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江戸落語には、色んな性格の登場人物が出て参ります。今日は、そんな江戸落語の登場人物について、少し考えてみる事にします。
まず、八五郎と熊五郎の二人です。同じ長屋に住んでいるという設定が多々あるのですが、意外と両雄が共に登場する噺は多くありません。
揃い踏みの噺には、『天災』。八五郎が妻だけでなく、母親も離縁する!と、隠居を訪ね離縁状の代書を頼みますが、とりあえず頭を冷やせ!!
心学の学者;紅羅坊名丸先生から、有り難い話を聞いて来い!と、言われます。その講義を聞いた八五郎、意外にも感銘を受けて、 この名丸先生から得た学問の知識を誰かに聞かせたい!という欲求から、思い切り付け焼き刃なのに、熊五郎が先妻を相手に喧嘩をしたと聞いて、 八五郎が、この仲裁に出向き、付け焼き刃な説教を熊五郎相手にぶつのですが… 実に落語らしく展開されるお噺です。 他にも、『天狗裁き』や『粗忽長屋』なんて両雄が登場する噺もありますが、江戸っ子、職人、粗忽、無筆ってな感じの部分は似ております。
ただ私が思うに、熊さん(熊五郎)の方は、学問や芸術、芸能には殆ど無頓着ですが、八っさん(八五郎)の方は好奇心からの興味はある。 『子別れ』の熊五郎も、そんなキャラクターだと思います。 さて、この八五郎の長屋でのお友達が、ご隠居です。八五郎が隠居の家を訪ねて、そこから噺が始まるって展開が、江戸落語には数多くあります。
そして二人は、合縁奇縁と申しましょうか?非常に気が合い、八五郎は困った時だけでなく、仕事が半チクで暇に成った時もご隠居を訪ねます。 また、ご隠居さんも娘夫婦からの仕送りで、お婆さんとの二人暮らしだから、書画骨董、短歌/俳句/狂歌と多趣味で風流三昧の暮らしです。 そんな所へ、八五郎が来るもんだから、薀蓄を披露し、所蔵品の数々を見せて、自慢したくなるのも無理はない。 ただ、このご隠居の自慢は、さほど嫌味が無いので、八五郎にも受け入れられるし、何か知りたい時にはご隠居を頼りにしています。 尚、このご隠居にも、唯一玉に瑕と言っていい欠点・短所がある。それは、知ったかぶりをして、知らない!と言えない事です。 最も登場回数が多い、八五郎、熊五郎、ご隠居さんの三人に続く、江戸落語に登場するスターは、与太郎ではないでしょうか?
落語の常套句で「八っさん、熊さん、横丁のご隠居さん、馬鹿で与太郎と申しますが…」と、紹介される与太郎ですが、本当に単なる馬鹿でしょうか? 私は、立川談志、志らくの師匠と弟子が言うように、どこか哲学的な信念を持ち、世捨て人のようで、世間を斜めから見ている男なのでは?と思います。 与太郎が登場したので、似て非なるキャラクター甚平さんについても紹介します。『火焔太鼓』『熊の皮』『鮑のし』などに登場する甚平さん。 先の常套句で言うと「人が良いのが甚平さん」と表現されますが、特に、『熊の皮』『鮑のし』では、馬鹿の要素を加えて演じられるので、 与太郎との区別がつかないように演じる咄家も少なくありません。女房の尻に敷かれてはいますが、馬鹿というより、怠け者?仕事嫌いなだけです。 『火焔太鼓』だって、甚平さんは道具屋をやっていますが、決して商売熱心ではありません。女房に尻を叩かれ、やもうえず商売しています。 最後に、女性も一人紹介しましょう、お崎さん。色んな噺に複数のキャラクターで登場しますが、統一性のあるキャラクターは、
非常に賢く、やりくり上手の働き者。ただし、男運がないのか?男を見る目がありません。ろくでもない亭主と一緒になっています。 例外は、『不動坊』のお崎さん。これは美人の後家なので、例えば『厩火事』のお崎さんとは別人?なくらいにキャラが違います。 とりあえず、今回は初回という事で、また、機会があれば、複数回登場する江戸落語の登場人物を、考察を加えて紹介します。 |
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2018年08月11日
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