|
ここ3年くらい毎年お馴染みのテイトさんの新春寄席、今年の私の締めくくりは百栄師匠でした。
他にも扇辰師匠、文菊師匠、そして馬石師匠などの会もあったけど、馬るこ&宮治、萬橘、そして百栄の三回になりました。
単に他の会との兼ね合いだったり、仕事の都合などもありましてね。このテイトの40人で聴ける会は本当に貴重です。
さて、そんなテイトでの百栄独演会!こんな内容でした。(薮さんに叱られるレベルのお品書きです)
1.猫おとこ
20日までは寄席はお正月興行なので、百栄師匠も彼の師匠の栄枝さんも連日寄席に出ているけど、
百栄師匠は東洋館との掛け持ちなので、浅草演芸ホールがたとえ3分の出番でも我慢できるが、
栄枝師匠は、本当に演芸ホールの3分、5分の為に大塚から来ているのには頭が下がると言う百栄さん。
ここから、定番の百栄師匠自身が猫好きであるとマクラで振っておいて、
猫が掃除機を異常に恐がる習性を説明してから、『猫おとこ』へ入ります。理由はサゲに関係します。
この根多は二回目、初めて聴いたのは昨年のらくごカフェの「赤いシリーズ」でした。
猫そっくりな習性を持つ男を、会社の同僚「おせっかいな婆」から紹介された若い女性:両親同居に起こる恋愛話です。
その女性自身、猫を十匹も飼っているのですが、猫が猫らしいのは許せても、人間が猫らしいのは?????
実に百栄師匠らしい作品です。
2.桑名船
立川流のお家芸的な根多だと思いますが、談志師匠に入門を考えていた百栄師匠の講釈も、なかなか様になっておりました。
講釈の説明で、「張扇を叩きながら、汗身泥になって演じるヤツですね?」「それは、松之丞だけ!!」は受けていました。
また、「後輩なのに、抜擢で真打になり人気者だから、一之輔と一緒で嫌い!!」というのも大ウケでした。
そうそう、この噺に登場する講釈師の名前が、宝井馬琴の弟子で宝井馬琴我夢宮殿なんですが、
披露する五目講釈に、『寛永三馬術』が入っていないんです。いきなり忠臣蔵「二度目の清書」から入って渋いんですけどね。
3.お血脈
何度か百栄師匠で聴いている根多です。そして、この日のマクラで初めて聞いた話ですが、百栄師匠の大師匠。
春風亭柳枝師匠は、寄席の高座での最後の演目が『お血脈』だったそうです。
また、ちょうど真打の末廣の披露目が、大師匠の命日にも掛かっていたので、この根多を掛けようか?と思ったら、
周りの先輩真打に、総係りで止められたらしい。人が死ぬ地獄が出てくる噺で、しかも地噺を披露目でやるもんじゃない!と。
まぁ、口上に並ぶような協会幹部は、披露目の高座は漫談だから、真打まで地噺だと、客が可哀想ですよね。
更に、師匠の栄枝さんは、柳枝師匠が亡くなり、稲荷町の四番弟子なったのですが、最初は春風亭栄次だったのが、
正蔵師匠の弟子になって、林家栄二になり、真打で春風亭栄枝となったんだそうです。
この改名話は、今年の正月、栄枝師匠と百栄師匠がゆっくり話す機会が在ったので初めて聞いた話だと言ってました。
栄次だった名前を、わざわざ音は同じで栄二に変えさせた稲荷町。らしいなぁ〜と思いました。
4.リアクションの家元
実に5回目の『リアクションの家元』でした、2009年の赤坂区民ホールが初回、2010、2013、2015、そして今年です。
この噺は、派生系の噺も作れそうだと考えました。例えば、『リアクション指南』とか?
