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大銀座落語祭で知り合い、博多天神落語祭で仲良くなったと言う六人が、「東西落語交流会」と言うユニットを組んで、六人が登場する落語会を、
東は横浜にぎわい座の「のげシャーレホール」、そして、西は天満天神繁昌亭で、不定期に開催しておられて、漸く認知度があがり、 この10月の三連休の初日に品川に呼ばれて、六人以外のお席亭の仕切りで、会が行われた。その翌日に、「東西落語交流会」メンバーでの二人会を、三本連続でやると言うので、通しで参加しました。 本当は「宗助&吉坊二人会」を、らくごカフェで通しで観たかったんですよ。そしたら、予約に出遅れて夜しか取れないと言うので、 それならば、4,000円の木戸銭で、三部通しで聴ける「東西落語交流会」を選びました。そして、その第一部、桂二乗&柳亭小痴楽二人会は、こんな演目でした。 1.のめる/小痴楽 まくらでは、昨日の品川の落語会の後、例によって打上げしたんですが、昇也さんと二乗さんが用事で抜けて、紅一点!太神楽の美千代さんが参加した後、起こった事件を、恨み節のように語る小痴楽さん。 その所以は、一人悪い方向に酔って大虎に化けた人が居たんですよ。それは、ゴリラのような風貌!!圓楽党のエネゴリくん・三遊亭朝橘さん、その人でした。 目が座り、会話が噛み合わず、突然、立ち上がり吠えるエネゴリくん。完全に呆れ返った鉄瓶・佐ん吉・美千代の三人は、エネゴリ包囲網を敷き、一般客にエネゴリが絡まないように監視している。 そして、ゴリさんが何か喋っても、三人は完全無視!!前座さんと小痴楽さんも、何とかエネゴリくんを人間に戻す努力はしたが、無意味に終わり、10時には散会となる。 帰宅した小痴楽さん。今日の仲間達のTwitterをチェックして、寝ようとしていたら、朝橘さんのエネゴリ化する前か?後か?分からないが、 「カチン!!」と来る発言を見つける。それは、一年しか芸歴は先輩じゃないのに、小痴楽さんが手を抜いている!と、言うのである。 若いのに、トリや仲入り前ではない、膝や二番手だったりすると、露骨に軽いネタで、逃げる!と言われているのだ。 大反論する小痴楽さん。寄席の興行を知らない圓楽党丸出しだ!!と言わんばかりで、100%小痴楽さんが正しい。一年先輩なだけで、ベテラン面する朝橘師匠に、 第二部の二人会で、どのくらい大ネタを正攻法で見せてくれるのか?!皆さんが見届けて下さいよ!!と、言われました。 朝橘弄りから、トッぽい若い歯医者にかかり、親知らずを抜かれた話をする小痴楽さん。あまりに、チャラ男な歯科医に治療され不安に。 上の親知らずは、意図も簡単に痛みを患者に与えず抜いたから、『ブラックジャック!!』と内心見直したのだが、下の奥歯・親知らずに係ると一変する。 不安そうに「開かないねぇ〜」と、呟き始める。隣の衛生助手の女性にまで、コレ開かないよねぇ〜と、同意を求め始めた。痛くはないが不安を感じた小痴楽さん。 そんな状態が、10分15分続き、長い沈黙の後で、いきなりチャラ男が叫ぶ!「開いた!開いた、ぜ、ベイビー?!」そう言った次の瞬間、 右手に持っていた、バールのような器具を深く差し込んで親知らずを勢いよく抜く、すると、過去に経験した事がない激痛が小痴楽さんを襲う。だから、思わず叫ぶ小痴楽さん。 アッ!痛い すると、チャラ男が、「患者さんにも、分かるのかな?