Marsのブログ

小さな会を精力的に聴く努力をしてまいります!!

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週末の三三ロードの第二番目は、年に一度の南足柄市での三三独演会でした。台風25号が東シナ海を通り朝鮮半島にブチ当たって日本海に抜けた為、朝から青空が広がりました。
ただし、秋晴れらしい爽やかな運動会日和ではなく、夏が帰って来た感じで蒸し暑い陽気。そんな昨日、10/6に開催された三三独演会、こんな内容でした。

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1.狸札/三三
三三師匠の母上が受付嬢で、小田原地区の三三後援会のボランティアの皆さんが世話役、この写真にあるような雰囲気で飾られた会場で、会が13時にスタートしました。
マクラでは、先の横浜にぎわい座で話した、先月は四つも、台風と地震で仕事にキャンセルが出た件に、ここでも触れてショックの大きさをアピールする師匠。
そんなにクドくはやらず、南足柄・小田原あるあるで、久しぶりに乗った「大雄山鉄道」と「箱根登山鉄道」の話題へ。地元の人に受ける旬なツボを押さえて来ます。

そこから、狸と狐は化けると言う定番マクラを振って、最近三三師匠のマイブームな根多!『狸札』へ。先月、月例三三で聴いたばかりの根多なので、殆ど変わらないのだが、
聴いていて、一つ思いついたくすぐりが在ります。それは、三三師匠が「狸です!」の科白を声色を使い無理に高音の作った声にしていたのを見て思い付いたんですが、
狸の声を別に高音にせず、三三師匠の魅力でもある低音で、ピン芸人のヒロシのような感じのフレーズで「狸です!」とやるんです。
そして、恩返しをなぜしに来たか?を、「狸です、近所のガキが集まって、メンコばしよったとデス。仲間に無性に入りたくて、誰か家に急用で帰るガキん出るとば、ジっと待っとったとデス。
漸く、一人のガキが帰ったとば見留て、間合いを計り、その子に化けて戻って来た程で、何食わぬ顔して、仲間に加わわろうとしたとデス。
ばってんが、いきなりガキたちん『狸バイ!狸ん来た!捕まえろ!狸汁にしよう!』と、殺気立つとデス。
縄でグルグル巻きにされて、狸じゃなか!人間バイって言い訳したと、ばってん、聞き入れて貰えんとデス。
なしならくさ、化けるとば、忘れとったとデス。狸です、狸です、狸です。」とやるのは如何でしょうか?


2.手水廻し/八ゑ馬
私の中では、あまり良い噂を聞かない八ゑ馬さんですが、落語自身には、そんなに好き嫌いは有りません。ただ、関西で活躍する上方落語の咄家さんと比較すると、毎度言いますが養殖と天然の違いみたいなもんを感じます。
『手水廻し』で言うと、ずく念寺の坊主に、手水とはを聞きに行く場面は、知ったかぶりの坊主のキャラクターを立てて、如何にも妖し坊主で演じて欲しい。
あと、大阪の旅館に『手水とは?』を確認しに出掛けるのは、坊主ではなく、田舎の宿屋の主人でないとおかしいでしょう!?そんな疑問が湧いた八ゑ馬さんの『手水廻し』でした。

尚、船から海に決死隊となり、自身の命を投げだして、船の上の仲間の命を救う為の動機小咄は面白かったです。

US人は、「飛び込んだら、ヒーローになれるぜ!」
英国人は、「飛び込んだら、名誉であり紳士として認められます!」
ドイツ人は、「飛び込むと、規則で決められています!」
イタ公は、「飛び込んだら、お娘ちゃんにモテモテでっせ!」
そして、大阪人は、「阪神、優勝したデ!!」


3.笠碁/三三
出囃子が、一瞬、デイビークロケット:昇太師匠の出囃子だったんで、遂に『愛犬チャッピー』をやるのか?!と、思ったら、即、京鹿野子娘道成寺に変わりました。
さて、これまた、月例三三で九月に聴いた根多!!ただし、『笠碁』なら二回聴いても、ノープロブレムです。一度サラっているから滑らかだし、イイノホールほど広くないから、テンポも良く満足でした。
台風がまた来ているという最中、三三師匠の横浜にぎわい座の独演会に行きました。三三師匠って、台風とか大雪とか、地震とか、よう合う咄家だと思います。呪われています。
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1.元犬
出囃子が「花咲か爺さん」で登場の三三師匠。本編に入り初めて、出囃子の選曲理由を理解しました。乙!!
九月は、四つの落語会を台風と地震でキャンセルしたとボヤく三三師匠。今日は高座脇にMy「あゆみの箱」を置いて上がりたい気分だったと言う。
四つ飛ぶと、軽く百万円は売上を失うんだろうなぁ、と思った。色々と、予定の出費も有るだろうしね。年収ウン千万円を稼ぐ三三師匠でも、百万円は堪える様子でした。