八五郎が、峰の灸リアクションを習いに行くが、上手く灼熱地獄なリアクションがとれない。
それを脇で観ていた連れは、煙草を吸っているのだが、手入れが悪く、『普段の袴』風に、この火玉が高く飛んで、
それが背中に入ってしまい、のたうち回るように熱がる仕草をみせる!すると家元が「お連れさんは器用だ!!」
|
落語会
[ リスト | 詳細 ]
|
ワンコイン寄席が終わって、昼食を取って少し早いかな?と思って日本橋亭へと歩くと誰も来ていない。15時だぞ!と思ったが…
結局、超満員になる小満んの会。常識的な時間に皆さん見えるようだ。そんな、今年もできるだけ参加したいこの小満んの会。
そして平成最後の一月、干支は己、十二支は亥、このような演目が、並びました。
・元犬 … 駒六
・弥次郎 … 小満ん
・二段目 … 小満ん
お仲入り
・御慶 … 小満ん
1.元犬/駒六
大晦日に『真田小僧』を聴いて以来の駒六さん。シロも金坊に負けず可愛く演じておりました。
金原亭・古今亭のいい意味で澄んだ感じの芸を見せてくれます。小駒さんに続いて注目の二つ目に二月になると昇進します。
2.弥次郎/小満ん
嘘も方便というのは、仏教の教えだと、毎度お馴染みの小満ん師匠らしいマクラから、嘘も時々聴きたくなるような嘘なら神様も許すという。
さて、アベノミクスという嘘は、弥次郎的な嘘になるのでしょうか?単に円を易い水準に、日銀を使って操作しているだけにしか私には見えません。
どうでもいい脱線して申し訳ない、小満ん師匠の『弥次郎』って、何度目なんだろう?調べたら過去10年で2回目でした。
そして、このブログを書き始めてからは、初。意外だ。そして、理由は定かではありませんが、2014年以降に複数回聴くようになったのです。
ちなみに、似て非なる『鉄砲勇助』は、三回聴いておりました。
小満ん師匠の『弥次郎』。ご隠居に「最近、面見せなかってね、弥次さん。何処へ行っていたんだい?」と、問われて北海道ではなく、樺太と答える。
私が好きなのは、お茶がまず凍って出てきて、「隠居?知ってますか?水と湯じゃ、凍り方が違うんですよ?!」という弥次郎。
湯は、溶けた瞬間熱い!!ってのが、実に落語ですよね。更に雨も凍る。そしてこれが恐いと言う。雨は棒状に凍るから刺さると言うのです、針みたいに。
雨ん棒
にくい表現です。小満ん師匠でしか聞かないフレーズです。ただし、雨ん棒が刺さると針治療みたいに肩こりが直る場合もあると言い、
雨ん棒用の傘は、トタンとか真鍮とかでできていて、金持ちは金・銀やプラチナにするが、重くていけないと言い出します。
恐山に登って、鈴ケ森の悪党集団みたいな奴等と白井権八風に闘ったり、紀州では猪との格闘があったりして、
農作物を喰い荒らす、害獣の猪を退治してくれたからと、庄屋の娘と結婚させられそうになりますが、逃げる弥次郎。
女が蛇の化身になり追いかけて来ますが、寺に逃げて坊主の有り難いお経で助かる。ここからサゲになるんだが、
山伏ではなく、坊主なんで、ホラ吹いたにならず、「安心だ?」or「安珍だ?」と言ってサゲになったんですよね。聞き取れませんし、理解できませんでした。
もやもやしたまま、今に至ります。「てきすと」で確認してみよう。
3.二段目/小満ん
小満ん師匠作なんでしょうねぇ。面白いと言うより小満ん師匠らしいお噺です。舞台は、湯屋です。江戸時代の湯屋についての講釈から始まります。
湯船にあった石榴(ザクロ)口というのが、なぜ、石榴口になったのか? 実にいい蘊蓄で、人に教えたくなる。こういうのが小満んの会ですよね。