開いたの!!、今、言いましたよね、開いたって?」 意識が飛びかけて、小痴楽さん、馬鹿!開いたじゃねぇ、アッ痛だ!! 更に、月例三三で聞いた、弟弟子・信楽さんが慶応卒なのが鼻に付く話を振る。いくらなんでも、マクラ長いぞ!と、思ったら、理由がありました。 それは、この日、カメラが入っていて、全部収録されていて、このマクラ/ピロトークで昇太師匠が気にいるマクラを触れたら、昇太師匠の新番組で、四分オンエアーされて、ボーナスのギャラまで貰える企画だったのです。 だから、20分近く小痴楽さんが、マクラを振り続ける訳です。ただ、この日、昼1時スタートだったから、小痴楽さん、やや噛み噛みでした。 さて、本編の『のめる』。うーん、糠漬のところは、悪くないのだが、詰将棋が、ビックリするぐらい駄目!将棋に成っていません。 駒の動かし方ぐらいと、定石・専門用語は覚えましょう。騙される方は、大の将棋好きなんだから。 2.天神山/二乗 さて、東京では珍しい噺をと言うから、何を?!と、思ったら、まさかの『天神山』でした。ひと時代を築く上方落語の人気者は、必ずこの『天神山』をやっていました。 小文枝師匠!先代文枝の小文枝ですね。更には売れに売れていた、こんなんかなぁ〜の仁鶴。そして、私が生で一番見たのが枝雀さんでした。 枝雀さんが、『天神山』でガンガン受けてた時代には、もう、文枝師匠も仁鶴さんも、『天神山』は、まずやりませんでした。 さて、この噺は、ご通過ならご存知のように、江戸でも、比較的よく掛かり、古今亭はお家芸のように演じている『安兵衛狐』が、この『天神山』です。 二乗さんのは、ゆったりと皇状な感じに聞こえる展開で、不思議な『天神山』でした。あと、変チキをしきりに説明しはったが、通じますよ。 3.風呂敷/小痴楽 そうそう、小痴楽さんの出囃子は、「将門」です。彼は芸術協会だから問題ありませんが、この出囃子を使う落語協会側の師匠は、馬桜師匠です。 馬桜師匠、どう思っているのか?!偏屈ですからねぇ、馬桜師匠。そうだ!雲助師匠の出囃子「箱根八里」も、芸協では夏丸さんが使っていますよね。 こちらは、特に、双方が何とも思わないだろうと思います。 さて、小痴楽さんの『風呂敷』本人は好きみたいですね。落語としての完成度は、恐ろしく低いんだが、兄貴ん家に掛け込んで来る女だけは、可愛いんですよ。 馬鹿な女を、可愛く描けこその落語ってあると思いますが、それを感性・感覚だけで、できてしまうんですよね。 立川談志も、可愛い女性を演じいましたが、あんな感じに計算してできた女性ではなく、小痴楽さんだけの生まれ持った感性の産物です。 4.景清/二乗 こちらは、二乗さんのはんなりした芸が生きていました。米朝一門らしい『景清』です。願掛けした信心の満願に、お籠りして同じめくら参りの女性をナンパしても、いやらしく聞こえないのが、米朝流です。 |
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朝7時50分頃に日本橋亭に到着すると、既に列が形成されていて、15番目くらいか?楽屋口のドア前ぐらいのポジションだった。
