Marsのブログ

小さな会を精力的に聴く努力をしてまいります!!

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2019年02月

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恒例の小田原での三三独演会です。Twitterにも書きましたが、1,200人規模のホールを小田原で満員にできる稀有な芸人だと思います。
そして、三三師匠自身、他のホールよりも、むちゃくちゃリラックスして高座に上がります。勿論、谷津公民館ほどじゃないけどね。
そんな故郷に、今年も錦を飾った柳家三三師匠、その独演会!! このような内容でした。
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1.牛ほめ/市楽
毎度、ここ三回いつも同じマクラの市楽さん。それは、内幸町ホールのJAL名人会、連雀亭のワンコイン寄席、そしてここ小田原。
全部、高校時代の同級生が、楽屋見舞いに訪ねて来る話(男子校だったのに、なぜか?女の人がやって来る話)と、
NHKのど自慢の話(「御所と御名前」が「男のお名前」と勘違いする話)です。この2つに5分使って、本編『牛ほめ』は10分になる。
その影響か?与太郎に、お父さんが紙に書いて褒める口上を渡す部分が全てカットだった。全体的に雑な印象を受けた『牛ほめ』。
ちゃんとやると非常に面白くなる噺なのに、残念でした。



2.たらちね/三三
マクラの冒頭、相変わらず時代が付いた、隙間風が吹く「小田原市民会館」を弄る三三師匠。いつぞやのようにコートが脱げない程、
極寒の会場っていう事はありませんが、それでも寒い小田原市民会館でした。更に、話題は「関節炎」になった話へ。
これは、私は初めて聞いた話でした。月例三三などでは喋っているのかな? 大阪に新幹線で移動したら、左膝痛に襲われた三三師匠。

痛みが引かないので、翌日、東京に帰り自宅近くの整形医に掛かる。受付窓口から保険証を持って覗くと普通女性の看護師さんか?
事務員さんが座っていそうなのに、この医院では60凸凹のオジサンが椅子に座っていた。『なるほど、医師が自分で受付もやるんだ?!』
そう思った三三師匠、膝が昨日から急に痛いと伝えると、直ぐに診察室へと誘導される。『直ぐ見てくれる、ラッキー!!』と診察室へ。

受付に居たオジサン。先生なら白衣のはずだが、技師が着るような白い、上下に分かれた制服を着ている。半信半疑で診察室へ。
丸い椅子に座っていると、あの受付のオジサンがやって来て、カーテンで仕切られた隣の部屋へ向かって叫ぶ!「先生、お願いします。」
すると、中から推定年齢85歳、恐ろしくスローモーに動き、ゆっくりと診察机に付いた。


先生「どうしました?」
三三「曲げると、左膝が痛くて…」
先生「じゃぁ、右膝を出して!!」


???『右膝、痛いのは左だって言ったのに、右膝?』
と、やや懐疑的にはなった三三師匠、左を庇って右がどういう状態なのか?
そこから見てくれるのか?と、好意的に受取り、素直にズボンをめくって右膝を出す。


先生「ここ、痛い?」
三三「痛くありません」
先生「ここは、痛い?」
三三「痛くありません」
先生「じゃぁ、ここは?」
三三「痛くありません」

先生「貴方、どこが痛いの?」
三三「だから、左の膝です。こっちは右です。」
先生「ダメじゃない、痛い方ださないと。。。痛い方の膝を出して!!」


『あんたが、右膝をって言うから出したのに…』
心では思ったが、グッと堪えて左の膝を出す三三師匠。

先生「ここ、痛い?」
三三「痛くありません」
先生「ここは、痛い?」
三三「痛いです!」
先生「じゃぁ、ここは?」老人とは思えない力でグリグリする先生。
三三「痛い!!痛い!!痛い!!」

先生「関節炎だねぇ」
三三「先生、僕、全く自覚無くて、ぶつけたとか捻ったとかしてないのに痛いのは、なぜですか?」
と、関節炎を発症した理由を聴いてみると。。。

先生「加齢、年よりだから」
三三「。。。。。」
『あんたに、年より呼ばわりされたくない!!』と、思ったが我慢する三三師匠。

しばし、先生は、机の方を向いて、三三さんに背を向け、何やらごそごそ始める。やがて…

先生「注射します。ちょっと待ってねぇ」と、言って、右手に注射器を握って、注射の準備をするが…
手がアル中のように震える先生、その手でなんとか注射器を握り三三師匠に近付いて来る。
恐怖映画のように見えて、恐かったと言う三三師匠。