湯屋には、二階があり男性客のいこいの場だった。風呂上がりに甘味と茶を頂いて、将棋・囲碁をやる。侍の刀は二階に置き場があったそうです。
更に、脱いだ着物はといえば、幅二間・高さ六尺の棚があり、48×4の格子でできた収納棚だったそうです。この棚がオチに掛かってくるんですけどね。
そんな湯屋の中には、芝居小屋を真似して作った湯屋があり、内装を芝居小屋そっくりに作っていたりした。そんな湯屋には芝居狂気が集まるので、
忠臣蔵の季節になると、お前、成田屋の四段目を見たか?!お前こそ、栄屋の五段目は見てないだろう?と、自慢話に花が咲く、そんなある日、
湯船で二段目について、語り合う二人が居た。渋い段ですよね、二段目。まず、芝居では掛かりません。たまに、文楽では掛かるようですが。
まず二段目について簡単に説明します。眼目の中心は2つ。一つは由良之助の倅、力弥が使者として出向いた先は桃井若狭之助の館。
用件は、明日の登城時刻を伝える使者でした。その際に、若狭之助の家老加古川本蔵と、力弥の許婚で本蔵の娘・小浪もその場に居る。
この小浪と力弥の淡い恋の様子が前半の見どころである。
そして、後半の眼目は、所謂「松切りの段」。最初若狭之助は、師直から辱めをうけ二人は激しく対立。若狭之助が先に師直へ刃を向けても不思議ではなかった。
ところが、これではまずいと判断した家老の本蔵が、裏から手を廻して、師直に賄賂を贈ってでも、主人と師直の関係を修復します。
一方、大星由良助は主君・塩冶判官の考えに沿って、主君が決して好まない賄賂を贈るなんて行為はしないのです。たとえお家が潰れても。
そんな料簡は間違いだと、風呂の客の一人が言い出し、本蔵こそが忠義であり、家を守る為、主君を守る為なら賄賂でも… と、力説し出すのだ。
すると、これを聞いた浪士贔屓の客が、若狭之助と本蔵が忠臣蔵の主人公で、客が入るもんか?!と、反論し出し湯船で大喧嘩が始まる。
この論争とは関係ない客が、湯船から逃げ出して、サゲは、客「おい!番台、俺の着物は?」、番台「二段目」
4.御慶/小満ん
できれば毎年、小満ん師匠で聴きたい根多です。昔は、小三治師匠もやっていたけど、今はやりませんよね?
『御慶』は、小満ん師匠では、2016年から毎年正月の色んな会で聞いていますが、小満ん師匠以外だと2012年に白酒師匠で聴いたっきり。
過去10年でこの1回だけでした。ずいぶん昔に、市馬師匠でも聴いたような記憶がありますが、やり手の少ない根多ですね。
そうそう、この噺で、八五郎が富が買いたい!富が買いたい!と女房にせっつく場面で、女房が「あたいは、富と結婚したんじゃない!」と言いますが、
「富と結婚したんじゃねぇーなら、與三郎とでも結婚したと、云いなするかい、御新造さん。」みたいな返しはどうでしょうか?
小満ん師匠が言った訳ではありませんが、そんな返しは、どうかな?と、思ったりする『御慶』でした。
|
|
日曜日、黒門亭か?連雀亭にするか?非常に悩んだ末にこちらにしました。
そうそう、この日の朝、偶然、朝日新聞を見て添付の矢野誠一氏の記事を読んだ。
◇私の正直な印象
50年も講釈を聞いていないのに、よく松之丞さんを聴きに行く決心したなぁ。
また『慶安太平記』は当然、矢野さんなら熟知しているはずなのに、
なぜ、初日の正雪の生立ちから丸橋忠弥とのエピソードにしたんだろう?
そして、出囃子もだけど拍手の入れ方が一番変わっただろう?というのが感想だった。
すると、この新聞が出た日のラジオで、松之丞さんが矢野さんに噛みつく!!