そこから、9時くらいまでに80人くらいの列に成長しました。流石、松之丞人気ですね。若い女性と子供さんも、パラパラ並んでおりました。 そんな、百人の超満員の朝練講談会二日目!こんな演目でした。 ・出世浄瑠璃…梅湯 ・赤穂義士銘々傳「安兵衛駆け付け〜婿入り」…松之丞 1.出世浄瑠璃/梅湯 初めて聴くネタでした。地味な物語です。ある下級武士二人組が、江戸から信濃の国本へ帰る道中、参勤交代で江戸に向かう、自身の藩の隣国の領主一行とすれ違う。 ヒョンな事から、二人は、この大名行列の休憩中に、隣国の殿様の前で、江戸で今流行っている浄瑠璃を披露して、大いに喜ばれる。 三年の歳月が流れたある日、二人の侍の領主と、隣国の領主が、江戸城の茶会で顔を合わせて歓談する中で、隣国領主が、うっかり、碓氷峠で貴方の部下二人に会ったと言ってしまう。 隣国領主は、二人と絶対に他言しないと、男と男の約束を交わしていたので、咄嗟に、嘘を語りだす。その嘘とは… 参勤交代の休憩中に、猪に行列が襲われて、行列は大混乱に陥る。しかも、猪になまじ攻撃を仕掛けた為に、猪を手負いにさせ、一層どう猛な獣にさせてしまう。 そんな時、二人が碓氷峠に通り掛かり、猪をアッと言う間に退治してしまい。大名行列は、一人の死者どころか、怪我人も出さずに江戸へと到着する事が出来たと礼を言う。 二人の侍は、この功績で、足軽から百石取りの家来に出世して、隣国領主の嘘を誠にせんと、文武両道に励み、立派な武士となって、益々、殿様の為に働いたと言う噺でした。 梅湯さん、こいう地味な物語が好きですよね。 2.安兵衛駆け付け〜婿入り/松之丞 まだ、入りますよね。と、超満員で入りきれなくなり、舞台の脇にまで客を入れるレベルまでの異常大入りを期待している松之丞さん。 この日は松之丞さん、朝練講談会の後が、神田愛山先生の会にゲスト出演。しかも、ここ日本橋亭に居続け。普段は、楽屋を明け渡すから、11時に完全撤収!! それが、この日は、時間を気にせず演じられる。しかし、俺は天邪鬼だからなぁ、逆に短くチャッチャと短く終わらせるかな?と、言いながら一時間近い、長講一席になりました。 尚、夜も圓遊師匠の会のゲストで出演するので、松之丞さん、一日中お江戸日本橋亭でした。 安兵衛の駆け付けは、簡単な荒らすじを説明しながら、実にカッコよく高田馬場の決闘に安兵衛が掛け付ける場面を、修羅場で読みだすんです。 更に、この決闘を見ているのが、堀部弥兵衛金丸の妻と娘。安兵衛が紋付の袂を、縄でタスキ十字に綾なそうとしたのを見て、娘のしごきを取って母親が安兵衛に投げて渡します。 そして、シンデレラみたいにしごきが似合う娘を品定めしながら探したりはせず、そのしごきは質に入れて銭にして、呑んでしまう、安兵衛でした。 後日、金丸が安兵衛の長屋に押し掛けて、娘の婿にと申し出ると、安兵衛も金丸の人柄に惚れて、中山家再興を諦めて、堀部家へ婿養子に入ってしまう。 更に、安兵衛は、浅野家の家臣として、内匠頭に接見するのだが、酒を喰らい過ぎて、不覚にも酩酊し寝てしまう。そんな安兵衛を内匠頭は、優しく自身の羽織を掛けてやる。 目を覚ました安兵衛、一生この殿様に仕えると決心するのでした。相変わらず、緩急と喜怒哀楽の仕込み表現が上手い!松之丞さんでした。 そうそう、最近必ず終演後に、物販しています。本、CD、100人入ると、数人買っていますよ必ず。サインも握手もしてくれるし。まるで、アイドルです。 |
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南足柄の「金時寄席」後は、これでした。前日金曜日の横浜から、三連続の柳家三三独演会!初めてかも?!