9月30日に、RAIJIN.13当日のさいたまスーパーアリーナで、三三師匠も昼間落語会を、あのスーパーアリーナに隣接する小ホールで開催した話へ。
三三師匠、昼は埼玉、夜は内幸町の予定だったが、夜の左龍師匠との二人会は、JRが20時で運休するのを受けてかなり、早目に中止をSNSで発表していた。
それでも、SNSを見られない人が休演を知らずに内幸町ホールに来るかも?知れないので、三三師匠と左龍師匠は、19時までホール前で、本日は休演ですと伝える為に待ったそうです。
結局、五人のお客様が知らずに内幸町ホールにやって来たそうです。お待ちした甲斐はあったようでした。

更に話題は、災害に対する寄席の考え方について、三三師匠曰く「鈴本は、歴史も古くエリート意識というか、他の3つの寄席より格上と言う自意識があるから、
無理に興行したりせず、一番先に中止を決める傾向にあり、コレに対して一番真逆の対応を取るのが浅草演芸ホール!!まず、休まない。芸人が来なくても商売っ気満々」
浅草に関しては、文蔵師匠も同じ発言をTwitterで呟いておりました。例えば、爆弾が北朝鮮から発射されました!ってニュースが流れても、浅草だけはやってそうですよね。
そうそう、RAIJINに関連して、ワイドショーで見たと言う、さいたまスーパーアリーナの格闘技の試合を最後まで観戦し、JRが止まったから歩いて帰ったと言う客の話を三三師匠がしました。
さいたまスーパーアリーナから何処まで歩いて帰ったと思います?青梅ですよ!!一日で辿り着けないだろう?マラソンの心得でもあるのか?

そんなマクラから、『元犬』へ。一年ぶりくらいかな?三三師匠の『元犬』。また、犬から人間になったシロが、細かく犬時代の癖が残っていて楽しかった!
特に、上総屋さんが、ふんどし→着物と帯→下駄とシロに与えるところが、犬名残で、繰り返しはしゃぐ仕草がたまりません。


2.蒟蒻問答
マクラでは、咄家は呼ばれたら何処へでも行くってキッカケから、学校寄席の話題へ。最近は、「落語ブームだからか?『落語をみっちり聴かせて下さい!』と、先生からリクエストされる。」と、言う三三さん。
しかし、とある学校。マンモス校で600人からの生徒を体育館に集めての高座、明らかに、落語に入る前の段階のマクラで、生徒達が硬く緊張し無理に座らされている空気を出し捲るから、
「緊張しないで下さい。落語なんて、そんなに堅苦しいモノじゃないんですよ。リラックスして、何なら別に席を立って外の空気を吸って来たって構わないんですから!!」と、言った途端!!
今時の高校生は、社交辞令をしらないのか?500人が一斉に居なくなり、先生が慌てて連れ戻す事に… 戻って来たのはいいけど、リラックスさせたら、ザワザワして、落語どころじゃなかったらしい。

そんなマクラから、安中の在に六兵衛さんと言う蒟蒻屋の親方が居てと、定型のマクラに移り『蒟蒻問答』へ。アクションたっぷりで、爆笑のうちに前半を〆る三三師匠でした。



3.柳田の堪忍袋
講釈師がやる『柳田』のパターンで、「江州・彦根藩の城主・井伊掃部頭に仕えていた柳田格之進、…」と言う入り方で、殆ど、琴調先生や、志ん朝師匠の入り方と同じ調子で、重く入りる三三師匠。
『元犬』『蒟蒻問答』と、笑いに包まれた客席も15分の仲入り休憩で幾分フラットにはなっていましたが、上手い入りで、会場全体を柳田色にしました。

でね、志ん朝師匠は、柳田格之進と萬屋源兵衛が囲碁を通じて出逢う場面で、自身はヘボな将棋と麻雀はやるが、囲碁はからっきしだと言って、
何が一番の趣味かと言うと、ゴルフだと言う。そして、六代目圓生が生きていたら、落語家の分際で、ゴルフをやるなんて!!と、お小言を食らっただろうなんて客席を和ませる脱線を入れておりました。

特に最近の東京の中堅の咄家は、あんまり、このような独自の脱線をしません。私が言う脱線は、くすぐりとは違って、
噺の途中で、その進行に関係の無い話題をあえて大きく入れて、五分程度、会場の空気を演者の好みの色に変える事を言います。

