|
町人の中でよく登場する人物だけど、意識して後回しにしていたのが、今回冒頭で紹介する「大家さん」です。
この大家さん、町役人でそれなりの地位もあり、長屋を管理して家主と店子の間を取り持つ、重要な人物にも関わらず、
なぜか?落語の中では、好人物としては扱われない傾向にあります。「しみったれ大家!」「因業大家!」と店子からは嫌われる役目ですね。
まぁ、店賃の徴収を、この大家さんがするので、どうも長屋の住人からは、尊敬されにくい立場に在ったようです。
ただ、よく薮さんも仰ってますが、『大工調べ』『らくだ』、たとえ『唐茄子屋政談』の大家だって、正義はおそらく大家側にあると思われます。
しかし、それでも、冷徹に店賃を徴収する大家は、多くの長屋の住人からは、嫌われそして恐れられていたに違いありません。
とはいえ、大家の中にも、希に『井戸の茶碗』、千代田卜斎が住む長屋の大家さんなどは、それなりに活躍する大家さんも登場します。
さて、町人で残る落語のスターは、若旦那と親旦那ではないでしょうか?特に若旦那は固有名詞がある場合も含めると、
結構な数の話に登場し、若旦那が主人公の噺は、意外と大根多で、広く落語ファンに知られている噺が多いと思います。
そして、若旦那は、概ね放蕩者。若旦那が登場する噺を、思い付くものだけでも揚げてみると、こんなに沢山ありました。
【若旦那の噺】 【親旦那の噺】
お富與三郎 おせつ徳三郎
たちきり お神酒徳利
ちきり伊勢屋 しの字嫌い
山崎屋 山崎屋
よやちょろ よやちょろ
宮戸川 宮戸川
九州吹き戻し 笠碁
江戸の夢 金明竹
紙屑屋 権助魚
七段目 七段目
宗論 宗論
親子酒 親子酒
酢豆腐 権助提灯
崇徳院 崇徳院
千両みかん 千両みかん
擬宝珠 擬宝珠
船徳 四段目
不孝者 不孝者
唐茄子屋政談 星野屋
嶋鵆沖白浪 帯久
湯屋番 試し酒
二階ぞめき 茶の湯
片棒 片棒
夢の酒 夢の酒
明烏 明烏
木乃伊取り 木乃伊取り
六尺棒 六尺棒
幇間腹 佃祭
味噌蔵
二番煎じ
百年目
悋気の独楽
寝床
鸚鵡の徳利
意外と、若旦那より、親旦那が活躍する噺の方が私が思い付いた中だと六席多かった。両方が登場し絡む噺は十五席思い付きました。
親旦那、大旦那は、『六尺棒』『宮戸川』に登場する固物オヤジも居ますが、『不孝者』『明烏』のように昔は放蕩した末の大旦那も居ます。
さてのこの他に町人で、複数回登場するのは?と考えたが、なかなか登場しない。大工の棟梁、政五郎。『大工調べ』と『三井の大黒』、
そしてその二代目が『ねずみ』に登場する。政五郎と言えば、幕末の口入屋、相模屋政五郎が有名ですね。新門辰五郎と肩を並べる侠客です。
最後に、糊やの婆ぁ。これは、コメントを頂いて思い出しました。落語では、大家さんが店子に嫁を世話すると言う場面で、
「この長屋で独身の女と言えば、糊やの婆!!」と、名前だけが使われます。「あの婆は、78ですよ!!」みたいな感じで。
ところが、講釈だと糊やの婆は、もう一つの顔を持っていて、番屋に出入して、井戸端会議で得た情報を、岡っ引や同心に売っている長屋のスパイ!
貞心先生の十八番で有名な「八百蔵吉五郎」という話で、糊やの婆が吉五郎だと見破り、番屋に掛け込み捕り方を呼ぶシーンがあります。
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2018年08月16日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]