そんな通算7回目の小田原・ギャラリー城山での柳家三三らくご会、こんな内容でした。 ・筍…三三 ・阿弥陀池…八ゑ馬 お仲入り ・橋場の雪…三三 1.筍/三三 マクラでは、夏の暑さを思い出すような陽気に、この日は成ったと、夏が戻って来たかの様な30℃超えの夏日に触れて、真夏のテレビが、 熱中症への啓蒙で、「躊躇わず、冷房をいれましょう!!」「不要な外出は控えましょう!」「外に出て、激しい運動は止めましょう!」 そう言っておきながら、「引き続き、高校野球中継をお楽しみ下さい!!」って… 冷房の無い甲子園球場の、不要な外出をして行う激しい運動を、中継はするんかい!!と、突っ込む三三師匠でした。 そこから、「春は眼を食い、夏は葉を食い、秋は実を食い、そして冬は根を食う」と、マクラを振って本編の『筍』へ。喜多八師匠も、よく寄席などで掛けたネタです。 そんな追悼の意味というのか、喜多八兄さんを忘れませんよ!!と、訴える三三師匠の気持ちを感じる『筍』。早く、小八師匠も、この域に達して欲しいよね。 そして、一日も早く、柳家弥次郎を襲名して欲しいです。 2.阿弥陀池/八ゑ馬 三三ファンでも、小田原のファンは優しいからこの『阿弥陀池』を、ギリ許していましたが、本心は、貴重な一時間のうち、20分も浪費しやがって!!だったと思います。 恵比寿様から鯛のくだりで、「西宮」「今宮」が小田原では、恵比寿を連想できないのは分かるけど、ならば、「目黒」「渋谷」、ビールが有名とか言えば、恵比寿は連想できますよね。 強盗は抜身の刀を持っているのに、首を落とさないのも、意味不明でした。なんか、養殖な感じの上方落語なんですよね。 3.橋場の雪/三三 休憩に出た「金鍔」が美味かった!二個頂いたんですが、甘味嫌いな私が美味いんだから、かなりの金鍔です。 狭いスペースに50人が詰め込まれて、冷房が効かない空間を、いじりながら、本編『橋場の雪』へ。コオロギが庭で鳴いていて、やや冬には早いギャラリー城山でした。 『夢の酒』ではなく、三三師匠は、『橋場の雪』です。定吉がとばっちりを被りながらの、サゲがいいですよね。 |
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週末の三三ロードの第二番目は、年に一度の南足柄市での三三独演会でした。台風25号が東シナ海を通り朝鮮半島にブチ当たって日本海に抜けた為、朝から青空が広がりました。
ただし、秋晴れらしい爽やかな運動会日和ではなく、夏が帰って来た感じで蒸し暑い陽気。そんな昨日、10/6に開催された三三独演会、こんな内容でした。 1.狸札/三三 三三師匠の母上が受付嬢で、小田原地区の三三後援会のボランティアの皆さんが世話役、この写真にあるような雰囲気で飾られた会場で、会が13時にスタートしました。 マクラでは、先の横浜にぎわい座で話した、先月は四つも、台風と地震で仕事にキャンセルが出た件に、ここでも触れてショックの大きさをアピールする師匠。 そんなにクドくはやらず、南足柄・小田原あるあるで、久しぶりに乗った「大雄山鉄道」と「箱根登山鉄道」の話題へ。地元の人に受ける旬なツボを押さえて来ます。 そこから、狸と狐は化けると言う定番マクラを振って、最近三三師匠のマイブームな根多!『狸札』へ。先月、月例三三で聴いたばかりの根多なので、殆ど変わらないのだが、 聴いていて、一つ思いついたくすぐりが在ります。それは、三三師匠が「狸です!」の科白を声色を使い無理に高音の作った声にしていたのを見て思い付いたんですが、 狸の声を別に高音にせず、三三師匠の魅力でもある低音で、ピン芸人のヒロシのような感じのフレーズで「狸です!」とやるんです。 