度は川からドンチャンドンチャン音がする。欄干から覗くと、一艘の屋根船。
その中でどこかのお大尽が芸者・幇間をあげて舟遊びをしているところだった。
あれも人ならこれも人。世の中ままならぬものだと思う松五郎。太く短く生きようと決意した。松五郎の心にスイッチが入ります。
これから悪党の道に入り、元が鋳掛屋なので「鋳掛松」と呼ばれるようになる。そんな噺が端物として講釈では比較的よく聴きます。
個人的には、六代目伯龍先生のが好きですが、琴調先生のもいい。松五郎が一瞬にしてスイッチが入って、鋳掛松に変身します。
お店の旦那の予言が的中する瞬間が、実に、カッコ良くてね。講釈らしい一席です。
この噺の決め科白は、松五郎が高らかに笑い「俺は、太く短く生きてやる!」と、おてんとう様に宣言するラストシーンですね。


・鼠小僧
これも十話も二十話も続く噺ではなく、二話、三話で『蜆売り』で終わります。
鼠小僧次郎吉は、江戸で大きな仕事を終えて、暫く、ほとぼりを冷ます為、上方へと逃げていた。その帰り道中から噺は始まります。
東海道を東に下る次郎吉。駿府・島田の宿で芸者を上げてドンチャン騒ぎ、ここまで行きずりだった渡世人仲間と分かれて箱根へ。
ここで、『蜆売り』のキッカケになる、若旦那と金春芸者の道行が、箱根の宿でタチの悪いゴト師に掛かり賭け碁でやられていた。
芸者を碁の借金のカタに女郎に売ると脅され途方に暮れる若旦那。そこへ、隣の部屋から襖を開けて、次郎吉が登場する。
ゴト師一味をやっつけて若旦那の借金をチャラにする。そして、別れ際に若旦那に路銀の足しにと小判で二十五両餞別を渡す次郎吉。
この小判が、実は、佐竹家の武家屋敷から盗んだ銭で、佐竹の刻印が入っていた!!知らずにこれを使った若旦那と芸者は御用に!!
そうとは知らず、江戸へと戻る次郎吉だった。ここまでを、一話か二話にして演じられます。

江戸に戻った次郎吉。一応、建前の職業は「魚屋」さん。そこへ丑松という盗人仲間が、奉行所に追われて逃げ込んで来る。
この丑松を旅支度に変装させて、銭を与えて、故郷の母親の元へと逃がしやります。これが後々の伏線になっていて、
この丑松が、最後、次郎吉の佐竹家での盗みの罪を被り、若旦那を牢から助け、獄門台へと上がり、次郎吉の身代わりになります。
この噺は、次郎吉が「もう少し娑婆に未練がある」と言って苦悩する場面ですね。とはいえ、蜆売りのガキを見ると若旦那は助けたい。
この板挟みで苦悩していると、丑松がお礼を云いに、次郎吉の元を訪ねて来る。「俺は、母親と最後の別れが済んでいるから」と、
喜んで、この次郎吉の身代わりを買って出る丑松。日本人らしい『義』の精神が溢れた場面だと思います。そして、これも伯龍先生ですね。
最近は、講釈も落語も『蜆売り』の場面だけしかやりませんね。


・小猿七之助
これまた、伯龍先生のがいい。談志も、談春も、松之丞も聴いたけど、伯龍先生だなぁ〜
そして、これも最初からやる人が少なくなりました。一人船頭、一人芸者の場面だけやりますね。
また、これに関しては、以前、薮さんが実に詳しく素晴らしい纏め記事を上げておられるので、
これを参照下さい。芝居と講釈の『小猿七之助』の違いなど、詳しく解説されております。

◆薮さんの「小猿七之助」

さて、「一人船頭、一人芸者」の前に、七之助の父親・七蔵がイカサマ博打で、新川新堀の酒問屋、
鹿島屋の手代・幸吉を渡し船の船内でゴトにハメて、店のカケ金三十両を巻き上げられる場面があります。
この噺は、決め科白ってわけではないけど、浅草広小路滝之屋の芸者、男嫌いで通ったお滝が、
七之助に殺されそうになる場面。ここで、実は七之助を好きだったと言い、好きなお前に殺されるならと、
覚悟を決めて、告白する場面でしょうね、一番の見せ場は。


・天保六花撰
これは各方面で有名な作品です。芝居では播磨屋・吉右衛門の当たり役ですね。
そして最も有名なのが河内山宗俊が御殿奉公の娘、質屋上州屋のお絹を救う『天衣紛上野初花』でしょう。
落語では、小満ん師匠が、宗俊と、片岡直次郎:通称・直侍との出逢いから、直侍の色である三千歳を見受けするのに、
表向きは海産物問屋、裏にまわると盗賊の頭、森田屋清蔵の力を借りて、これを足抜けさせます。
更に、「丸利の強請り」というエピソードまでを落語にして連続で演じておられます。
この「丸利の強請り」は、講釈で松鯉先生がやられる「卵の強請り」とよく似ている噺でもあります。
この四人の他にも、さすらいの剣客、クールでニヒルな金子市之丞。博打打ちで金儲けの種に鼻が利く暗闇の丑松。
個性豊かな六人が色んな事件を巻き起こす、一話完結で展開される連続物の長編作品です。
そうそう、同じ白波物で『天明白波傳』、あの中にもある「首なし事件」。あれと全く同じエピソードが『天保六花撰』にもあります。
ただ、なかなか現在は、長編の連続では演じる人がおりませんねぇ。

松鯉先生の御一門も、『天明白波傳』を持っていると、『天保六花撰』をまた、全部持っていても、
やる機会がお互い減りますからねぇ。松之丞さんくらい売れっ子で、高座があれば別かも知れませんが、
忙しくなると、ジレンマで、新しい根多が増やせなくなりますよね。皆さん100~150席くらい持ち根多ができると、
これを維持しながら、増やして行く作業が、なかなか難しいんですよ。ここから200、300と増えた真打を、
私はあまり多くは知りません。小朝、志の輔、談春、三代山陽と、皆さん苦戦だったと思います。
そんな中、喬太郎師匠は、上手くやっていますね。焦らずマイペースで、遣り方を変えないのが成功の秘訣か?

話を『天保六花撰』に戻します。この『天保六花撰』で一番有名な科白は、勿論これですね。

「とんだところへ北村大膳!」

御殿奉公の娘 を助ける際に、松江出雲守の家来で重役の北村大膳が、
上野東叡山寛永寺の使僧と偽っている河内山の正体を見破ります。
その北村大膳に向かって言い放つ科白なんですが、これは講釈で生れた科白ではなく、
もしかすると、芝居/映画で考えだされた科白かも知れません。

さて、白波物は、他にも先の『天明白波傳』などなど、まだいくつか在りますね。
そうそう 『天明白波傳』に登場する盗賊の首領・神道徳次郎は、長谷川平蔵:鬼平に捕まって獄門になっております。
あまりに、長くなるので白波物は、これぐらいにしておきましょう。

つづく

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