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毎月巣鴨地蔵の縁日に合わせて開催されている、古今亭の一門が出演する、なかなか豪華な顔付の名物落語会です。
暫く無沙汰だったのですが、日曜日だったので参加してみました。本来なら駒治さんが参加する予定でしたが、 国立演芸場での真打披露と重なり、この日は代演として、菊志ん師匠が参加されて、こんな内容でした。 ・道灌…文菊 ・長短…左橋 ・二番煎じ…やまと お仲入り ・権助提灯…菊志ん ・お見立て…馬石 1.道灌/文菊 前日の土曜日は、愛知県知多半島にあるお寺さんでの落語会だったと話す文菊師匠。やや前日の打ち上げの酒が残っている感じで、声も枯れていました。 前回のその寺での落語会は、泊まりだったが、今回は「巣鴨の昼寄席」があるからと、住職に帰るんですか?!と、言われつつ日帰りした文菊さん。 何でもその泊まりになった回は、記憶を無くすくらいに飲んでしまい、カラオケに行ったと、今回言われたが、全く覚えていない。 また、カラオケで、女の子も一緒で、その子の唇を奪ったらしいのだが、それも全く覚えていないと言っておられました。でも、住職曰く「そんな事、気にしない!気にしない!」 お前は、一休さんか?! お坊さんからお墨付を貰った、と、文菊師匠は仰っておりました。更に、マクラは浅草演芸ホールで「圓菊七回忌追善興行」が行われていると言う宣伝へ。 仲入り後に、圓菊一門の弟子たちの座談会をやり、圓菊師匠の思い出を語るコーナーがあり、会場の客席に、「圓菊を知っている人?」と問い掛けると、三人しか手が上がらなかったらしい。 聞かなきゃ良かったと言っていました文菊師匠。三人しか知らない人の話を20分するのかぁ、と、思ったようです。文菊師匠の浅草の披露目の三日目に、圓菊師匠は亡くなっていますからね。 最後に落語心中の話を少しして、岡田将生くんのようなイケメン咄家は居ない!と、力説し、また、初めて寄席に来る若者が増えるのか?そんな話をして、『道灌』へ。 隠居も、八五郎にも、なんとなく品がある文菊師匠の『道灌』です。八五郎は、言葉使いは職人気質で荒いけど、品が御座います。 雰囲気全体が、柳家が演じる『道灌』とは、リズムが違いますね。柳家は落語らしいリズムを大切に、言葉は二の次ですが、どちらかと言うこと、言葉ありきで演じます。何とも新鮮に聞こえる『道灌』でした。 2.長短/左橋 出囃子が鞍馬でした。マクラでは、まず最初に駒治さんをいじる左橋師匠。四の日昼席は、五年以上前に今日だと決まっているんだから、 なぜ、国立演芸場の披露目を四日にするんだ?五人で調整できるんだから、別な日を選べば良いのにと、駒治さんの計画性の無さを指摘しておりました。 続けて、浅草の圓菊追善公演の出番が、林家ぺーさんの直後に出ている話へ。時間を守らないぺー先生。特別公演だから、番組が押していて、立て前座から15分の持ち時間ですが、12分でと言われて出るのに、18分とか平気で歌って降りて来る。 後の左橋師匠は、ぺー先生の歌「ルージュの伝言」を毎日3分聞かされている。すると、風呂で鼻歌を歌って、ビック!!としたそうです。そう!出た鼻歌が「ルージュの伝言」。 更に、テレビのドッキリ番組で、箱根・小涌園で溶ける海水パンツのドッキリに、左橋師匠とぺー先生が一緒に引っかかった話をされました。 水着が溶けて、泣いていたモデルさんに、ぺー先生が容赦なくカメラのシャッターを切っていたそうです。その頃から、空気読めないマイペースなんですね。 長めのマクラから『長短』へ。長さんの方が異常にスローモーな描写じゃなくて、私はこの方が好きです。短七は、チャキチャキの江戸っ子!十分くらいの尺で終わりました。 3,二番煎じ/やまと マクラの頭では、ジュリー弄りから入るやまと師匠。お客様が一人でも入ればやります宣言するやまと師匠の話を聞いていて、 下北沢で、千円一時間ライブをやっていた志の輔師匠のエピソードを思い出しました。まだ、二つ目に成り立てで、知名度も無くやっていた頃です。 強い雨で、小田急も井の頭線もかろうじて動いていた日、客が2名しか入っていないけど、幕を開けた志の輔師匠。 千円の入場料が、何となくすまなく思った志の輔師匠は、発売間もない「燗番娘」をスタッフに買いに行かせて、客席のお二人と志の輔さんの三人で、熱燗を飲みながらトークしたそうです。 寒い季節になると、火の用心の夜回りが来ると言う話題を振り、火の用心の番太郎も老齢化が進んでいる。 