そして、恩返しをなぜしに来たか?を、「狸です、近所のガキが集まって、メンコばしよったとデス。仲間に無性に入りたくて、誰か家に急用で帰るガキん出るとば、ジっと待っとったとデス。 漸く、一人のガキが帰ったとば見留て、間合いを計り、その子に化けて戻って来た程で、何食わぬ顔して、仲間に加わわろうとしたとデス。 ばってんが、いきなりガキたちん『狸バイ!狸ん来た!捕まえろ!狸汁にしよう!』と、殺気立つとデス。 縄でグルグル巻きにされて、狸じゃなか!人間バイって言い訳したと、ばってん、聞き入れて貰えんとデス。 なしならくさ、化けるとば、忘れとったとデス。狸です、狸です、狸です。」とやるのは如何でしょうか? 2.手水廻し/八ゑ馬 私の中では、あまり良い噂を聞かない八ゑ馬さんですが、落語自身には、そんなに好き嫌いは有りません。ただ、関西で活躍する上方落語の咄家さんと比較すると、毎度言いますが養殖と天然の違いみたいなもんを感じます。 『手水廻し』で言うと、ずく念寺の坊主に、手水とはを聞きに行く場面は、知ったかぶりの坊主のキャラクターを立てて、如何にも妖し坊主で演じて欲しい。 あと、大阪の旅館に『手水とは?』を確認しに出掛けるのは、坊主ではなく、田舎の宿屋の主人でないとおかしいでしょう!?そんな疑問が湧いた八ゑ馬さんの『手水廻し』でした。 尚、船から海に決死隊となり、自身の命を投げだして、船の上の仲間の命を救う為の動機小咄は面白かったです。 US人は、「飛び込んだら、ヒーローになれるぜ!」 英国人は、「飛び込んだら、名誉であり紳士として認められます!」 ドイツ人は、「飛び込むと、規則で決められています!」 イタ公は、「飛び込んだら、お娘ちゃんにモテモテでっせ!」 そして、大阪人は、「阪神、優勝したデ!!」 3.笠碁/三三 出囃子が、一瞬、デイビークロケット:昇太師匠の出囃子だったんで、遂に『愛犬チャッピー』をやるのか?!と、思ったら、即、京鹿野子娘道成寺に変わりました。 さて、これまた、月例三三で九月に聴いた根多!!ただし、『笠碁』なら二回聴いても、ノープロブレムです。一度サラっているから滑らかだし、イイノホールほど広くないから、テンポも良く満足でした。 |
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台風がまた来ているという最中、三三師匠の横浜にぎわい座の独演会に行きました。三三師匠って、台風とか大雪とか、地震とか、よう合う咄家だと思います。呪われています。
1.元犬 出囃子が「花咲か爺さん」で登場の三三師匠。本編に入り初めて、出囃子の選曲理由を理解しました。乙!! 九月は、四つの落語会を台風と地震でキャンセルしたとボヤく三三師匠。今日は高座脇にMy「あゆみの箱」を置いて上がりたい気分だったと言う。 四つ飛ぶと、軽く百万円は売上を失うんだろうなぁ、と思った。色々と、予定の出費も有るだろうしね。年収ウン千万円を稼ぐ三三師匠でも、百万円は堪える様子でした。 9月30日に、RAIJIN.13当日のさいたまスーパーアリーナで、三三師匠も昼間落語会を、あのスーパーアリーナに隣接する小ホールで開催した話へ。 三三師匠、昼は埼玉、夜は内幸町の予定だったが、夜の左龍師匠との二人会は、JRが20時で運休するのを受けてかなり、早目に中止をSNSで発表していた。 それでも、SNSを見られない人が休演を知らずに内幸町ホールに来るかも?知れないので、三三師匠と左龍師匠は、19時までホール前で、本日は休演ですと伝える為に待ったそうです。 結局、五人のお客様が知らずに内幸町ホールにやって来たそうです。お待ちした甲斐はあったようでした。 