先生「じゃぁ、右膝を出して!!」


流石に学習した三三師匠、「先生、痛いのは、左膝ですけど?」と返すと、
先生「ダメじゃない、痛い方を出さないと。。。痛い方の膝を早く出して!!」と怒鳴る先生。
ありえないくらい震えを伴いながら、ドキドキさせながらも、狙いのポイントに針が刺さり注射が終わる。


先生「サポーターを膝に付けて、暫くは右足を曲げちゃだめですよ。」
『これは、痛い左足を言っているんだ!』と、学習しハイハイと聞き流す三三師匠。ちなみに、この先生、85歳どころか、御歳103歳の現役医師だったとか。
三三「先生、正座しちゃダメですか?」と、尋ねると、
先生「ダメ!正座が一番悪いの!!今時の日本人だから、正座なんてしなくても生活できるでしょう?」
三三「私、職業上、正座しないわけにはいかないんです。」
先生「職業って?」
三三「落語家なんです。」

このやり取りを聴いていた受付のオジサンの方が、「落語家」に食い付いて来て、
今度は、オジサンから根掘り葉掘りの質問攻めに合う三三師匠。

オジサン「名前は、何ていうの?」
三三「柳家三三です。」
オジサン「サンザ、???、知ってる!知ってる!誰の弟子なの?」
『あんた、絶対、俺の事知らないだろう?!』と、思ったが。。。
三三「柳家小三治の弟子です。」
オジサン「小三治さん!知ってる!知ってる!、亡くなった志ん朝さんと…」
ここで、このオジサンが語った志ん朝&小三治のエピソードは事実なので、
このオジサンがまんざら嘘は、言っていないけど、知られていないのは少なからずショックだった三三師匠。
この後、診察券作る話や、三三師匠の次に来たお婆さんの話もありましたが、更に、長くなるので、直接、三三師匠のマクラで聞いて下さい。

もっと!もっと!売れなければ!と、心に誓うエピソードだったようです。

結構、長い、こんな感じのエピソードを語ってから『たらちね』へ。
三三師匠は、『道灌』『元犬』と並んで好きな前座噺です、『たらちね』。
特に奇を衒うような演出はしませんが、演じる側の楽しさがもう少し伝わると嬉しいのだが…



3.漫才/ロケット団
昨年のJAL名人会と年末池袋の白鳥師匠の芝居で聴いたネタとほぼ同じでしたが、「嵐」と「純烈」を掛けたネタが入っていました。



4.長唄三味線/スクイズ☆ハジキーズ
既に、三三師匠の会のゲストとしては、九回目の出場になる、松永流の松永鉄九郎さんの弟子でもある、お二人・鉄駒さんと鉄六さん。
越後獅子から始まって、四曲披露されました。二丁弾きの三味線で、松永流の流れるような演奏に、かなり磨きが掛かっていますが、
師匠のユニット:伝の会と比べると、まだまだ、修行中と感じますね。かなり凛とした演奏にはなって来たと思います。


5.明烏/三三

2009
立川談春
柳家三三
柳家花緑
柳家喜多八
立川生志

2010
立川談春
立川志らく
桃月庵白酒
柳家喜多八

2011
入船亭扇辰
三遊亭遊雀
柳家三三
立川談春

2012
桃月庵白酒×2
鈴々舎馬桜
柳家三三
春風亭一之輔
柳家小満ん 
三遊亭歌橘

2013
金原亭馬生
春風亭昇太

2014
立川談春
桃月庵白酒

2015
入船亭扇辰
五街道雲助
柳亭小痴楽
古今亭文菊

2016
入船亭扇辰
古今亭文菊
桂やまと

2017
桃月庵白酒
柳家ろべえ
立川談春
柳亭小痴楽

2018
柳家三三
柳家小満ん×2 


『明烏』、実に、十年で38回も聴いていた。しかも、若手は小痴楽さんからベテランは小満ん師匠まで、20人の咄家で聴いている。
白酒5回、談春4回、三三4回、この三人が『明烏』をよく聴くベスト3と言ってよい。そんな三三師匠の『明烏』は、
2010年より前は、あまり特徴がなく、源兵衛と多助も違いがはっきりしない感じでしたが、最近は、とにかく時次郎が可愛い。
特に今回、2019年の小田原市民会館の『明烏』は、演じる三三師匠の楽しい雰囲気が客席によく伝わる一席でした。


