La vita e bella

前のことを、たらり・たらりと書いています。ニューイヤー・コンサートのことすら書いていなかったこの怠慢さ…。

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疲れた。こんなに疲れたコンサートは久しぶりだ。もちろん良い意味で。前半のベートーヴェン
のヴァイオリン協奏曲、後半のチャイコフスキーの5番と、ずっと集中して聴き入ってしまった。





まず前半、五嶋みどりを迎えてベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。曲の違いこそあれ、前週の
ドヴォルザークよりもさらにオケが良く鳴っていて五嶋みどりを力強く支える。五嶋みどりの
ヴァイオリンは、もちろん、素晴らしい技術に唸らされる。そして芯のあるしっかりとした力強い
音、決して大袈裟にならないながらもレンジの広い表現力。独特のキレと歌心を感じる滑らかな
レガートが素晴らしい。時折オケに寄り添うようにして綺麗に溶け込むあたりに見事な一体感を感じ
もする演奏だった。





後半はチャイコフスキーの交響曲第5番。忍び入るように現れるクラリネットの「運命の動機」、
そしてどっしりと奥深い低弦の音にまず引き込まれ、大波のようにスケールの大きい弦は聴いて
いるこちらも揺れそうになるほどどの奏者も全身を使って演奏しているようだった。金管がやや
落ち着いた音量だったこともあり非常に均整の取れた演奏だったように思う。第二楽章のホルン
ソロもやや硬めの音色で美しく決め、弦も一歩一歩長い階段を踏みしめながら登るように徐々に
大きく盛り上がる。その緊張感が本当に美しかった。第三楽章の優美な弦の響きも見事だったし、
第四楽章の戦車のようなパワー...しかし決して鳴らし過ぎにならずどこか冷静なところがこの日
の演奏のいいところだった...も恐るべし。最後まであくまで煽りすぎず、堅実な音楽づくりと
いった感であるが曲が終わるや客席は興奮を抑えきれず、大きな拍手と歓声に包まれた。






バイエルン放送交響楽団日本公演


ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64



(アンコール)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番から第二楽章 
シベリウス:悲しきワルツ 
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル「憂いもなく」OP.271



ヴァイオリン:五嶋みどり


管弦楽:バイエルン放送交響楽団


指揮:マリス・ヤンソンス



2009年11月15日 サントリーホール


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