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友人が行けなくなったと言うので、臨時の参加になりました。突然、秋雨?みたいな肌寒い14日の金曜日、三三ファンで超満員のイイノホール!こんな演目でした。
1.狸札/三三 マクラでは、喋りたい事が沢山あるのだが… と、言つつ口ごもる感じの三三師匠。てっきり、北海道地震で札幌居残りだった話をするのか?と、思ったら、意外な話題へ。 この月例三三へ来る前の仕事が、「交通安全週間のキャンペーン」。なんでも、小学校時代の同級生が警視庁安全課に居て、是非にと頼まれたそうです。 キャンペーンの場所は、羽田空港第一ターミナル、そう!あの吹き抜けになっている土産物売り場の中央、そこに仮設高座が作られて、何処の結婚式場から持って来たの?と、尋ねたくなるような、立派な金屏風が用意されていた。 ただし、警察官なんて、金屏風を扱いなれていないからか?常識知らずなのか?その立派な金屏風を裏返しに立てていたそうです。 そもそも、月例の昼間の仕事だったので、誰が二つ目に頼めるなら変わって貰いたい仕事だったと言う三三師匠。しかし、あまりにもギャラが安いので、気の毒過ぎて自分が行ったと言うギャラが、 「駐車違反の反則金一回分」 勿論、普通車両で1点の場合くらいの金額だったんでしょうね。3点で大型車両の罰金くらいなら、行きます!と言う二つ目は居るはずだと思います。 でね、月例三三はゲストに二つ目がでますよね。このゲストが同協会の正太郎さんや、市馬師匠の弟子の市楽、市弥あたりの連中だったら、抱き合わせで頼めたが、この日は小痴楽さん。 義理で、仕方なくではないが、羽田空港に向かう三三師匠。出番の一時間前に着くと、着替え用に用意されていた控室が、キャンペーン前に行う表彰式をやる大会議室と兼用。 衝立で後ろを仕切り、ここで着替えて下さいと言われて着替え出したら、表彰式が始まり、着替え終わっても出られない。暫く様子を見て、知らんふりして、貴重品と扇子と手拭いだけ持って外に出る。 少し思ったそうです。流石に、警察のイベントなんだから、バックに財布入れておいても大丈夫かな?と、でも、万一トラブルになったら面倒だから貴重品は持って出たそうです。 先に説明した、キャンペーンイベントの会場へと係員に誘導され、舞台袖と言うか、土産物売り場の大きな柱の影に椅子が置かれて、ここで、司会者に呼ばれるまで、待機するよう指図される。 各警視庁のお偉いさんのスピーチが続き、大方の予想通り時間が押す。退屈な三三師匠、高座以外のイベント会場の周囲を見ると、 交通安全週間の幟が、高座の下手ハス向かいに立っていて、お偉いさんのスピーチと同時に、2mはゆうにある大きさのピーポくんの着ぐるみが登場している。 更に、その反対側には、通常の白バイよりかなり巨大にデコレーションされた特殊仕様の白バイが展示されていて、その周りには、専用のステップまでもが組まれていた。 結局、お偉いさんのスピーチが10分程伸びて、三三師匠の出番が廻って来たから、ヨシ本来は20分のつもりの落語が、押したから10分に纏めるぞと、さらい直していたら、 警視庁の職員が来て「師匠!押してますが、予定通り20分やって下さい」と言われる。あらかじめ10分のつもりで構成を直し終わった頃に言われて戸惑う三三師匠。 三三師匠が登場する直前、司会者が、次は落語なので、携帯電話・アラーム付き腕時計は、音が出ない設定にして下さいと、注意喚起してくれたらしい。 時間が伸びた件は、改めて気を取直し、司会者に呼ばれて高座に上がる三三師匠だったが、素人の仕切りは緩くて、出囃子がえらい小さい音量で流れて、慌ててボリュームを上げるから、ハウる。 キー!と、マイクがハウリングを拾ってから、「はじめまして、柳家三三と申します。」が被る。 更に、喋り始めたら、携帯電話以前に、空港の場内放送が落語の妨げになる。JAL104便のお客様、第92番ゲートより機内へのご案内を準備しています的な放送が、ひっきり無しに流れるのだ!空港だからねぇ。 この時、キャンペーン会場には、パイプ椅子の座席が50席用意されていたが、警視庁の桜が10人、スピーチした関係者が5人、それ以外の一般客は、単に機内への案内待ちの人が居るだけで、 この一般客は、館内放送に聞き耳を立てていて、落語が盛り上がり大声になると、不機嫌な顔をする。また、吹き抜けの上の階の通路やエントランスにも、何かやってる?!的な客は鈴なりになってはいるが、高座からは客には映らない。 そんな高座も、半分を過ぎると、幼稚園児が20人ぐらいイベント会場にやってきて、高座前の白バイや、ピーポくんでハシャギ出す。落語が掻き消されるぐらいの奇声を上げて喜ぶ園児。誰か静止しろよ!!と、思う三三師匠をよそに、警視庁の職員は、園児を相手にサービスしている。 