◇問わず語りの松之丞 2019.01.13
落語協会のベテラン某古今亭の師匠に噛みついていた時もそうですが、
非常に直球で切れ易い性格の松之丞さんです。SNSでも話題になっておりますが、
志らく師匠のように“圓丈”とは行きませんねぇ、“ボヤ”ぐらいだと思います。
確かに、行列のできるあんパンを、ある方向から一口だけ齧って「あんが少ない!」と、
評価しているようには感じます。小田原の「守谷のあんパン」なら大丈夫ですが。。。
それにしても、世間は、松之丞さんの怒り方に、そこまで怒る記事?と、戸惑っております。
長講毎日四席5日間連続で、しかも二回公演やってんだぞ!!って自負は分かるけど…
正直、私は週一回二席ペースで2ヶ月くらいの方がありがたい。
さて、そんな出来事が起きた1/13のワンコイン寄席。こんな内容でした。
1.勘定板/ブラ坊
何度かは聞いているブラ坊さん。愛媛出身で遊京さんと同郷である事をアピールします。
そして、六年間寄生していた女性との関係を解消し、謳歌していた「ヒモ生活」が終わったと言う。
それでも、快楽亭らしい明るく元気で下品な高座は変わり無く。でも、師匠のブラックさん程じゃない。
農業高校時代の、養豚についてディープに語り、若干、女性客を引かせて『勘定板』へ。
談志一門はよくやる根多だし、刺激の強いマクラの後だと、下ネタも笑いに変わるのか?
2.壷算/遊京
こちらも愛媛出身の遊京さん、ブラ坊さんに刺激を受けて、フォーキングという養豚に関係する専門用語を紹介しました。
豚は、あの藁などを刺して運ぶ、巨大なフォークみたいな道具。あれで脇腹をなでなでされると、動きが止まるそうです。
その動作を、養豚業界では、フォーキングと呼ぶらしい。私は、「青山か?!」と思ってしまいました。
さて、遊京さんの『壷算』。非常に笑いが少ない、端的に言うと面白くありません。理由は・・・
登場する買い物上手の兄いが、全然、妖しい存在には見えないからです。間抜けな弟分と、瀬戸物屋の番頭は、
それなりにキャラクターが出来ているのに、一番肝心な兄貴分が人を騙すような人間には見えません。
ニンに無いキャラクターをどう演じて行くか?落語家人生はまだまだ長いので、克服して欲しいです。
3.だくだく/竹千代
第18回さがみはら若手落語家選手権の予選会をイの一番に突破して決勝進出を決めた竹千代さん。
この日は、『だくだく』をやったのですが、私の印象では可もなく不可もなくで、もっと弾けていいと思いました。
|
|
愛山・喬太郎が終わり両国から新宿へと移動。「トラ五郎」で餃子を食べたりして、時間繋ぎして西新宿のミュージックテイトさんへ。
雪が雨に代わり、足元が悪い中、コアな鯉栄ファンが25人くらい集まり、なかなかの熱気に包まれていました。
1.『鬼平犯科帳』誕生秘話
開口一番、今年のお年玉の出費が、近年になく痛い!と、嘆く鯉栄先生。7月、8月、9月とCDを収録するライブを三ヶ月連続でやるそうです。場所はお江戸日本橋亭です。
池波先生が付けたタイトルじゃないそうで、直木賞を受賞した直後、オール讀物に記念連載が決まり、題材は「火付盗賊改方、長谷川平蔵」と決まっていた、が、タイトルは未定だった。
オール讀物の編集会議で、当時担当だった花田紀凱さんが、「長崎犯科帳」からヒントを得て提案したらしい。新聞の岩波文庫の広告でたまたま見たのがキッカケだったと言う。
当時、既にヒットしていた「銭形平次」の対抗馬として提案された、この「鬼平犯科帳」が大ベストセラーとなるのでした。
