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今年最後の萬橘師匠の独演会でした。前回見えなかった小学生の女の子が、今回は来ていて、なんかいいですよね。純真な10才くらいの可愛い女の子が客席に居ると。
で、少しお母さんを通して、なぜ、萬橘師匠の落語会に来ているか?この事情を聞いてみたんですよ。
すると、萬橘師匠のマクラでも聞いた事のある、埼玉県の桶川だか川越だかで、夏休みに五代目圓楽の会の皆さんは、小学生落語教室をやっていて、その生徒さんだったんです。
その落語教室は今年で二年目の、小学三年生だと分かりました。図書館から借りた本を毎回開演前に、彼女は読んで待つんだが、一年生・二年生にしては、難しそうな本だと思っていて、納得です。
さて、そんな今年最後の「四季の萬会」、加藤さんの美しいお品書きでお送りします、こんな内容でした。
1.日和違い/まん坊
これを枝雀さん以外で聞いたのは、多分、初めてです。誰から習ったのかな?さて、『日和違い』は、こんな噺です。
八五郎が、これから先の天気を聞くと、先生と呼ばれるご隠居が、「今日は、雨が降る天気じゃないよ!」と言われ、傘を持たずに外出すると、村雨を喰らって道灌になる。
やっとの思いで米屋の軒先で雨宿り。雨が止む気配がないから、米屋の番頭に傘を借りようとするが、見知らぬ貴方には貸せませんと断られる。
仕方ないので、八五郎、蓑笠の代用に、米俵とさんだらぼっちを貰って、これを着て長屋へと帰るのだが、道行く人に笑われる。
恥をかいたのは、隠居が「雨は降らない!」そう言ったからだと、苦情を言いに隠居の家へ。しかし、謝ると言う事を知らない隠居さんは、ここでも、屁理屈を捏ねる。
「雨は降らない」なんて言わない、「今日は雨が降る、(だから)、天気じゃない!」そう言ったんだと、八五郎をやり込める。
この後、天気が回復して曇りになるが、八五郎、完全に疑心暗鬼になり、再度、外出するか?傘を持って出るか?迷いに迷う。
そして、八五郎が出した結論は、長屋の前の通行人に、今後の天気の行方をアンケートして、多数決で決めようと試みるのだが…
最後は、実の爺さんが元漁師で、天気の事は任せろ!と、常々言っいたのを思い出して、爺さん家まで、今後の天気を尋ねに出向く八五郎。
八五郎の問いに、胸を張って「東の空が白んで来て光が射しているから晴れだ!」と言う爺さんの予報を聞いても、疑う八五郎。すると、
爺さんが「ワシは、嘘を付く男じゃない!!」と憤慨ぎみに言うと、八五郎が、「ワシは嘘を付く」、だから「男じゃない!!」。えぇーっ、爺さん、本当は婆さんだったの?が、サゲになります。
まん坊さん、10分くらいで、上手くコンパクトに演じてくれました。ちょっとびっくりの開口一番でした。
2.初音の鼓/萬橘
マクラで、まず、NHK落語新人大賞を取った桂三度さんと初めて一緒に落語会をして、打上げをと、誘われた話からでした。
三度さんが、芸人キャリアは上だが、咄家キャリアでは、萬橘師匠の方が上何で、萬橘兄さんが払っての打上げに。
三度さんから、近頃のニュースに、ストレスが溜まっている学校の先生が、酒を飲むとタガが外れたようになり、不祥事を起こしますが、
萬橘兄さんは、そんな校長や教頭に、良く似ていますよ!!と、酒も飲めない萬橘師匠を、つい最近、不祥事を起こした副校長の事件を例に上げてしみじみ言われたらしい。
このエピソード、学校での事件なだけに、小学生の女の子が知っていて、凄く笑っていました。教員の慰安旅行かなんかで、男性副校長が酔った勢いで女湯に乱入して、放尿した事件です。
この後、オシッコの話になり、男性用トイレの小専用の便器の前に、普通は「一歩前進!で、お願いします。」だが、小料理屋などで、洒落た文句が貼られていると、紹介する萬橘師匠。
なんでも、「慌てて零すな、松茸の露」みたいな洒落た文句があると、紹介したら、女の子が笑い、安心する萬橘師匠でした。
そんなマクラから、『初音の鼓』へ。あまり工夫する余地の無い噺だから、普通に10分くらいで終わりました。もう少し、殿様に貫禄が欲しいと思いました。
3.転宅/文蔵
横に長い会場に、視線が定まらないと、戸惑いを口にしながら、少しずつマクラを振って、客の様子を掴むのは、流石!三十年選手だなぁ〜と思いました。
さて、本編の『転宅』ですが、まず、泥棒が残り物を食べ漁る場面で、芋を箸で刺しながら食べるのが、コミカルで楽しい。マグロのお刺身と、ヌタは、皆さんやるけどね。
あと、お菊が如何にも年増って感じの色気を吐き、間抜けな泥棒が、当てられる感じが、文蔵師匠らしい独特の笑いになります。そして最後は、タバコ屋夫婦が、仕上げてくれます。
4.替り目/萬橘
家族の話題から、娘さん、奥さんと振って上手く『替り目』へ。娘さんだけは、咄家にはしたくないと言う萬橘さん。しかし、娘さんは着実に咄家気質を身に付けている。
ある日、萬橘師匠が、アッ仕事に遅れると、慌てて着物をキャリーバックに詰めていたら、「そいつぁ、てぇへんだ!!ねぇ、旦那?」と、言われたらしい。
また、萬橘師匠お馴染み、チーズの話でも、娘さんのエピソードが。娘さんを愛する萬橘さんの様子が伝わりました。娘さんの話に、一層目が輝く客席の女の子!!
一方、奥さんは、咄家の女房です。亭主の芸を、上野のパンダに例えるのは、面白い。六代目圓生一門だけに、パンダとは浅からぬ縁ですからね。
さて、本編の『替り目』。佐野さで一でぇーなぁーしぃ、と酔っ払いが唄う場面から始まり、俥やに掴まり、オーソドックスに、女房におでんを買いに行かせる迄、展開する。おでんタネの短縮系の言葉遊びも型通りだ。
萬橘師匠にしては、珍しく、実は女房には感謝していると、奥さんを褒めるところも、型通りに展開し、ここで切らずに、うどん屋が登場する本来の下げまでやる。
新内流しは、登場しないが、うどん屋の悲劇は、酒の燗付けと、海苔を焼くだけでなく、萬橘師匠版らしく、布団まで敷かされるのは可笑しい。
もう少し、中盤と後半がテンポよく展開されて、あと五分詰まると更に良くなると思いました。
次回四季の萬会は、ゲストに柳家喬太郎師匠を迎えて、四月六日土曜日です。
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2018年12月09日
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