江戸時代の防火・消火の話に触れて、水で消すのではなく、火の進路にある家を壊して延焼を防いだから、長屋は壊し易く作られていた。 だから、『三方一両損』に登場するように、長屋は薄い壁で、隣で喧嘩が始まると、それはそれは、大変でした。 そんなマクラから、本編の『二番煎じ』へ。火の用心の番太郎、五人。月番さん、伊勢屋さん、黒川先生、宗助さん、辰っさんの五人、それぞれのキャラが立っていて良い。 猪鍋を食べながら熱燗をやる場面も美味しいそうでしたが、見廻り役人が来た時に、鍋の上に宗助さんが乗らないのと、月番さんが、言い訳に、あまり宗助さんを弄りませんでした。一回だけでした。 私は、あの月番が、これでもかと、宗助さんが!宗助さんが!と言う展開が好きです。 4.権助提灯/菊志ん 久しぶりに、スタジオフォーに来たと言う菊志ん師匠、ココは、三階に楽屋があり、高座が入口奥に、今は設けられていて、なぜか?奥まで進む通路の脇に衝立で、歩く演者を客席から見えなくするゾーンがある。 この途中、隠れる衝立ゾーンの意図がイマイチ分からないと突っ込む菊志ん師匠でしたが、これには、深い訳がありまして、昔は、高座が逆に入口の側に設けられていたんです。 だから、開場して客席にお客様が入ってから、三階の楽屋から下りてきて高座に上がる演者が見えないように、衝立で入口を客席から見えなくしていたんです。 その衝立がせっかくあるので、何となく高座への登り口に今尚配置しているんだと思います。因みに、高座の位置が変わったのは、消防からの指摘だと聞いています。 以前の配置だと、火災の時には、衝立を蹴破って逃げるような構造でしたからね。 さて、菊志ん師匠も、浅草に出演されていて、浅草のお客さんは、本当に落語を聴く気持ちの少ないお客が多いと言う話題から、少し前に団体客50人の予約の興行が最悪だったらしい。 通常は、70%がタダ券のお客様の浅草演芸ホールだから、万一、予約の団体が一階に座れないと問題なので、その日はタダ券が使えない日にしたらしい。 すると、大方の予想どおり、ほぼ団体客50人だけで、閑古鳥が鳴いている客席。また、落語なんて聴く気も少なく、絶えずザワザワしていた。 菊志ん師匠は、『お花半七』をやり始めて半七が霊岸島の叔父さんの家へ向かって行く、それをお花が追いかける場面で、半七が無言の仕草で、追い掛けて来るお花を、チラ見する処で、 一人の客が、大きなクシャミをすると、落語に関係なく、それが仲間に受けてしまう。更に、ザワザワが強くなりそうだったので、 クシャミを霊岸島の叔父さんがやったように上手く取り込んで話を続けたら、それはそれで、客席は、上手い事処理したと、拍手が返り中の一人に「ナイス!」とか言われて、やりにくい空気だったそうです。 そんなマクラから、『権助提灯』へ。権助、女将さん、お妾さんの個性が、旦那さんに向けられます。この噺は、権助は勿論ですが、女房と妾が、互いに気を使う程で始まる遠慮が、だんだん維持になって行く面白さだと思います。 『井戸の茶碗』の五十両を受け取らない場面に通じるものを感じます。更に、権助が混ぜ返して笑いが増す。菊志ん師匠、なかなか笑いが多く良かったです。 5.お見立て/馬石 トリは、馬石師匠でした、マクラは、水商、色街の話を軽く振って、本編タップリの『お見立て』。馬石師匠の声って、役者の梅雀さんに似て来ていると思いませんか? 喜瀬川、喜助、そして杢兵衛大尽。この三人の個性と、バランスが三等分な感じが、墓参りに行ってしまう事になる、流れに無駄がない。 全体で30分以上掛かったとは思えない、流れの良さがありました。最初、会話も展開も緩いんです。喜瀬川を呼べ!から病ですぐらいまでは。 それが、喜助が花魁は恋患いで、食事も喉を通らず死にました!と、お茶を涙にして、それなら墓参りだ!と、杢兵衛さんに山谷の寺に連れられる辺りまでは、スピード感が増して良い感じのサゲへ。 全体の昼席の流れも良いんですよ、道灌→長短→二番煎じ→権助提灯→お見立てという。古今亭の芸を本当に堪能しました。 この会は全て予約無しの当時。5回8000円の前売り券がお得です。期限有りませんから、土日・祝日しか行けない人も前売り券を是非。 |
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2018年11月07日
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