鯉栄先生、適度に脱線していい感じの新作でした。上手くなりました鯉栄先生の編集と構成。途中、「北の国から」を例に挙げて脱線したけど、実にいい感じの脱線でした。
2.一見四水「酒屋六衛門」
これも、鯉栄先生の新作で、近江商人の商魂を短い新作なんですが、偶然だとは思いますが、「天秤の詩」を思い出しました。
今後、更に高座に掛けながら洗練されて行くと、鯉栄先生の代表作になる予感があります。
3.天王寺代官斬り
ネタ卸しです。第5話と言う事で物語のちょうど真ん中辺り。それなりに濃いキャラクターが揃いなかなか、面白い話なんですが、
豚次以外の個性的なキャラクターが、まだまだ、未熟で、カラスのかぁー助、鶴のツル瓶、コアラのマッチ、チワワのお菊、そして、ドーベルマンの権蔵が、それぞれらしく演じ分けできていません。
更に、鯉栄先生のネタ卸しの時にありがちな、欠点。グダグタになってしまう悪い癖がありまして、それは、地の部分(ト書き)と科白の部分が噛み合わない。
噛み合わないどころか、変に交錯して二度手間だったり、逆に抜け落ちたりして、変なタイミングで、それを解説したり、補填したりするから、尚更、分かりにくくなるのです。
更に更に、鯉栄先生の弱点、上方訛りをこの回は使わなくてならなくて、それが、鯉栄先生自身への苦手意識を過剰に反応させていて、思い切りの良い喋りを妨げていました。
そもそも、原作者白鳥師匠も、関西弁は不得意でかなりいい加減なんですが、白鳥さんは気にせず堂々と、自信に満ち溢れてやり切りますよね、あんなズーズーしさが、鯉栄先生にはありません。
まぁ、前後の話を覚えて、更に後の話にも登場するキャラクターは、練れて来るとは思いますが、関西弁の克服は、今後の課題となりそうに思います。
最後に、白鳥ギャグも余裕が無いからか?かあー助爺さんの「カッカッカ、掛布さん」や、チワワのお菊の竹輪など、全てカットで、唯一、権蔵のなんじゃ!?こりゃぁ〜だけはやりましたが、
ツル瓶の嘴の使い方が雑で、もっと練習して欲しいのと、本家、松田優作の殉職シーンをDVDを借りて研究して欲しいと思いました。
次回、この会は三月九日土曜日です。
|
|
13時の開演でした。早すぎたと思った、9時50分着く。勿論、誰も居ない両国亭。花壇に腰掛けて待つ。すると、10時を過ぎると続々とお客様がやって来る。
7〜8年前に比べると完全に認知度が上がり、喬太郎師の集客力の高さに驚く。裏では、色々やっているのに…超満員になった、愛山・喬太郎。
途中、雪が降り出したが、15分ぐらいで治った。この会は、夏と冬の開催なのに、雨が多い。そんな愛山・喬太郎の会、こんな内容でした。
・出来心…まん坊
・吉良成忠録「花見の付人」…春陽
・和田平助正勝「鉄砲斬り」…愛山
・錦の袈裟…喬太郎
・お仲入り
・白日の約束…喬太郎
・結城昌治作「厄介な病気」…愛山
1.出来心/まん坊
最近、よく聞く前座さんです、萬橘師匠の弟子のまん坊さん。ハキハキした感じが良いと思います。
2.吉良成忠録「花見の付人」/春陽
直ぐに消えます!と、言った後で、持ち時間が20分あるからと、マクラを降り始めた春陽先生。この会は、ホモ話はしません。
紋付の黒い着物をバックに入れたつもりが、それが羽織と間違えた話をしました。駄目だ!年寄りになった、加齢?ボケが始まった。
そんな事を言っていたら、前座のいちかさんから、「朝、起きたばかりで、頭が回らない時に、支度すると。春陽先生!私だって着物間違う事は、よく有りますよ」と、慰められたそうです。
しかし、その瞬間は、俺だけじゃないのかぁ、と、慰められていたが。後日、冷静になって考えたら、支度したの、朝じゃなく前の晩だったと思い出して、更に落ち込む春陽先生でした。
