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朝は吹雪く雪ん中を、連雀亭へ行き、そこからDOUTOR Coffeeでお茶しながら、4時50分過ぎに箸庵さんへ。
既に17時より少し早目に開場していて、5?6人のお客様が中にいらしていました。
なんとか、最前列の一番下手に席を確保して開演時間を待っていると、開演時間の10分前ぐらいには、
お客様が全員揃う感じで、満員御礼!素晴らしい打ち上げの料理と、お酒も頂ける箸庵さんの落語会!こんな内容でした。
・オープニングトーク
・徳ちゃん…昇也
・千早ふる…市弥
お仲入り
・真田小僧…市弥
・長屋の花見…昇也
1.オープニングトーク
山田邦子さんのNHKラジオ「日曜バラエティー」ではお馴染みの、市弥&昇也コンビなんだそうで、
この日も二人の団扇を持った、日曜バラエティーの常連さんが来ていて、箸庵さんに付いている一般の落語ファン、
この方々との温度差が半端なくありました。片や、市弥さんに対して“イッチー”と声援を送るコアなファン。
それに対して、箸庵さんに付いているファンは、まだ、落語が30%で、箸庵さんの料理が70%みたいな客です。
更に、この日は市弥さんのお誕生日の前日という事もあり、コアな市弥ファン、市弥マニアはプレゼント持参でした。
イケメン落語家の騎手と呼べる市弥さんの人気は、それなりだという事を認知させられます。同じ新版・三人集でも、
一蔵、小辰に比べると、やっぱり一味レベルの違う人気がありました。昇也さんも成金の番頭さんですからね。
彼にもそれなりにファンが付いていて、その筋の二人のファンが6〜7割は来ていて、盛り上がりました。
さて、トークで面白かったのが、市弥さんが最近行った都内の落語会。敬老会の皆さんがメインの落語会。
そこで、サプライズゲストが、市弥さんの落語の後で登場する趣向で、開演の直前に市弥さんには知らされた。
そのサプライズゲストというのが、本場・男鹿半島から呼んだ、ナマハゲ保存会の青年部のお二人、
赤ナマハゲと青ナマハゲでした。そして、主催者からの市弥さんへの指令は、ナマハゲ登場の科白を場内に流すから、
客が、落語が終わっても帰らないように、ナマハゲ登場までの1分間を繋いで欲しいと言うのである。
その本番。落語のサゲを言って頭を下げて拍手が起きる。普通なら追出し太鼓と「ありがとう!ございました」の声が掛かる所に、
ナマハゲの声が轟く!! 「悪い子はいねぇ〜かぁ〜」「泣く子は、いねぇ〜かぁ〜」、「悪い、嫁さぁ、いねぇ〜かぁ〜」
エッ!これを1分も貯めて流すの?と、思いつつ、市弥さんは、主催者の指令通り、白ら白らしく、「何が起きるんでしょうか?」
「まさか?本物が…、出て来たりしませんよねぇ〜」と、棒読みの科白で繋ごうとするが、お爺ちゃん、お婆ちゃん達は、
ノロノロとではあるが、会場を後に帰ろうとし始める。慌てて、市弥さんは、老人たちの引き留めにかかり、
何とかナマハゲの登場に間に合わせたのだが、登場した二匹のナマハゲに、老人たちは、ポカン状態で、ドン引きだったそうです。
そりゃ、そうですよね。泣く子も悪い子も、ましては、悪い嫁も居ませんからね。
そうそう、昇也さんも言っていましたが、ナマハゲの御当地・男鹿でも、ナマハゲ御断りの家が増えているそうで、
過疎化、少子化が進み、老人だけの家に、ナマハゲに来られても… 迷惑なだけらしいです。
2.徳ちゃん/昇也
今年の目標は、無駄なマクラを振らない事だと言う昇也さん。とりあえず、市弥さんに「イッチー!」「待ってました!」
「お誕生日、おめでとう!」「泣く子は、いねぇ〜かぁ〜!」と、声を掛けましょうと、言って、三道楽のマクラから、
“おいらん”は、尾を使わず人を騙すからと、“花魁”と書き、訓読みすると「はなのさきがけ」=「鼻の先欠け」=かさをかく。
そんなマクラから『徳ちゃん』へ。最近、『徳ちゃん』だけ聴いたのは久しぶり、『五人廻し』への導入どしてばかり聴いていた。
芋を齧る女郎は、昇也のもなかなか強烈なキャラで、笑いを誘っておりました。それにしても昇也さんは誰から習ったのか?