今日、2月5日は、横浜にぎわい座で、「三三づくし」です。今日は、どんな三席が聴けるのか?楽しみです。

◇松屋/小田原店と神田店
・麻婆膳+生卵と麻婆膳
小田原店の方には生卵を付けて食べました。神田はノーマル仕様です。味は同じですが盛り付けが微妙に違いました。
茄子と豆腐が具に入っていて、私は辛さが足らないので、唐辛子を振って頂きました。山椒は利いてるけど国産なので、
そんなに四川のように辛くありません。値段を考えるとまずまずだと思います。
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◆箱根そば/海老名店と代々木上原店
・かけ蕎麦+生卵と竹輪天蕎麦+生卵
竹輪天蕎麦を久しぶりに食べました。搔揚げ天と同じ値段なので、私は竹輪天の方をよく選びます。
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◇とんかつ工房/代々木上原店
・かつ丼+しじみ汁
居酒屋でちょい呑みする予定が、閉っていたのでかつ丼になりました。がっつり食って千駄木へ。
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◆紅とん/神保町店
・塩キャベツ+ガツぽん+黒ホッピーセット
ここに来ると必ず食べています。美味いし、ヘルシーだし、勿論、焼とんも食べますけどね。
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初めて参加する会でした。新年会付き四千円。主催者はご存知「竹の輪さん」。和服の愛好者には特に有名人です。着物の里親探しや、リサイクル・リユース提供などをなさっていたり、
越後の銘酒「八海山」の蔵元と、ジョイントの忘年会付き落語会を開催したりと、色んな落語会で客としてお会いしたりします竹の輪さん。
さて、ココ澤田屋さんは、元々は20数年前にできた元写真館。その撮影スタジオを使っての落語会が、定期的に開催されていて、その4回目でした。
写真館のオーナーは、90ウン歳の澤田さん。70歳を過ぎて始めた写真館なんだとか。ステキな吹き抜けで天井が高いスタジオでの落語会。こんな内容でした。
・転宅
お仲入り
・うどん屋
1.転宅
出囃子に乗って長い階段から登場する文菊師匠。まるで宝塚みたいな登場です。しかし、喜多八師匠のような宝塚マニアではない文菊師匠は、宝塚のような演出はなく、普通に、やや早足で長い階段を下りて来ました。
マクラでは、まず、竹の輪さんとの関係を語る文菊師匠。羽裏、羽織の裏地の提供を竹の輪さんのリサイクルで手に入れているそうです。
ただ、竹の輪さんは怪しい。と、言う文菊さん。何が本業なのか謎が多い人で、怪しい魅力に満ちているというのです。
更に、古桑庵の時と同じで、30人の小さな会場は威圧感がある、だから、小さい会が最近は苦手だと言う。また新年会をやると、着いて初めて知った。そんな事から人間ドックの話に。
40才を迎えて検査したら、内臓がボロボロ、胃と肝臓が弱り、糖尿の気がある。倦怠感と冷え性、不摂生の39年間のツケが来た!と言う文菊師匠。
川柳川柳を例に挙げる。不摂生で88まで元気な人もいるが、自分は生活を変えないと健康な50代が迎えられないと、不安を珍しく弱気に語ります。
太く短くより長く細く生きたい!精神的ショックを受けていました。泥棒のマクラから鬼平犯科帳のテレビシリーズに少し触れて『転宅』へ。
イタチ小僧の佐伊五兵衛が食べる仕草で、客席も何か食べたくなる空気に包まれます。特にヌタが絶品です。
一方、お菊は、少し上品過ぎ。もう少しおキャンで江戸っ子気質を出した方が、お菊のイメージです。ラストの煙草屋の老夫婦は良い味を出してくれます。
2.うどん屋
仲入り後も、長い階段を下りて登場の文菊さん。急ぎ足でも30秒以上掛かります。また、相変わらず臆病に、高い高座に登り、慎重にゆっくり座布団に座ります。登場に1分くらい掛かります。
高座のミシミシ音を気遣う臆病な文菊師匠が、物凄く印象に残りました。多分、鈍感で臆病じゃない白鳥師匠だったら、30秒掛からないと思いました。
この日降っていた外の冷たい雨、これに触れて、雪の話へ。鈴本はよく雪で休んだ話から、浅草は休まない!と、対比を語る、文菊師匠。
普段は、部屋の空調の暖房は使わないようにしているが、今日はそれを付けたと言って、昔の長屋は、隙間風が吹き抜けて、とても室内だって寒かったと、マクラを振ってうどん屋へ。
最初の酔っ払いとうどんやの、「仕立やの多平と、ミー坊の婚礼」についての会話、ここは上手いです。特に酔っ払いの傍若無人ぶりが良い。
ただ、最後に鍋焼うどんを食べるところは、かなり上品に食べる文菊さん。鍋焼だからか?汁をあまり啜らない。機会があったら聴いてみたい。
さて、会の後に新年会があり、澤田屋さんの女将さんの手料理でした。素晴らしい料理がたくさん出て来て驚きました。

