La vita e bella

前のことを、たらり・たらりと書いています。ニューイヤー・コンサートのことすら書いていなかったこの怠慢さ…。

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二年前の年末年始にウィーンに来た時はアン・デア・ウィーン劇場の豪華なジルヴェスター・





今回の大晦日、ウィーンでは国立歌劇場とフォルクスオーパーで「こうもり」、楽友協会では
ニューイヤー・コンサートと同じプロのジルヴェスター・コンサート、コンツェルトハウスでは
ウィーン交響楽団の「第九」、アン・デア・ウィーン劇場では「カルミナ・ブラーナ」という
五つの公演がありました。





その中で今回は国立歌劇場の「こうもり」を選びました。大晦日、元日の「こうもり」は発売
初日にほぼ完売、望みは直前にキャンセルで戻ってくるチケットか当日購入できる立ち見券です。
この日はウィーンに着いたばかりでしたが、外を少し歩いて15時前に国立歌劇場の立ち見券
販売所の入り口にやってきました。





既に20人ほどの列が出来ており、自分が列に加わってからもどんどん人がやってきます。この冬は
特別寒かったヨーロッパ、氷点下の気温で外で一時間も二時間も並んでいるのは相当しんどいです。
(ちなみに、立ち見券の購入方法は→http://http://blogs.yahoo.co.jp/martinabbado/47216459.html





約3時間並んだ末に平土間席後部のチケットを購入、二列目のスペースを確保できました。上部の
ボックス席がかぶらず音も良いところです。幸い、自分の前のひとが長身でなく、舞台も良く
見えました。



イメージ 2
しゃがんで休む休憩時間に。しゃがんだ体勢から天井を眺める。





さてこの日の「こうもり」は大晦日恒例、スペシャルゲストが第二幕、オルロフルキーの舞踏会に
登場しました。アンナ・ネトレプコと夫でバスのアーウィン・シュロットです。「ポーギーとベス」
の二重唱と「メリー・ウィドウ」の二重唱を歌い客席を沸かせました。



イメージ 1
アンナ・ネトレプコとアーウィン・シュロット





さて本編。日本でもサントリーホールのモーツアルトシリーズで馴染みとなったマルクス・ヴェルバ
がアイゼンシュタインを歌います。高音までよく鳴るバリトンで容姿端麗、軽やかな演技でとても
良かったです。ただ、アイゼンシュタインにはまだ若すぎる感があるのは否めません。この役には
まだ若くスマートすぎて「おやじのスケベ心」が出てこないし、立派な奥さんに負けてしまって
いるからです。





その奥さん、ロザリンデはカミッラ・ニールント。元帥夫人のイメージがとても強い歌手ですが
ロザリンデの軽快さを巧く出していました。チャールダッシュはテンポも速く音も多いですが
転がることなくしっかり歌い切っていました。立派な体格も相まって、見事な存在感でした。





アデーレにはフォルクスオーパーでのキャリアを経て国立歌劇場にも頻繁に登場するようになった
ダニエラ・ファリー。張りのある音で音程も正確、見事なコロラトゥーラを聴かせました。
アイゼンシュタインの「悪友」ファルケはアドリアン・エレート。二年前にフィガロで聴いて
いますが、声はメタリックで非常にいい響きの歌手ですが、やはりファルケを歌うには面白みに
欠ける歌唱と演技に終始してしまったのが残念です。真面目すぎるのでしょうか。





オルロフスキーはアンゲリカ・キルヒシュラーガー。第二幕で登場し台詞を喋りはじめた瞬間に
明らかな鼻声でした。心配になりましたが歌のほうには支障はありませんでした。しっとりとした
美声を堪能しました。素晴らしい歌手です。並んで楽しめたのがアルフレードを歌ったミヒャエル・
シャーデ。この歌手は力強く張りのある美声の持ち主ですが、樽のような身体から軽々と飛んで
くるのが、客席からも感じられるところが見事です。