サゲも、芋女郎が廊下の板に足を取られて、“足抜いて?”と客の咄家に助けを求める。すると、助けに入った咄家も足が、
ズブズブっと板吸い込まれ、「若衆!足を抜いてくれ?!」、これを聴いた牛太郎が、返しの一言。
「お客さん、変わった趣味でらっしゃる、こんな女と足抜けとは!?」これがサゲでした。
白酒師匠のは、芋女郎のあまりの様子に縮み上がる、すると、縮み上がるはずだ、この女、越後は、小地谷の生まれだ。
さん喬師匠でも聴いたけど、サゲまでは覚えていないし、一之輔師匠でも1回聴いているが、サゲはどうだったか?
そういえば、雲助師匠のも聴いてます。こちらは、確か、表は締まっている、裏から帰ぇれ!と芋女郎に言われて、
咄家の客が、裏なんか返せるもんか?こんな店、が、サゲだったと思います。
3.千早ふる/市弥
偶然ですが、この日、市弥さんが掛けたネタは、まるまる、連雀亭での遊かりさん、笑二さんのネタと被りました。
市弥さん、今日は楽しい打上げにしましょうと言って、落語会のご贔屓には、暫く落語は聴いていなかったが、
最近の落語ブームで、また、落語を聴くようになったと言うお客さんが、時々、現れると言う市弥さん。
70歳オーバーのオールドファン。志ん生、文楽、そして圓生、八代目正蔵を生で見てきたんだと言う。
今年、35歳の市弥さんは勿論、生で間に合っているはずもなく、最近また聴くようになった贔屓の蘊蓄を聞かされる。
このパターンの打上げは、本当に辛いと言う。ただ、この日は、女性比率がMAXで、40人以上が女性客でした。
男性はつばなれしない人数で、市弥さんが懸念したような打上げにはならなかったと思います。
そんなマクラから、知ったぶりの話を少し振って、『千早ふる』へ。
昼間、遊かりさんの『千早』で、もやもやしていた胸の痞えが、市弥さんの『千早』で、かなりスッキリしました。
この日の昼に、テイトで太福さんとの二人会をやって、ここに来ている市弥さん。何をやったかは知らないけれど、
十分にアイドリングできてから、この高座だったのが分かりました。太福・市弥の会も行けば良かったと少し思いました。
ご隠居が、最初は八五郎のペースで、やや困りながらも「千早ぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは」
この歌を繰り返し、詠んでいるうちに、自分のペースを取り戻す。自信から慢心に変わる様子が、よくできていると思った。
あとね、この業平の歌。私が学生の頃に和歌の授業を習った先生は、濁って撥音していました、「千早ぶる」と。
意味から察しても、“フル”より“ブル”の方が音が、私の耳にもしっくり感じる。皆さんは、“ふる”派ですか?