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第5回も、また同じような趣向ならば、また参加したいと思います。文菊さんの落語と澤田屋の女将の料理!共に最高です。
矢来町が発起人で始まったと聞く“二つ目勉強会”です。かなり久しぶりでした。
十年ぶりくらいかもしれません、2010年より前だと思います。小せん師匠がわか馬の頃だもん。
この会にするか?鈴本の歌奴師匠の芝居にするか?これで悩んだ末に、こちらにしました。
コスパは最高の“二つ目勉強会”。六人二つ目が出て木戸銭は千円。朝日いつかは名人会から、
月島経由で、有楽町線で池袋へ。16時半くらいに着いて、富士そばでミニカレーセットを頂く。
16時45分ぐらいにテケツでチケット買って並ぶと、1番でした。ただし、昼席から居残りのファンがいる!
そりゃそうだよね、三千円で一日中、池袋に居られるんだもんチケット買うのが真の落語ファン。

そんな精鋭六人が登場した「第322回二つ目勉強会」、このような内容でした。

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1.桃太郎/与いち
『桃太郎』の本筋を、如何にも江戸っ子の職人口調で、超高速で啖呵のように捲くし立てる与いちさん。
『大工調べ』に生かせるぐらいのキレッ切れの啖呵でした。
きいちさんもですが、与いちさんも、自分が喋り易い喋り方、自身の口調で落語を語ります。
伝わりやすく内容は聴き取り易くはなりますが、落語じゃない感じの違和感は残ります。


2.黄金の大黒/つる子
待ってました!!と、声が掛かる。追っかけのファンなのか?人気者ですつる子さん。挨拶も早々に本編へ。
なぜ、大家さんが長屋全員を呼び出しのか?この詮索が始まる。普通は、店賃じゃないか?と、
『長屋の花見』同様に、いつ以来か?みたいな展開になるが、
あの大家が今更、店賃は催促はしないと推理して、大家に何か叱られる原因を作っていないか?と、『船徳』みたいな展開に。
そして、長屋の連中が思い当たったのが、大家の飼い猫・タマを食べた件!!
目が光って夜よく見えるように成った!などと、タマの効能を語り始める。
そんな話をしていると、大家の坊ちゃんが黄金の大黒を土ん中から掘り起した、
その祝いの宴を催すので、羽織と口上が必要だという情報がもたらされる。

ここからは、羽織の回しっこしての珍口上が始まる。大家がこの口上を聞いていて、
番頭が長屋の連中に何やら指図したに違いないと気付き、今日は無礼講だからと、長屋連中を座敷に上げて宴会が始まる。
前半をたっぷりやったので、寿司のくだりだけで、鯛の塩焼のくだりは無く、
サゲの大黒様が床の間から歩き出して、恵比寿様を呼びに行く。たっぷり20分やり切りました。
羽織を着ての口上までで、切るのかと思ったら、最後のサゲまでやりました。
結構、物語に色んな展開が含まれているのに、終始、忙しない感じの演出なんですよね。
もう少し場面の切替に合わせた、トーンの強弱と喋る速さの加減ができると、劇的に良くなると思いました。

3.短命/朝之助
一朝一門って、何でこんなにそつなく、ポンコツが居ない一門なんでしょうか?不思議です。
朝之助さんが一番、一朝師匠のエッセンスを吸収して、上手くあの粋を表現できていますよねぇ。
この『短命』をやると、下ネタで笑わせる方に行きがちなんだけど、そこを堪えて八五郎の鈍感を強調して演じておりました。
持ち時間の20分というのを考えると、良い根多選びだとも思います。