更に話題は、災害に対する寄席の考え方について、三三師匠曰く「鈴本は、歴史も古くエリート意識というか、他の3つの寄席より格上と言う自意識があるから、 無理に興行したりせず、一番先に中止を決める傾向にあり、コレに対して一番真逆の対応を取るのが浅草演芸ホール!!まず、休まない。芸人が来なくても商売っ気満々」 浅草に関しては、文蔵師匠も同じ発言をTwitterで呟いておりました。例えば、爆弾が北朝鮮から発射されました!ってニュースが流れても、浅草だけはやってそうですよね。 そうそう、RAIJINに関連して、ワイドショーで見たと言う、さいたまスーパーアリーナの格闘技の試合を最後まで観戦し、JRが止まったから歩いて帰ったと言う客の話を三三師匠がしました。 さいたまスーパーアリーナから何処まで歩いて帰ったと思います?青梅ですよ!!一日で辿り着けないだろう?マラソンの心得でもあるのか? そんなマクラから、『元犬』へ。一年ぶりくらいかな?三三師匠の『元犬』。また、犬から人間になったシロが、細かく犬時代の癖が残っていて楽しかった! 特に、上総屋さんが、ふんどし→着物と帯→下駄とシロに与えるところが、犬名残で、繰り返しはしゃぐ仕草がたまりません。 2.蒟蒻問答 マクラでは、咄家は呼ばれたら何処へでも行くってキッカケから、学校寄席の話題へ。最近は、「落語ブームだからか?『落語をみっちり聴かせて下さい!』と、先生からリクエストされる。」と、言う三三さん。 しかし、とある学校。マンモス校で600人からの生徒を体育館に集めての高座、明らかに、落語に入る前の段階のマクラで、生徒達が硬く緊張し無理に座らされている空気を出し捲るから、 「緊張しないで下さい。落語なんて、そんなに堅苦しいモノじゃないんですよ。リラックスして、何なら別に席を立って外の空気を吸って来たって構わないんですから!!」と、言った途端!! 今時の高校生は、社交辞令をしらないのか?500人が一斉に居なくなり、先生が慌てて連れ戻す事に… 戻って来たのはいいけど、リラックスさせたら、ザワザワして、落語どころじゃなかったらしい。 そんなマクラから、安中の在に六兵衛さんと言う蒟蒻屋の親方が居てと、定型のマクラに移り『蒟蒻問答』へ。アクションたっぷりで、爆笑のうちに前半を〆る三三師匠でした。 3.柳田の堪忍袋 講釈師がやる『柳田』のパターンで、「江州・彦根藩の城主・井伊掃部頭に仕えていた柳田格之進、…」と言う入り方で、殆ど、琴調先生や、志ん朝師匠の入り方と同じ調子で、重く入りる三三師匠。 『元犬』『蒟蒻問答』と、笑いに包まれた客席も15分の仲入り休憩で幾分フラットにはなっていましたが、上手い入りで、会場全体を柳田色にしました。 でね、志ん朝師匠は、柳田格之進と萬屋源兵衛が囲碁を通じて出逢う場面で、自身はヘボな将棋と麻雀はやるが、囲碁はからっきしだと言って、 何が一番の趣味かと言うと、ゴルフだと言う。そして、六代目圓生が生きていたら、落語家の分際で、ゴルフをやるなんて!!と、お小言を食らっただろうなんて客席を和ませる脱線を入れておりました。 特に最近の東京の中堅の咄家は、あんまり、このような独自の脱線をしません。私が言う脱線は、くすぐりとは違って、 噺の途中で、その進行に関係の無い話題をあえて大きく入れて、五分程度、会場の空気を演者の好みの色に変える事を言います。 これね、『柳田格之進』を講釈で45分聴くと分かりますが、辛いよ。ドヨーンとした重い空気が、番頭の徳兵衛が旦那様への嫉妬から、柳田に意地悪し始めると、 最後に柳田が、碁盤を叩き割るまで、真冬の日本海みたいな暗さが、ドンドン加速するんですよね。特に今の若い講釈師は、一切脱線なんてセズに語り上げますから。 