この後、加齢繋がりで、左足が痛くなる話をされて、私は初耳だったのですが、足の骨が陥没し、左右非対称の高さになる病なんだとか。
陥没した左足に、添え木?みたいな靴底をギブス風に当てて矯正すると痛みが無くなると、春陽先生は仰っていました。
そんなマクラから、意外と短い義士伝の外伝的な物語で、赤穂義士側の目線ではなく、吉良側の目線からの物語を一席聴かせてくれました。
桜の季節に、上野のお山で事件は起こります。浪人ではあるが、江戸市中の道場で師範代を務めるある男が、木綿の黒紋付を着て、酒に酔って千鳥足でフラッかフラッかやって来た男と、
鞘と鞘とがぶつかって口論となり、今にも刀を抜いて斬り合う寸前!!ここに、現れたのが、上杉家の江戸家老・千坂高房、通称千坂兵部だった。
ここは、家康公、権現様が眠る山だ。ここで斬り合ったら、たとえ勝っても血で汚したと、お叱りを受け、よくて切腹、下手をしたら首を刎ねられる。
どうしても、勝負がしたいなら上野の山を降りて空き地でも、広い往来ででも、思う存分やりなさいと、意見をされる。
言われてみればと、気付いた二人。山を降りて斬り合った結果、黒紋付の侍の鍔が割れて、それでも、相手が小刀にて続きを!と、言うのを聞いて自分の負けだと、黒紋付が土下座した。
これを見ていた千坂兵部、剣の腕も心も、立派な武士!と、二人を褒めて召抱え、吉良上野介の警護役に取り立てた。
結局、師範代だった浪人は矢頭右衛門七に、黒紋付の方は堀部安兵衛と斬り合って討ち死にしている。二人の名前を、春陽先生は仰っていましたが忘れました。
3.和田平助正勝「鉄砲斬り」/愛山
マクラで、河野外務大臣を弄る愛山先生。「次の質問を?!」と、4回連続記者の質問に対して失礼な応対をした件を上げて、「あの大臣は酒癖がきっと悪い」と断言する愛山先生。
そんな顔をしていると、言うのです。愛山先生のお見立てなだけに、「酒癖が悪い」に強く信憑性を感じました。だって、元アルコール依存性!
この後、「次の質問を?!」の応用例を具体的に示した愛山先生ですが、内容が触りがあり過ぎて、ここには書けませんが、四段仕上げの落とし噺で、素晴らしかったです。
さて、この後、マクラは名人と上手の違いを熱く熱く語る愛山先生。そして、名人は上手の坂をひと登り!と言って、本編である『平助の鉄砲斬り』へ。
松之丞さんがよくやる演目だから、広くしられていますよね。ただ、愛山先生は、あんなにグイグイはやらないから、お上品な平助です。和田平助、逆さに読むとスケベイだわ?!で、笑いも取って終わりました。
4.錦の袈裟/喬太郎
かなり正月興行で疲れた顔つきの喬太郎師匠でした。それでも、マクラで吉原の話を振り始めたら声も、顔色も不思議と良くなり『錦の袈裟』へ。
与太郎のアホぶりが、毎度受けますし、与太郎夫人の与太郎に対する操縦が、ナイスです。一瞬、与太郎が賢く変身する場面だけ、師匠さん喬さんの語り口調になるのがご愛嬌でした。
5.白日の約束/喬太郎
この噺も義士伝繋がりの季節ネタなんでしょうか?いつものように、マクラはバレンタインデーとホワイトデーについて、喬太郎節炸裂なんだけど、更に、この日は恵方巻へのdisりも半端なかった。
6.結城昌治作「厄介な病気」/愛山
何を最後に掛けるのか?と、思ったら疲れぎみの客席に配慮してか?結城作品のショートショートでした。
シニカルで結城作品らしく、愛山テーストのショートショート講談でお開き!半年に一度の至福の時間です。雪の舞う中、三時間並んだ甲斐がありました。
|