4.湯屋番/市楽
真打間近の市楽さんです。『湯屋番』は市楽さんで聴くのは初めてでした。20分という尺で全部はやれないので、
部分的にカットして、番台の妄想する場面を中心にタップリやる構成でした。悪くないんだけどねぇ。
まず、若旦那を若旦那らしく印象付けられていません。商人らしくはあるけど、手代みたいですよね。
演じなければならないポイントは理解されているようですが、若旦那のキャラクターが確立できてないので、
大きな笑いに繋がりません。市楽さんの『粗忽の使者』は凄くいいのに、この『湯屋番』はまだまだでした。


5.おすわどん/小太郎
『おすわどん』は、亡くなった歌丸師匠でしか聴いた事が無かったのですが、小太郎さんのはやや筋書きが違いました。
小太郎さんがこの噺をやるのは知っていたんですが、聞くのは初めてで、噂の“郡山竹蔵”を見る事ができて嬉しいです。
幽霊の正体を見極める役の、お店の主人が所有する長屋に住んでいる浪人者が、“郡山竹蔵”なのです。
これも持ち時間の尺にぴったりの噺を選んで、小太郎さんのきびきびした喋りで、怪談噺っぽくはないのですが、
彼なりの味わいがあって、良かったと思います。冒頭で、お金を取って勉強するんかい!と、毒吐くのも小太郎さんらしかったです。


6.棒鱈/伊織
歌武蔵師匠のお弟子さんで、連雀亭にて何度か高座を拝見している咄家さんです。
この噺は、チャキチャキの江戸っ子で完全に酔ってしまっている熊さんと、隣の部屋で飲み始めたばかりの田舎侍。
この二人のキャラクターが同じくらいの強さに見えないと、どうも塩梅が悪い。そいう観点でみると、
熊五郎の方がかなり勝っていて、田舎侍の影がやや薄い気がします。難しい話ですよね。表現、特に田舎侍の喋りは、
ちゃんとできているんですが、「百舌鳥の嘴」「十二ヶ月」そして「利休」の三つの唄が、もうすこし個性的になるといい。
ほんのちょっとの所なんだと思います。熊さんの酔った感じは、上手にできているのでねぇ。


7.書家政談/文吾
この日、唯一の新作落語でした。勿論、文吾さんの自作の作品です。師匠文蔵さんとの二つ目昇進の会でも掛けていたヤツですね。
聞きたいと思っていて、思ったより早く聞けて、嬉しかったし、なかなかいい噺です。
あるお店の主人が、趣味の骨董収集が高じて、骨董の仕入れを商売にしようと、長屋の連中に「骨董品があれば、値良く買い取る!」
と、触れ回ったので、連日、店には掛軸や茶碗を持った連中が行列を作るようになっている。
この噂を聞いた辰五郎と源太の二人、兄貴分の辰公が店の隅で、旦那の買取交渉の様子を見ていると、どうも怪しいのだ。

と、言うのも、旦那はその場で持ち込まれた品を値踏みせず、一旦預って値は明日までに決めると言って預っているのだ。
このやり方に疑いを持った辰公、預った骨董品を抱えて夜中に外出する旦那の後をつけてみると、旦那は岩田の隠居の家に入る。
更に中の様子に聞き耳を立てていた辰五郎、旦那は自身には鑑定する能力がないので、岩田の隠居に値踏みさせていたのだった。
このカラクリを知った辰公、悪い企みを思い付き、自分で書いたいい加減な書を持参して、旦那の店に現れた。

これ以上詳しく書くと根多バレするので、ここまでにしますが、よくできた噺です。旦那を騙す辰五郎ですが、
騙して十両手にした以上に、ピンチを背負い込んでしまう意外な展開から、オチへとなるのですが、惜しい!!
もう一捻りすると、いい落ちになると思います。ちょっとストレート過ぎます。




二つ目勉強会は、池袋演芸場で毎月下席中に開催されています。千円です、皆さんもお越し下さい。

もう、次回分を売り出してからは、必ず参加している落語会のひとつだ。K師匠が苦手なぐらいで、
ホスト役真打の落語も楽しい。二つ目の数が増えているので、10年前に比べるとこの会に出るの難しいですね。
そんな、三三師匠のお眼鏡にかない選ばれた二人は、落語協会の市江さんと立川流の吉笑さん!!
そして、こんな内容でした。

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1.鮑のし/駒六
古今亭:金原亭らしい芸だと思います。演出や表現が非常に細かくて、それでいて切れてますよね芸が。
臭くならないようにサラっとやるので、細かいのが気になりません。甚兵衛さんがいい味出しております。
また、しっかりした女房のお崎さんも、江戸の女将さんらしいと感じさせる。めでたい一席にピッタリ!!