咄家で、この噺を、“ブル”でやる人に、出逢った事が、私はなく、これまでリサーチした事もありません。
というか、この記事を書いていて、思い出したんです、大学の一般教養の授業で、和歌の授業を2年間受講して、
それを教えてくれた先生が、名前は覚えていないけど、“濁音”は、書かないけど、感性で付けるもんだった時代。
そのれは正しい、正しくないではなく、濁るべきか?は、詠み手の美意識の問題で、それが聴き手に共鳴した時成立した。
日本語って、そういう原点に帰るのが、平成も終わろうとしている現在、実に大切な事じゃないのか?と思う。
小学校の国語の教科書辺りから、濁点を無くしてみては?と思います。『千早ぶる』のススメでした。
4.真田小僧/市弥
マクラで、打上げの席で必ず受ける質問に、「市弥さんは、なぜ、咄家になったんですか?」というのが在る、と言う市弥さん。
今夜も四五回、この質問に答えるかもしれないので、今日はあらかじめ、この答えをマクラで語ります、と言い出した。
物ごころついた頃、寝る前に父親が、絵本を読むとか、昔話を聞かせてくれるなんてのは、どの家庭でも行われる事だと思うが、
市弥さんの父は、非常に変わった人で、絵本や昔話ではなく、小咄を毎夜、毎夜語ってくれたそうです。勿論、落研出身。
こうして、学校に行くようになると寄席に連れていかれるようになり、市弥さんは落研から柳亭市馬へと入門します。
自分が成らなかった、いや成れなかった夢を、息子が叶えてくれて、非常に喜ばれたそうです、父親からは。
らくごカフェの青木さんと同じような幼少期を過ごして、市弥さんは咄家になったんですね。
そんなマクラから『真田小僧』へ。こちらは、金坊も親父もやや平凡です。笑二さんの方が印象に残りました。
5.長屋の花見/昇也
市弥さんのマクラに刺激されたのか?昇也さんは、現在進行形で、娘さんが寝る前に、絵本や昔話をしてやっている話をしました。
まず、絵本。これは、1回読み終わると、娘さんは飽きて眠くなるまで、「もう一回!」「もう一回!」と、エンドレスに、
絵本を読んで!読んで!と、喰い下がり、限が無く非常に疲れてしまうと、言う、昇也さん。よく分かります。
昇也さんも、登場人物を江戸っ子にしたり、侍にしたり、花魁にしたりして、あの手この手で、自分が飽きないように、
工夫はしてみたものの、同じ絵本を十回以上読むのは、そうそう続かない。
そこで、昇也さんが取った行動は?
昔話を聞かせるのですが、複数の昔話をミックスしたり、例えば桃太郎で、犬がなかなか家来にならず、無駄に歳月を過ごした桃太郎。
結局、鬼退治に行けずにただの老人になり老衰し亡くなってしまう。そんな創作をして、娘さんもケラケラ大爆笑だのだが。
これをやると、嫁さんから、娘が幼稚園で虐められる!と、変なストーリーを教えるのを、やっていると止められるそうです。
私は、一回り年下の舎弟に、絵本を読み聞かせするのが非常に退屈だったので、まだ、2歳くらいだったのに、字を教えて、
独りで読めるようにするという方向に、読み聞かせではなく、読書に変える工夫をすることで、克服しました。
ただ、この読書。幼い子供は黙読できないので、声に出して読むのを、真面目に聴いてやる必要があります。
そして、時に間違いを訂正したり、途中で止めて、内容について質問や議論をしながら、興味を繋ぐ必要があります。
また、最初だけ読み聞かせしてから、読書させるのも必要ですね。これを録音、録画してより楽しくしてやる。
さて、本編の『長屋の花見』。最初の長屋の衆が大家さんに呼ばれて集まる場面、ここから店賃の催促ではなく、
貧乏ながらも長屋一同で、花見に行こう!と、誘われて、酒・肴を大家が用意してくれると聞いて、歓喜する一同。
ここまでは、大家さんが仏のように優しく慈悲深い人なのか?と、思わせておいて、「実は…」と、地獄に落としに掛かります。
一升瓶の酒は茶の出がらし、重箱の蒲鉾は大根の香香、そして玉子焼は沢庵だと知らされる。
更に、ムシロを指して「毛氈」と呼んで、これを敷いての宴会を、上野のお山でやろうと言うのだ。
一気にやる気が失せて、大家のしみったれぶりに、今更、納得する長屋一同。それでも強引に花見に連れて行く大家。
この攻防が私は好き。結局、大家に押し切られて、店賃を待ってやるから、全員付いて来いと言われ、渋々参加する長屋の衆。
桜のお山に着いてみても、茶と香香、沢庵では盛り上がろうはずもなく、無理に花見らしさを要求する大家だが、
この要求に反比例して、長屋の衆はシュンと大人しくなり、ボソっと呟く愚痴が笑いを誘います。
最後は、ヤケクソで空元気を出す長屋の衆だが、それでも心の底から騒いでいる訳もなく、なんとも侘しい感じが落語的です。
【打上げのお料理】
次回は、三月九日(土)17時開場、17時半開演。立川談吉独演会です。 私は、別の予約を既に入れていて、参加できませんが、打上げの料理だけでも参加する価値があります。
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2019年02月12日
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