これね、『柳田格之進』を講釈で45分聴くと分かりますが、辛いよ。ドヨーンとした重い空気が、番頭の徳兵衛が旦那様への嫉妬から、柳田に意地悪し始めると、
最後に柳田が、碁盤を叩き割るまで、真冬の日本海みたいな暗さが、ドンドン加速するんですよね。特に今の若い講釈師は、一切脱線なんてセズに語り上げますから。

でねぇ、脱線はしないけど、琴調先生や志の輔師匠は、巧妙な笑いを途中に仕込んで、上手く緊張を緩和して来ます。実に巧妙です。
ただね、真面目な古いファンや、古参の同業者は影で悪口を言うねぇ。何で志の輔は、あんな科白を挟むんだ!琴調の今のダジャレは何だ!みたいな事を言う輩を知っています。

脱線は、談志師匠も上手く使っていました。あんまり、談志信者が自分の芸に酔って思考が鈍り、物語に乗れなくならないよう脱線していました。
談春さんも脱線しますね。上手い時と、そこで止めないで!の両方がありますね。基本、談春師は、自分が緊張に耐えられなくて止めたり、羞恥心が高まり過ぎて止めるんだよなぁ。惜しい気がします。
小三治師も、本編に入ると計算を含めて脱線はしない芸風です。ただ、マクラが脱線し捲るから、あれで本編も脱線したら、終わらなくなりますよね。
若手、中堅では、談春さんぐらいかなぁ?脱線するの。志らく師匠も、やりそうで脱線はしませんよね。志の輔師匠みたいに、緊張の緩和は入れて来ますけどね。

さて、私自身が、脱線の話に脱線してしまったから、話を元に戻します。三三師匠の『柳田』ですが、淡々と柳田が、萬屋の番頭・徳兵衛から盗んだ五十両を返せと迫られて、
身に覚えはないが、奉行所に訴えられては困るからと、娘が苦界に身を沈めてと言う言葉を聞き入れて、五十両を徳兵衛に差し出す。
柳田は、徳兵衛に銭を渡すと、長屋から転宅し所在が分からなくなる。それが八月十六日の事で、光陰矢の如し!四ヶ月が過ぎ師走の十三日、煤払いをしていて、五十両の行方が知れる。
萬屋を上げて柳田の消息を探すが見つからぬまま、新玉の春が訪れる。年始参りの湯島の切り通しの坂で、徳兵衛と柳田がバッタリ出会う、そして、五十両が出た事を聞いて柳田激怒!!
翌日、萬屋を訪ねるから、源兵衛!徳兵衛!首を洗って待っておれ!と言い放つ柳田。打ち拉がれて萬屋へ戻る徳兵衛。先に帰っていた、香具師の頭が、源兵衛に柳田の所在か知れたと伝えていたので、
徳兵衛は、かくかくしかじか、明日、柳田が見える事を主人に伝えて、命の無い事を覚悟して、何とか主人の命ばかりは救えないものかと、悩む。

そして、お定まりの、主人源兵衛と、番頭徳兵衛が互いを庇い合い、主従の絆の深さに感動して首を落とすつもりで来たのに許してしまう。

ここまでは、良いのだが、三三師匠の柳田は、娘を吉原に売って五十両作っていないんです。井伊掃部頭様から拝領した業物の名刀を売って五十両作るんです。武士である事より家族が大切だと知り!!
そして、当然、武士なんかに拘らず刀を売るぐらいだから、仕官はしていません。街場の道場で剣術の指南をしたり、子供達に素読指南をしながら暮らしていたんです。
だったら、名刀を持っているより、仏像の中から台座の紙が剥がれて出て来い五十両!!と、思ったのは、私だけ!?

娘売ってなかったら、徳兵衛を湯島の料理屋で脅すなよ!って思いませんか?
それよりも、何より、武士をそんなに簡単に諦められる、ある意味合理的な人が、堅物過ぎて藩をクビになったりするのか?
柳田って、偏屈で不器用な武士しか勤まらん男ちゃうんかぁ?そこに源兵衛は惚れたんやとばかり思てたのに…

一番腑に落ちないのが、娘を苦界に沈めてへんのなら、二人の首も取らんし、碁盤も割らないサゲにして欲しいワ。

あと、仏像から出る以外にも、富くじに当たる、芝の浜で拾うとか、刀売る以外にも、落語らしい五十両の作り方が有りますよね。
これを、機に、『柳田格之進』の五十両の作り方が、『死神』のサゲみたいに、色んなパターンが誕生したら、それはそれでエポックになるかもしれません。

次回、三三づくしは、12/4です。

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