最後に、泣きっ面に蜂だったのは、落語がいよいよサゲと言う場面で、警察官の緊急の携帯電話が激しく鳴動!!オマケに警察官はその場で電話に出て喋り出す始末。散々な高座がようやく終わる。 三三師匠が高座を降りると、緋毛氈も金屏風も、そして高座も取り除かれて、15センチぐらいの基礎・ベースの板だけが残されて、ハス向かいに居たピーポくんが中央に移動し、立つ。 すると、さっきまでハシャイていた園児たちが、ステージに集まって来た。そして、司会者がお待ちかね、○○幼稚園の良い子のみんなが今日は来てくれたよ!ピーポくんと一緒にピーポくんの歌を歌たおう!! 客席も、園児の父兄かしらないが満席になり盛り上がっていて、さっきまでの落語が嘘のようである。この光景を見て三三師匠! 「俺は園児の前座かぁ!?」 そんな長めのマクラから『狸札』へ。何とも喋り方と言いグローバルなシニカルな語りといい、そしてサゲへの持って行くまでの間合いといい、小三治そっくりで、驚いた。 白鳥師匠が言うように、『次の小三治、狙ってるなぁ?!』。落語協会は、冗談抜きに、元号が変わるタイミングで、市馬の小さんと、三三の小三治襲名をやるべきです。 そして、六代小さんも十一代小三治も生きているだろうから、小さんが市馬、小三治は三三を襲名したらいいのにと、思います。 2.死神/三三 三三師匠の『死神』は、二度目か?だと思いますが、ビックリするぐらいに、死神自身が、小三治の死神にそっくりになっていました。 更に、演出もサゲも同じだから、気持ち悪いぐらいに小三治に寄せて来ていますね。広瀬さんも言ってますが、最後に萬屋の病気の大旦那を治した後、 主人公が、風邪をひいたとクシャミをしだす展開は、サゲが弱くなるだけで、この必然性は、私も不要じゃないか?と、思います。ここも、小三治通りにやる三三師匠でした。 『死神』は、サゲのバリエーションを争う時代があり、色んな新しいサゲが登場しましたが、私はオリジナリティーとシャープさから、志らく師の「ハッピーバースデー」のサゲが最も秀逸だと思います。 そんな新しいサゲ合戦ではなく、死神のキャラクターを独自に展開する演出をチラホラ、見かけます。 最初に思ったのが、当代の小せん師匠。本人に伺うと、死神に似てるから、あえて死神を掛けていなかったと言う。しかし、鹿芝居で死神役を演じて、開眼、死神をやるようになりました。 小せん師匠の死神は、笑いながら、「おせぇてやろうかぁ?!」みたいなセリフを吐くと不気味で恐いです。 そんな小せん師匠と180°対象なのが、白酒師匠の死神ですね。デブで健康的、そして何事にもクヨクヨしない前向きな死神です。 さて、三三師匠の死神。これは、あまり奇をてらわない本寸法な、六代目圓生と同じ流れの死神。「あじゃらか、もくれん、きゅうらいす、テケレッツのパッ!!」の呪文もオーソドックスです。 3.岸柳島/小痴楽 新婚ほやほやの小痴楽さん。9/1に式を挙げたばかりです。マクラでは、一門で旅行した話題。現師匠、柳亭楽輔の一門は、一応、小痴楽さんが総領弟子。 下に、明楽さんと、信楽さんという弟弟子が居ますが、明楽さんは、小痴楽さんと同じ中卒だから、可愛いドシな後輩だが、 信楽さんは、慶應義塾大学卒なんで、会話の端々に、上からを感じて、カチンと来る場面があると言う。 一番笑ったのが、長野にワゴン車で旅して帰りに、西に向かうと日が長いから、って話を師匠と小痴楽さんがしていたら、その信楽さんが、何気なく後部座席から呟いた! 「地球は、自転していますから。」 小痴楽さんが、ムキになり、偉そうに「自転」とか使うな!大卒!と、突っ込むと。それに、信楽さんの返しがいい。 「兄さん、すいません。『自転』って地球は回っているって意味です。」 それぐらい知っとるわ!中卒でも!!と小痴楽さんが怒鳴ると、それまで静かだった明楽さんが、「信楽!地球は回っている、とか言うな!!、昔、それが元で裁判に負けて牢屋に入れられた人が居るんだぞ!」、ねっ兄さん?! 「それは、ガリレオ!」って突っ込みたくなった小痴楽さん。愉快な一門です。 さて、本編の『岸柳島』。何度か聴いていますが、肩意地張らない語りになり、スムーズになりました。武士と町人の対比もいいし、さらにスピードのメリハリが付くと完成です。 4.笠碁/三三 わがままで少し自己中の上総屋、一方、一本気で頑固一徹な美濃屋。この演じ分けと対比が、三三師匠らしく、少し皮肉めいた演出がいいですね。 碁会所のくだりに、小痴楽さんの大卒嫌いを放り込んで来るのも、三三師匠らしいくすぐりでした。 |
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2018年09月15日
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