その他、フランクを歌った国立歌劇場アンサンブル歌手のベテラン、アフルレート・シュラーメク
がずっしり堂々とした歌唱もさることながら第三幕の刑務所でのコメディーな場面のお約束の演技
(紅茶のティーバッグと懐中時計を取り違えたりカフスに水を入れて味がしないと言ってみたり
床をびしょびしょにして誤解を招いたり)が自然で見事、大笑いでした。





指揮はパトリック・ランゲ。大晦日は主力選手がジルヴェスターに行ってしまいバレエの演奏も
多いなどかなり不利な条件ですがそれなりにまとめていたように思います。オットー・シェンク
美しいプロダクション、これは何度見ても溜め息が出ます。新演出で読み替えが横行する中、
この美しいプロダクションはまだまだ長く使ってほしいものです。







<ウィーン国立歌劇場 J.シュトラウス「こうもり」>


アイゼンシュタイン:マルクス・ヴェルバ
ロザリンデ:カミッラ・ニールント
フランク:アフルレート・シュラーメク
オルロフスキー:アンゲリカ・キルヒシュラーガー
アフルレード:ミヒャエル・シャーデ
ファルケ:アドリアン・エレート
ブリント:ペーター・イェロジッツ
アデーレ:ダニエラ・ファリー
イーダ:リディア・ラートコルプ
フロッシュ:ヘルムート・ローナー
イヴァン:オレグ・ツァリツキー



管弦楽:ウィーン国立歌劇場管弦楽団


バレエ:ウィーン国立歌劇場バレエ団
合唱:ウィーン国立歌劇場合唱団



指揮:パトリック・ランゲ


演出:オットー・シェンク




2010年12月31日 ウィーン国立歌劇場

閉じる コメント(4)

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非常にご無沙汰です。今年もウィーンに行かれたのですね。私はフランクフルトに滞在して市内とハイデルベルグ、ヴュルツブルグ、ケルンを観光しました。オペラもコンサートもなしで、アップルワインばかり飲んでました。観光客にはフランクフルトは退屈な街で、やっぱりウィーンにすればよかったかな。それにしても寒かったですね。

2011/2/9(水) 午前 0:47 [ octavian ]

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ウィーン国立歌劇場で「こうもり」ですか(日本では次シリーズの新国立の「こうもり」も話題を呼んでいるようですが)。確かに歌手もすごいのですが舞台セットの質感にいつも驚きます。張りぼて、作り物とは知りつつもチャチに見えないのが不思議です。オペラの舞台という虚構の中に真実というドラマが隠されていると信じる重要な要素の1つだと思うのです。話はややこしくなりますが流石は本場の本物だと感心してしまいます。

2011/2/9(水) 午前 0:57 irigomi45

octavianさん、ご無沙汰しています。ドイツにいっていらしたのですね。確かに、フランクフルトはあまり観光するところはないように思います。それでも、他の三都市、特にケルンなどは見どころが多そうですが。
アップルワインはフランクフルトでは定番なのですか?ウィーンではひたすらオレンジパンチでした。マイナス5度くらいでしたので、温かいお酒は嬉しかったですね。

2011/2/10(木) 午前 0:56 [ mar*in*bba*o ]

irigomiさん、こんばんは。新国立は見事にバルツァを引っ張り出してきましたね。ちょっと見直しました(笑)。
この「こうもり」のプロダクションは本当に美しく質感があって、特に第一幕のアイゼンシュタイン邸の居間の置物や壁掛けなどは見事なものでした。
このような美しい本物のような舞台が少なくなっている現状は淋しいものがあります。この「こうもり」のほかオットー・シェンクの舞台は「ばらの騎士」「マイスタージンガー」と本当に美しいのです。ぜひとも受け継いでいってもらいたい舞台です。

2011/2/10(木) 午前 1:00 [ mar*in*bba*o ]


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