2.一人相撲/吉笑
昨年、酔っ払って転んで骨折した話をマクラでされたのですが、これが結構笑えて、最初に行った近所の病院が、
本来内科と小児科専門なのに、なぜか整形外科もオマケでやっていて、レントゲン撮っても骨折に気付かず!!
マッサージと電気治療でその日は帰されたそうです。また、松葉杖を借りたけど、それが子供用!!
杖を使うと、歌舞伎の馬役みたいになったと言うのは、受けました。旨い表現です。
翌日、腫れは引かず、結局、地域で一番大きい病院へ再度行って、骨折と診断されて、それなりの治療を受けたが、
このでかい病院が、救急も同時にやっているので、検査の度に、割り込みの急患が入ったらしい。
また、吉笑さんの1人前の患者が、「織田裕二」だったというオマケ付き。勿論、役者のではなく同姓同名の一般人。
この噺も笑いました。血液検査の順番で「織田裕二さん!織田裕二さん!、2番で採血です。」と、
アナウンスが流れると、周囲がザワザワし、「織田裕二さん!織田裕二さん!、レントゲン室にお入り下さい。」でも、
また、周囲がザワザワする。CT室、問診室と、都合4回、周囲のザワザワを体験した吉笑さんでした。

さて、本編の『一人相撲』。2015年の年末に私は一回聞いているのですが、凄くよくなっていました。
物語は、ある大坂の大店。この呉服屋さんの主人が大の相撲好き。大坂相撲に飽き足らず、江戸にまで相撲を観に行く。
贔屓の力士の動向が気になるのに、商売を放って江戸へ一月も出掛けるのは、商人として失格だと反省し、
その年は、江戸相撲が始まっても、大坂に居残っておりました。ところが、相撲が気に成り、仕事が全く手につきません。
それを見かねた番頭が、一計を案じます。それは…
結構馬鹿馬鹿しい展開になるのですが、根多バレするので書きませんが、吉笑さんらしい。作品です。


3.もぐら泥/市江
前座の市丸時代を入れると、少なくとも十席は聞いている市江さん。初めて、彼の落語で笑ったかもしれません。
彼の喋りに本当によく合っていました『もぐら泥』。本人が言ってましたが、亡くなった喜多八師匠からの噺だそうです。
思い出しますよ、喜多八師匠の『もぐら泥』、泥棒が穴掘って手を突っ込む仕草!あれを喜多八師匠がやると、
腕を捲った瞬間、高座に近い席で見ている御婦人客が、一斉に、悲鳴を上げるんです。毛むくじゃらの手だから!!
三三師匠が言っていましたが、客席から「汚い!」って声が掛かった事もあったらしい。


4.とっておきトーク(鼎談)
三人での鼎談なのですが、市江さんが殆ど喋りませんでした。98%は“三三 VS 吉笑の対談”でした。
市江さんは極度に緊張するとフリーズするタイプ。目が絶えず泳いでいて、緊張が見ていて伝わりました。
逆に吉笑さんは、おそらく芸歴だと市江さんの2/3か?1/2だと思うのですが、流石、1年半で二つ目になるだけあって、
三三師匠のフリに機敏に反応して、的確な受け答えが即座に返せておりました。テレビやラジオで揉まれていますからね。
吉笑さんで印象的だったのは、どうやって新作を作るか?と聞かれて、自分を締め切りで追い込んで、
どうしても作らないと駄目な環境に、自分を追い込んで新作を作るそうです。春風亭昇太師匠と同じタイプなんですね。


5.橋場の雪/三三
去年の十月にギャラリー城山で聴いて以来の『橋場の雪』でした。あの時は、二十分に纏めるので夢の中の世界から始めず、
目が覚めたところから演じたのか?と、思っていたら、夢の中の物語を二回演じるとくどくなるので、構成を変えたんですね三三師匠。
こちらの方が、無駄がなくていいです。雪の吾妻橋から向島への風情が実にいいですよね。柳家三三、雪が似合います。




次回は、四月十六日(火)13:30開演、ホストは柳家喬太郎師匠、そしてゲストは美るくさん、花ごめさんの女流ふたりです。

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