でねぇ、脱線はしないけど、琴調先生や志の輔師匠は、巧妙な笑いを途中に仕込んで、上手く緊張を緩和して来ます。実に巧妙です。 ただね、真面目な古いファンや、古参の同業者は影で悪口を言うねぇ。何で志の輔は、あんな科白を挟むんだ!琴調の今のダジャレは何だ!みたいな事を言う輩を知っています。 脱線は、談志師匠も上手く使っていました。あんまり、談志信者が自分の芸に酔って思考が鈍り、物語に乗れなくならないよう脱線していました。 談春さんも脱線しますね。上手い時と、そこで止めないで!の両方がありますね。基本、談春師は、自分が緊張に耐えられなくて止めたり、羞恥心が高まり過ぎて止めるんだよなぁ。惜しい気がします。 小三治師も、本編に入ると計算を含めて脱線はしない芸風です。ただ、マクラが脱線し捲るから、あれで本編も脱線したら、終わらなくなりますよね。 若手、中堅では、談春さんぐらいかなぁ?脱線するの。志らく師匠も、やりそうで脱線はしませんよね。志の輔師匠みたいに、緊張の緩和は入れて来ますけどね。 さて、私自身が、脱線の話に脱線してしまったから、話を元に戻します。三三師匠の『柳田』ですが、淡々と柳田が、萬屋の番頭・徳兵衛から盗んだ五十両を返せと迫られて、 身に覚えはないが、奉行所に訴えられては困るからと、娘が苦界に身を沈めてと言う言葉を聞き入れて、五十両を徳兵衛に差し出す。 柳田は、徳兵衛に銭を渡すと、長屋から転宅し所在が分からなくなる。それが八月十六日の事で、光陰矢の如し!四ヶ月が過ぎ師走の十三日、煤払いをしていて、五十両の行方が知れる。 萬屋を上げて柳田の消息を探すが見つからぬまま、新玉の春が訪れる。年始参りの湯島の切り通しの坂で、徳兵衛と柳田がバッタリ出会う、そして、五十両が出た事を聞いて柳田激怒!! 翌日、萬屋を訪ねるから、源兵衛!徳兵衛!首を洗って待っておれ!と言い放つ柳田。打ち拉がれて萬屋へ戻る徳兵衛。先に帰っていた、香具師の頭が、源兵衛に柳田の所在か知れたと伝えていたので、 徳兵衛は、かくかくしかじか、明日、柳田が見える事を主人に伝えて、命の無い事を覚悟して、何とか主人の命ばかりは救えないものかと、悩む。 そして、お定まりの、主人源兵衛と、番頭徳兵衛が互いを庇い合い、主従の絆の深さに感動して首を落とすつもりで来たのに許してしまう。 ここまでは、良いのだが、三三師匠の柳田は、娘を吉原に売って五十両作っていないんです。井伊掃部頭様から拝領した業物の名刀を売って五十両作るんです。武士である事より家族が大切だと知り!! そして、当然、武士なんかに拘らず刀を売るぐらいだから、仕官はしていません。街場の道場で剣術の指南をしたり、子供達に素読指南をしながら暮らしていたんです。 だったら、名刀を持っているより、仏像の中から台座の紙が剥がれて出て来い五十両!!と、思ったのは、私だけ!? 娘売ってなかったら、徳兵衛を湯島の料理屋で脅すなよ!って思いませんか? それよりも、何より、武士をそんなに簡単に諦められる、ある意味合理的な人が、堅物過ぎて藩をクビになったりするのか? 柳田って、偏屈で不器用な武士しか勤まらん男ちゃうんかぁ?そこに源兵衛は惚れたんやとばかり思てたのに… 一番腑に落ちないのが、娘を苦界に沈めてへんのなら、二人の首も取らんし、碁盤も割らないサゲにして欲しいワ。 あと、仏像から出る以外にも、富くじに当たる、芝の浜で拾うとか、刀売る以外にも、落語らしい五十両の作り方が有りますよね。 これを、機に、『柳田格之進』の五十両の作り方が、『死神』のサゲみたいに、色んなパターンが誕生したら、それはそれでエポックになるかもしれません。 次回、三三づくしは、12/4です。 |


